2つのニュースがあります。1つ目は良いニュースで、今まで「ジャパニーズウイスキー」は誰でも簡単に名乗れるもので、海外のバルクウイスキーを輸入してラベルを貼っただけでも同名を名乗ることができました。松井酒造ピュアモルトウイスキー「倉吉」の社長が、ラベルに「made in nippon」と表記し、あたかも国産ウイスキーのように誤解された上、それがSNSで指摘される、以下のような発言で炎上して話題になりました。
「日本の方々は ウイスキーについて、うんちくを言われる方が たくさんいますが、メーカーは 大変迷惑な時もあります。自由に言うのは良いですが もっとわかった上で話すことが重要だと私個人は思います」
時代の流れで純国産を作ることも重要だと思いますが、原酒も良いものだと
海外からも取り入れることも重要だと思います。考えは様々ですが、私共は良いものは取り入れる方針です、
このように弁解して、実際に日本でボトルに詰めているからジャパニーズウイスキーだと、ネット上でも大炎上しました。 これが原因になったのか分かりませんが、日本洋酒酒造組合では2021年に「ウイスキーにおけるジャパニーズウイスキーの表示に関する基準」を制定、少し期間は空きますが2024 年3月31日からは組合員すべてが上記の基準に沿って販売するようです。
2つ目に悪いニュースがあります、日本でインチキウイスキーを販売しているほとんどの会社が日本洋酒酒造組合に加盟していないということです。英国でのウイスキーの法律や、フランスでのワインの法律は、その国の中の全ての業者が対象になります。日本洋酒酒造組合の取り組みは素晴らしいですが、これは日本の法律ではありませんので、もし違反としても処分もなく、そもそも組合員でなければ今まで通りジャパニーズウイスキーとして、海外の原酒をつめて販売ができてしまいます。
この問題をなるべく早く解決しないと、現在は海外からの評価が良いジャパニーズウイスキーですが、いずれは日本で作っていないと言うことが判明してしまい、大きなブランド上のダメージ、かねては全体の萎縮にまでつながってしまいます。
ジャパニーズウイスキーの表示に関する基準の概要
特定の用語 | 製法品質の要件 | ||
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ジャパニーズ ウイスキー |
原材料 | 原材料は、麦芽、穀類、日本国内で採水された水に限ること。 なお、麦芽は必ず使用しなければならない。 |
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製法 | 製造 | 糖化、発酵、蒸留は、日本国内の蒸留所で行うこと。 なお、蒸留の際の留出時のアルコール分は95度未満とする。 |
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貯蔵 | 内容量700リットル以下の木製樽に詰め、当該詰めた日の翌日から起算して3年以上日本国内において貯蔵すること。 | ||
瓶詰 | 日本国内において容器詰めし、充填時のアルコール分は40度以上であること。 | ||
その他 | 色調の微調整のためのカラメルの使用を認める。 |
下記の画像は、日本洋酒酒造組合公式サイトの「ウイスキーにおけるジャパニーズウイスキーの表示に関する基準(2021年制定、日本洋酒酒造組合)」より引用。
http://www.yoshu.or.jp/statistics_legal/legal/independence.html