みなさまは「受賞 98点獲得!!」など商品のPRなどでコンクール、コンペティションを見かけたことはありますか。山崎や竹鶴はこの「International Spirits Challenge」で受賞したことが有名になるきっかけにもなりました。中には怪しいコンクールも存在します。「アルティメット スピリッツ チャレンジ」といった実際に組織がありますが、審査にかたよりがあります。
上記のコンクールで受賞したヨシノスピリッツ(大阪)は神息ウイスキーというジャパニーズウイスキーで高得点を受賞していますが、この会社は実態が無く、日本国内では販売をしていない。蒸留どころか輸入したウイスキーをブレンドしているだけのようです。つまりコンクールの評価がそのウイスキーの今後の価値と判断するのはいささか早計です。
コンクールに参加している会社がどれほどあるのか、審査員はどんな経歴で何人なのか、そのコンクールは過去何年開催されたのか。とういったことを確認しないと「モンドセレクション最高金賞受賞」のように、ただ一定の参加費を出せば貰える賞かもしれません。
蒸留所が存在しないウイスキー会社
ジャパニーズウイスキーは蒸留所が無いのに「商品」ばかりが流通して、実態はバルクウイスキー(海外からの安い樽ウイスキー)を自社で瓶詰めして、ラベルの漢字でそれっぽく雰囲気を出しているだけということも多々あります。
怪しい場合は、「会社名+蒸留所+見学」などで検索すれば、本当に蒸留所があるのか、立地は?水源は?貯蔵庫は?など写真が出てくるはずです。全く写真が無い場合はエセウイスキーです。
もし、本当に存在するか怪しいと思ったならば、そのウィスキー名と蒸留所の住所を検索するのをお勧めします。 本当に蒸留所が存在する場合は、住所がGoogle マップなどで登録されているので、ストリートビューで実際にその蒸留している建物を確認できます。
実際に蒸留所が存在する会社でも、 本当にコンビニのような小さいサイズの建物で作っているようなところもあり、この生産規模で保管庫も近くにないので少し微妙だなぁと思うこともあります。 ただし、最近ではサントリーでさえも山崎や白州の隣の貯蔵庫は手一杯で、近江のセラーに移動しているようです。
スコットランドの本国では、蒸留所の真となりに貯蔵庫があるので、 私からすると蒸留所から何10キロも離れた場所に保管すると言うのはかなり違和感を覚えます。
国内新興でも安心できる蒸留所も
逆に新興でまだ有名ではない銘柄もあります。例えば「ガイアフロー静岡蒸溜所」では「プライベートカスク」といって限定数量で個人に樽販売を行っています。軽井沢蒸留所という閉鎖した伝説的な蒸留所の蒸留機を買取、それで仕込みを行うそうです。実際にどうなるかは予想ができませんが、仮にジャパニーズウイスキーブームが長く続くのであれば、1本10~20万円以上する”軽井沢”が現代に戻ってきたと揶揄されて1樽30万円で買ったものが何倍から何十倍にもなるかもしれません。しかし、新興株と同じで高いギャンブル性があり、丸損する可能性もあるのでリスク管理は必須です。
この蒸留所はリッターに対して単価が高く、ボトル1本当たりに6,000~8,000円が想定されます。それでいて長期熟成ではない3~5年という短期熟成のために、そこまでプライスが付くかは怪しいですが、本場英国と同等の設備、生産体制の安心できる会社です。余剰資金があるのであれば仕込んでおくのも選択のひとつです。
残念なことに、現在は抽選になってしまい、昔あったさらに大きいサイズのカスクは取り扱いが無いそうです。初期の段階では、静岡市内の飲食店の方や有力者たちに依頼してご祝儀の感覚で契約していたようです。
わずか3年しか熟成していない樽をボトリングして顧客に納品します。その正規の顧客が、ウイスキーを転売していると知り怒った事件があると聞きました。
買った3年のウイスキーが大量に手に入っても、困ってしまうと言う問題もありそうですね。 ただ丁寧な作りをしている事は確かなので、興味がある人は調べてみてください。