洋酒投資の楽しさは、実際に自分自身で飲んでみて「価値がある」と思ったものが、数年後に実際に値段が上がることで自身の感覚を評価できるからです。
これは株式投資にも似ています、株式投資と言うのは企業の決算書、BS(貸借対照表)、PL(損益計算書)、CF(キャッシュフロー計算書)を読んで財務状況を分析したり、 現代の実社会においてその会社が必要とされているのか、その会社の経営者が将来性があることに取り組んでいるのか、といったことを自分自身の頭で考えて株式を購入します。 もちろん配当金の利回りや、株主優待等は魅力的ですが、基本的には上記のような分析を行って購入するのが一般的ではないでしょうか。
このように自分自身で、「今から投資するものは伸びるのかどうか」を判断できるのが楽しさの要因です。 ウイスキー投資の楽しいところは、実際に美味しくなくても上がる場合もあり、おいしいのに上がらないと言うこともあるからです。 例えばサントリーの山崎は10年前と比べると味が劇的に落ちましたが、ネームバリューが高いため米国株のように値段がどんどん上昇しています。 一方で、丁寧に作っているような蒸留所はスコットランドに多数ありますが、マーケティングが下手だったり、日本で流通していなかったり飲む機会がないために、値段が上がっていないと言うこともあります。
オールドヴィンテージも、先日別の記事で紹介しましたが、グレンモーレンジの旧ボトルのように味は優れているのに流通量が多くて値段が上がらない。バランタインのオールドボトルなども同じ理由で、素晴らしい1970年代から1980年代の原酒が使われていても、皆さん見向きもしないと言うわけです。
投資用と普段飲み用は分けている
いろいろな方法があると思いますが、私は自分自身で飲む消費用と、投資用では銘柄を全く分けています。今説明したように、オールドボトルのバランタインやジョニーウォーカー黒ラベルなどは素晴らしいウイスキー黄金郷のものを、たった3000円で購入できることもあります。
そうなると普段のみには非常にコスパが良いですが、投資用としては少し弱いです。
投資用の中でも、2種類ありもともと売却や保管することを前提に購入しているものと、「これ無くなったら困る」と買い溜めているものです。
このサイトでは少し毛嫌いしているジャパニーズウイスキーですが、2005年頃までは本当に大好きで竹鶴12年の角ボトルが1980円で売られていたので毎晩ハイボールにして飲んでいました。白州も10年、12年を常飲していて響も5000円あれば買えたので、たまに豪華な気分で飲んでいました。
その時は、ずっと続くと思っていたので買い溜めしていなかったのですが、今は「美味しいウイスキーは永遠じゃない」と自覚して好きな銘柄は12本単位で購入して、一生かけてゆっくり飲めるように備えています。
ストックがあると後輩に手本を見せれる
私自身、シングルモルトバーにずっと前から通っていますが、 若かりし頃は多くの先輩方にウイスキーのいろはを教えてもらいました。その時には既に絶版だった、ローズバンクや、ポートエレンなど、後輩の人たちが所有している貴重なウイスキーを、ワンショットずつ飲ませてもらうことができました。
これは先輩たちがYahoo!オークションで買ったのではなく、若い頃においしいからといった理由で、押し入れの中にしまってあった1本です。このように誰かが後のために持っておかないと、後から興味を持った人たちにワンショットご馳走してあげることさえできなくなってしまいます。
同じように良心的なバーでは、昔仕入れていた希少なボトルを、当時のような値段で伸ばしてくれるような店もあります。 ビジネスとして今の値段で売る事は間違ってはいませんが、良心的な店であれば当時の値段で当時のお酒を楽しむことができて、これもまた数多くのウイスキーをストックとして所有していたからに外になりません。
利益を得るために購入している洋酒も多いですが、実際に先輩達に手本を見せてもらって育ったので、いつか若い人が興味を持ったときに昔の素晴らしかったお酒を飲ませてあげたいと言う気持ちもあります。今でもサマローリだろうと、半分ほど飲んだ時点で後輩の男の子たちに後学のために譲っています。