醸造酒のワインと、蒸留酒のウイスキーを比べると言うのは無理がありますが、高騰のメカニズムからして少し共通している点があります。
ウイスキーの場合は特に人気な蒸留所が値段の相場を引っ張っていき、それに似た蒸留所の値段も緩やかに上昇していくと言う点です。 例えばブルゴーニュで最も有名な生産者と言えばドメーヌ ド ラ ロマネ コンティ Domaine de la Romanée-Contiですが、 この生産者の中でも最も高級な畑はご存知のRomanée-Contiというグランクリュです。現在では1本500万円を超すような希少なボトルになっています。
1990年代までは確かに人気がありましたが1本10万円程度で日本で流通していました。ラ・ターシュは3~4万円で販売されていました。 これが30年程度で、今のような値段にまで高騰してしまいました。 ブルゴーニュは値段がおかしい位に高騰していると言われていますが、品質が本当に優れた生産者であれば、今後も大きな値崩れが起こるとは考えにくいです。 例えばDRCのロマネ・コンティが10万円に戻ることはありません。ただ500万円が、250万円になることはあるかもしれません。それでもどれだけ落ち着いたとしても100万円を切る事は無いのではないでしょうか。
すばらしいワインに近い畑は総じて値段が上がる
それは生産本数が限られているためです。 そしてこれらの優れた生産者と言うのは、今までと同じように優れたワインを作り出すために、限られた樹木から少ない葡萄を収穫するので生産量は増えません。 そこで面白いのが、近くのグランクリュだけでなく一級畑まで値段が上がることです。ラ・グランドリュといった隣の畑はもちろん、少し離れたオーレイニョやレ・プティ・モン、レショーム、クロデレアまで値段が上がっています。
それだけでなくワインのエチケットに、ボーヌロマネと書いてあればそれだけで値段が釣り上がってしまいます。
ウイスキーも素晴らしい蒸留所のものはずっと値段が高止まり
日本のウイスキー事情はどうなるか分からないのでさておき、例えばDRCに相当する蒸留所といえばマッカランはどうでしょうか。 他にも優れた蒸留所は数多くありますが、取引価格から考えるとDRCに近いものがあります。
マッカランは利益を追求する会社のため、最近ではあまり品質が良くないと意識も、世の中に出すために大量に生産をしています。ただ1980年代以前の原酒というのは値段が上がり続けています。
10万円のDRCが500万円になったように、同じようにマッカラの長期熟成も価格が上がり続けています。 すでにウイスキーワンショット飲むのに、50,000円以上の値段と言う信じられない金額まで上がっています。 それでも私はブルゴーニュの有名な生産者のように、マッカランの一部の銘柄だけは値段が高いまま止まるのではないかと考えています。
1980年以前のマッカランが今後値段が下がっていくと言うのは考えにくいです。もちろん今作られているような大量生産されているものに関しては値段が下がる可能性は十分にありますが、それでも本当に優れた蒸留所の1部のウィスキーと言うのは、ブルゴーニュと同じように緩やかに上がり続け、本数が限られているものであれば値段が下がる事はないと思います。