最近オークションで盛んに取引されているのが、サントリーなどの古いボトルです。 カガミクリスタルの豪華な容器に入った古酒は、昔のウイスキーを知らない人にとってはとても魅力的に見えてしまうかもしれません。
もちろんこの中には、飲めるような品質のものも存在しますが、個人的な体験談としては半分近くのボトルが中身が飲めないような状態になっています。
クリスタルデキャンターに入っているボトルは、まず直射日光に弱いです。 箱のまま立てて涼しく暗いところに保管してあったなら、まだしも飾ってある場合は飲めないような風味になっています。
また中身の原酒は傷みにくくても、キャップやコルクが悪さをすることが多いです。 実際にインペリアルなどの古酒を開けると、コルクとガラスキャップを接続するパッキンが劣化して、プラスチックのヒネ臭がウイスキーに混ざってしまうことが多いです。
なぜスコッチよりもジャパニーズがヒネやすいのか
・コルクの質が低い
・コルクが弱く細くなり、キャップのパッキンにウイスキーが触れやすい
・キャップの場合、プラスチックの保護パッキンに触れる
・ボトルの隙間から揮発しやすい
これらの理由が挙げられます。多くのウイスキーを飲んでいると国産ウイスキーは、まだ20年も経過していないのに隙間があり、液面が下がっているのを見かけます。開栓するとコルクが痩せこけていて、スカスカになっているものばかりです。
こうなると、せっかくコルクのニオイが移りにくいのに、コルクとキャップを接続するパッキンにアルコールが触れる状態になってしまいます。
プラスチック部分が加水分解したり、日光の影響により変質してしまい、それがウイスキーに匂いを移す原因となっています。
スコッチウイスキーのオールドボトルに、同じようにクリスタルデキャンタのものがありますが、コルクが太く完全に気密が取れているため、30年以上たっても中身があまり減っていないものがあります。
国産ウイスキーの古酒は外れが多いので、なるべく手を出さないほうが良いですし、もし開けて飲むのであれば、液面とコルクやキャップの周辺を良く観察して、コルクが痩せていないか、液漏れした後が無いかなどを慎重に確認するとよいです。
もしも、問題があれば二次流通で手放してしまった方が良いですよ。