なぜ儲かるウイスキー投資を書こうかと思ったか、それは適当に買ったウイスキーが信じられない価格になったからです。2008年頃に近所のディスカウント酒販売店で山崎蒸留所オーナーズカスク(1986年)を1万8千円で購入しました。あまりに色が美しく、何度か飲んでしまおうか悩んだのですが結局棚の奥に大切にしまって12年経った今、値段を調べて見るとなんと60~100万円で取引されているのです。
ですが残念なことに1本しか買っていなかったのです。もし10本買っていれば600万円から1000万円にも化けたのです。
※追記 2021年7月1日
1986年のオーナーズカスクは60~100万円を推移していたのですが、ついに2,476,100円まで高騰してしまいました。
今から15年前、ある地方の百貨店の洋酒コーナーに山崎蒸溜所のヴィンテージモルトが1979年から1994年まで全て揃って販売していました。販売価格は1本7千円〜10万円程、中心価格は1~2万円程度なので全ての年代を揃えたとしても60万円程だったでしょうか。そのシリーズを全て揃えて保管してあれば確実に数千万円以上の価値があります。
このように身近に売られていたものを飲まずに保存してあっただけで、数十倍から数百倍もの価値になることがあるのがウイスキーの面白いところです。
なぜウイスキーが良いかというと、それは変質が少なく保管が簡単だからです。日差しが当たらないのであれば、未開封で棚に放っておくのも良いですし、少し本格的に保管しようと思えばパラフィルムという2千円程度の保管用フィルムをキャップに巻いて、暗く温度変化の少ない場所を選べば充分なのです。
一方でワインは保管が非常に難しく、醸造酒ですので正しい環境で保管しても中が傷んでいる可能性もあります。たとえ1級シャトーであっても、バックヴィンテージの二次流通品は購入価格を割るものさえあるのです。その点、ウイスキーは選ぶ銘柄さえ間違えなければ数倍もの価格高騰を狙うことができます。
焦って失敗するウイスキー投資
連続テレビ小説のマッサンや、国際的なウイスキーコンクールでの入賞などでサントリーの山崎や白州、響、ニッカウヰスキーの竹鶴などが人気上昇して原酒不足となり続々と販売終了、または出荷制限が出て販売価格が高騰しています。
メルカリやヤフオクを覗いてみると本来5千円程度の銘柄が、2~3万円とプレミア価格で販売されているのです。これを見て焦ってノンビンテージの銘柄を買ってみるものの、思ったように値段が上がらない、手数料と送料だけで終わってしまう。なんてことが起こっています。
ウイスキー投資の初心者が陥りがちなのが、短期での利益を求めようとする傾向にあるからです。買ってから数ヶ月で利益を得たい!なんなら買った瞬間に転売して儲けたい!こういった短期の転売は競合が非常に多く難しいと言わざると得ません。
筆者がお勧めするウイスキー投資は中期(5~10年)から長期(10年以上)のものです。このロングスパンの観点からウイスキーを購入すれば高い確率で購入金額を上回る、うまくいけば数倍から数十倍もの価格になる可能性があります。
中期で儲かる方法は2種類ある
一つめは流通量・生産数量が絞られている銘柄を狙うことです。例えばマッカランの「エディション」シリーズ。マッカランの樽にまつわる物語からユニークなブレンドを完成させるシリーズですが、No.5までリリースされています。このエディションNo.1は全国で2,500本限定、2016年2月23日に販売されましたが、当時は転売目的の人によって瞬く間に買い占められて、税別15,000円のものが発売翌週には2万円、更には3万円程度でヤフーオークションに出品されていました。
発売したてのウイスキーを飲みたい層や、バーの経営者など多少高くてもボトルを手に入れたいようで、そんな値段でも落札されていました。しかし面白いことにエディションNo.1は数ヶ月もしない内に価格が落ち着き1万6千円程度で大量出品されるなど定価とほぼ同じに落ち着いたのです。
筆者も数本入手して棚に保管してありますが、これが忘れた頃の2020年には1本7~9万円で取り引きされています。当時のオークションには10本まとめて20万円で販売していた転売目的の人もいましたが、あのまま3年間大切に取っておけば100万円近くなったのです。つまり限定品の銘柄を手に入れても、一番相場が安いときに手放した人が相当数いるという事です。
※追記 2021年7月1日
1本7~9万円と紹介しましたが、2021年には1本15〜20万円まで更に高騰しています。昨年買っても倍以上になっています。
流通量が絞られている例としてはマッカラン以外にも、サントリーの樽出原酒やイチローズモルトなど、特に秩父蒸溜所のベンチャーウイスキーなどはイベント限定販売やコラボなど限定のウイスキーが多数存在します。
見落としがちなのが、シリーズ物のウイスキーです。1985~2014年に製造された「イチローズモルト」のトランプが印刷されたシリーズは、54本セットで719万2000香港ドル(約1億円)で落札されました。
これは極端な例ですが、ぱっと思い付く範囲でヘンプ&スパロー(Hemp & Sparrow)の筒子や、エリクサーディスティラーズのウイスキートレイルウォーリアーなどラベルに連続性があり、コンプリートできるコレクション性の高いものは後々に価値が上がる可能性があるのです。
忘れていましたがUD(ディアジオ)の「花と動物シリーズ」なんかも1本当たり1万円以下の手頃なボトルが多いですが終売品も多く、全て揃って持っている人は僅かなはずです。つまり生産数量の少ない特別ボトルや、揃えるのが難しいシリーズ物は後から価格が一気に上るこもと充分に在りえます。
もう一つの方法は意外にもシンプルな物です…