今年に入ってから、貴重なバーボン「ヴァンウィンクル」が100万円を超える価格で落札が続いています。過去の相場や、ブランドについて調べてみました。
出典:https://www.buffalotracedistillery.com/our-brands/van-winkle.html
オークション相場を調べると最近急上昇しているのが、「ヴァンウィンクル」です。昨夜も「Van Winkle(ヴァンウィンクル)ファミリーリザーブ 16年 ハンドメイド 1974-1990 50.5%」が123万円で落札されていました。
入札履歴を見ると、評価1万件以上の輸出代理アカウントのようです。他にも同様のアカウントからBIDがあり、海外の需要が高いことが伺えます。
バーボンは全く分からないので、ヴァンウィンクルについて調べてみました。
パピー・ヴァン・ウィンクルの「ファミリーリザーブ」
wikipedia”Pappy Van Winkle’s Family Reserve”より翻訳
歴史を省略しようと思ったのですが、会社の買収の流れが細かく書いてあるので、長い文章ですが原文のまま引用します。
オールド・リップ・ヴァン・ウィンクルとは混同しないように。
タイプ バーボンウイスキー メーカー サゼラック社
原産国名 アメリカ合衆国ケンタッキー州 アルコール度数 45.2~53.5
関連商品 バッファロー・トレース オールド リップヴァンウィンクル
パピーヴァンウィンクルのファミリーリザーブは、「オールドリップヴァンウィンクル蒸留所」会社が所有するバーボンウイスキーのフラッグシップブランドです。
ケンタッキー州フランクフォートにあるバッファロートレース蒸留所でサゼラック社が蒸留・瓶詰めしている。
パピーヴァンウィンクルのファミリーリザーブは世界で最も優れたバーボンの一つとされることが多く、生産量が非常に少なく需要が高いため、入手が非常に困難なこともある
歴史
1893年、18歳だったジュリアン・ヴァン・ウィンクル・シニアは、酒類卸売業者であるW.L.ウェラー&サンズ社でセールスマンとして働き始めました。15年後、彼ともう一人のウェラー社のセールスマンが会社を買収しました。1910年、彼らはルイビルのA.Ph.スティッツェル蒸留所を買収した。スティッツェル蒸留所は1872年にサワーマッシュウイスキー蒸留所としてスタートした[7]。
スティッツェル蒸溜所はウェラー卸売会社が販売するウイスキーの多くを供給していた。この統合は禁酒法と重なり、その間、スティッツェル・ウェラー社は政府から薬用ウイスキー製造の認可を受けていた。禁酒法直前に市場に投入された彼らのラベルのひとつがオールド・リップ・ヴァン・ウィンクルであった[1]。 禁酒法後、このブランドが再登場したのはスティッツェル・ウェラー蒸留所とその現在のブランド名(W・L・ウェラー、オールド・フィッツジェラルド、レベルエール、キャビンスティルなど)が他社に売られた1972年以後のことである。ヴァン・ウィンクル家が唯一権利を保持していたブランド名は禁酒法以前のブランドであるオールド・リップ・ヴァン・ウィンクルであった[1]。
スティッツェル・ウェラー蒸留所は、1935年のケンタッキー・ダービーの日に、ルイビル郊外のシャイブルに開設された。1965年に89歳で亡くなった時、パッピー・ヴァン・ウィンクルは全米で最も高齢の現役蒸留者でした。ボトルのラベルには、葉巻に火をつける彼の写真が飾られています[3][8][9][10]。
1972年にスティッツェル・ウェラー蒸留所が売却された後、ジュリアン・ヴァン・ウィンクル・ジュニアが禁酒法以前のオールド・リップヴァン・ウィンクルブランドを復活させ、当初は蒸留所の古いウイスキーのストックをボトリングに使用していました[1] ジュリアン・ジュニアは1981年に亡くなり、ジュリアン・ヴァン・ウィンクル・スリー(パピーの孫)[11]はオールド・リップヴァンウィンクル蒸留所を継承しています。
1972年の最初の売却の後、スティッツェル・ウェラー蒸留所は最終的に1991年に完全に閉鎖された[12]。
2002年以降、ヴァン・ウィンクルのブランドはサゼラック・カンパニーがオールド・リップ・ヴァン・ウィンクル蒸留所会社との共同事業としてバッファロー・トレース蒸留所で蒸留と瓶詰めを行うようになった[1]。
2013年、ジュリアン・プレストン・ヴァン・ウィンクル3世は、その時点でスティッツェル・ウェラー蒸留所の熟成ストックがほとんど残っていなかったため、23年のブランド表現の2013年のボトリングが「この種の最後のものになるかもしれない」と述べた(ただし、このブランドが廃止されることはないと述べた)[7][13] メーカーは、長期的にかなりのリスクがあり、味や流行や状況が変わったときに販売できないバーボンを大量に抱えることにならないよう増産したくないと言っている [14]….
2015年に6-8千本だった年間生産量は2025年には1万5千本になると予測され、多少は増産されているが、量販店のレベルをはるかに下回る生産量にとどまるだろう[6]。
https://en.wikipedia.org/wiki/Pappy_Van_Winkle%27s_Family_Reserve
つまり、どういうこと?
スコッチ蒸留所と異なり、「ブランド名=蒸留所が固定」ではないことが分かります。スコッチの場合はマッカランはマッカラン蒸留所でしか作られていませんし、スプリングバンクもスプリングバンク蒸留所で作られます。
蒸留所の閉鎖・再開はありますが、同じブランド名で別の蒸留所で作られることはまず無いはずです。
パピーヴァンウィンクルは会社の売却や閉鎖を繰り返し、時代によって蒸留所が異なるようです。要点をかいつまむと、
・現在のパピーヴァンウィンクルのファミリーリザーブは、「オールドリップヴァンウィンクル蒸留所」会社が所有するフラッグシップブランド。
・現在はバッファロートレース蒸留所でサゼラック社が蒸留・瓶詰めしている。
・ファミリーリザーブは世界で最も優れたバーボンの一つ、生産量が非常に少なく需要が高いため、入手が非常に困難。
・1972年にスティッツェル・ウェラー蒸留所が売却された。
・ジュリアン・ヴァン・ウィンクル・ジュニアが禁酒法以前のオールド・リップヴァン・ウィンクルブランドを復活させ、当初は蒸留所の古いウイスキーのストックをボトリングに使用した。
・1972年の最初の売却の後、スティッツェル・ウェラー蒸留所は最終的に1991年に完全に閉鎖された
・2002年以降、ヴァン・ウィンクルのブランドはサゼラック・カンパニーがオールド・リップ・ヴァン・ウィンクル蒸留所会社との共同事業としてバッファロー・トレース蒸留所で蒸留と瓶詰めを行うようになった。
バーボンに詳しい方がおりましたら、コメント欄などで正しい歴史を教えて頂けたら幸いです。
とにかく、「パピー ヴァン ウィンクル」の時代が中でも希少とされているようです。
続きはこちら
https://note.com/whsky/n/n238041d9b240