現在70代になる切手コレクターからこんな話を聞いたことがあります。
そのコレクターの自宅に呼ばれて、立派なコレクションを見せていただきました。 私にとっては、その切手のどれが価値が高いものなのか、どれだけ希少性があるものなのかは分かりませんでした。「これはコレクター仲間には見せられないんだよ」と言われて何のことか気づかなかったのですが、話を聞いてみると世界的に希少なコレクションは、誰がどのくらい持っているか大凡の検討がついていて、ある時に突然まとまった量を持っていることを知らせてしまうと価値が下がるということでした。
これはなかなかに衝撃的な話でした。実はその切手コレクターの方は、世界的なレベルで貴重なものをまとまった数量持っているそうです。これは価値がわかる人が見てしまうと、一瞬にして噂になってしまいその切手自体の価値が下がってしまう可能性があると言うことです。
イチローズ・モルトの「カード」コレクションが58本セットで1億円で落札されていましたが、「現存する数は3セット」と推定されています。 もしこれが実は国内のコレクターによって、10セット以上存在すると分かってしまった場合、この価格が下落する可能性が非常に高いです。下手したら半額以下の価格になってしまうのではないでしょうか。 これが切手の世界でも存在するようです。
希少なボトルほど黙って所有する方が良い
売却を考えているのであれば、ウイスキー情報サイトなどに自分自身の所有しているボトルを登録することによって、買いたい人からオファーされるなど便利ですが、売却を考えていないのであれば黙って所有するのが良いです。
私は山崎のオーナーズカスク1986を1本しか持っていないと公言していますが、実は100本以上持っていて、大量にオークションに出品した場合あっという間に価格が落ちます。出品していなくても、その人が大量に所有していると言うことをコレクターたちが知っているだけで相場が上がりにくい傾向にあります。
そのため、貴重なボトルほど持っていることをあまり他の人に言わない方が良いと思います。
そしてボトルを売却する際は、仮に同一のボトルを10本以上持っていたとしても、1本ずつ期間をあけて売却することによって相場を崩すことなく利益を得ることができます。 稀に、まとまった量がセットになっていた方が値段が上がりやすいこともあるので、その際は慎重に考えて出品するべきです。
購入時の納品書は印刷して大切に保管しておく
10万円以下のボトルであれば無問題ですが、高額になるほど「出どころ」が大切になります。 ワインの投資の場合は、購入した店がどこなのか、その証明書があるかどうかでも売却できる金額が変わってきます。
信頼のできる販売者でなおかつ証明書があり、12本セットで1箱に入った状態というのが最も評価が高くなります。 ウイスキーの場合も同じように商品の金額が高くなる場合は、受領したときの領収書や納品書などをそのまま箱に入れていくことをおすすめします。それによって自分自身がワンオーナーであって、出どころが確かであるという証明にもなります。