最近ウイスキーを購入し始めた人が失敗しがちなのが、このミニチュアサイズのウイスキーを集めてしまうと言うものです。 実はこれかなり昔から存在して、30年以上前から日本国内でもミニチュアを集めている人がいました。
理由はとても単純で、当時イギリスに旅行した人たちが、お土産にフルサイズのボトルの買うのは大変だけれど、小さいサイズであれば何個も購入ができたためです。 蒸留所のお土産コーナーにも、街中にある酒販店でも、空港の免税店でも、必ずと言っていいほどこのミニチュアサイズが販売されていたり、180ミリリットルのミニボトルが売られていました。
現在でもミニボトルの3本セットのものがお土産用として、イギリスのウイスキーを売っているお店に置いてあることがありますが、これは少しだけ味見をしたり、雰囲気を楽しむのにはぴったりです。
長期保管は絶対にできない!極めて管理の難しいボトル
イギリス旅行から帰ってきて、友人に渡したり、自分自身で思い出しながら楽しむと言う分には素晴らしい選択なのですが、1年以上保管するのであれば最低でも180ミリリットルのボトルにしないと味がすぐに劣化してしまいます。
この理由の1つが、キャップがアルミになっていて隙間があることによって蒸発しやすいです。それに液体の量が少ないので気温の変化によって中身が減っていく可能性がとても高いのです。
この1980年代に収集されたコレクションが、たまにYahoo!オークションなので出品されるのですが、750ミリリットルのフルサイズと比べると相場が信じられないほどに安くなります。 例えばフルサイズであれば1本20万以上するボウモアでも、50ミリリットルになると3000円程度で落札されることもあります。とても希少なミニボトルでもあまり価値がないのは中身が痛んでいる可能性が高いからです。
対策としては、パラフィルムをしてアルミホイルなどでぐるぐる巻きにすれば揮発する事は無いのですが、容器がプラスチックの場合は長期間入れておくことにより、中のアルコールによりほんの少しずつ変質する可能性があります。 またアルミキャップの裏に緩衝材の保護キャップのようなものがありますが、これも長時間アルコールと接触しているとにおいが移ってしまいヒネてしまうことがあります。
このことからミニボトルは管理は簡単に見えますが、ウイスキー投資にはあまりオススメできないサイズです。
ヤフオクやメルカリを見ていると、山崎12円の50mlボトルを大量に出品している人を見ますが、少し相場が安いからといってこのようなものを買わない方が良いと思います。
大きい1000ml(1リットル)瓶はウイスキー投資にも向いている
ではたまに見かける、750より大きいサイズはどうなのでしょうか。 実は昔免税店なので、たくさん飲みたい人向けにリッターサイズと言って1リットル以上のサイズを販売していた時期がありました。
今でこそ大きいサイズで売る蒸留所はかなり減っていますが、中古市場ではまだまだ大きなサイズを見かけることがあります。 ご察しの通り、入れ物は大きければ大きいほど中身が安定する傾向にあります。
例えばワインなんかは、 メドック格付け1級シャトーのバックビンテージは750mlだと20万円程度の銘柄が、1500mlになると60~80万円以上になることもあります。 これはそもそもマグナムボトルの生産量が少ないと言うのもありますが、蒸留酒と比べて醸造酒は大きさによって中身がゆっくり熟成して、酸化の影響を受けにくいため価格が上がります。
蒸留酒と醸造酒ではメカニズムは異なりますが、容器に触れる面積と言う面では共通しています。 このことから、少し大きなボトルを見かけたら液面をチェックして、前向きに検討すると言うのも良いはずです。