2022年時点で考えられる長期ウイスキー投資にオススメなボトルの傾向について解説します。
これは長期の投資で当たり前の考え方ですが、10年後や20年後に「どのようなものが必要とされるか」を推測する必要があります。
値段が何十倍にもなった、ブラック・ボウモアやバイセンテナリーなど伝説と呼ばれるような希少なウイスキーを予想できたら良いですが大抵の場合、終売して何年も経った後に「あれはすごかった!」と語り継がれて価値が吊り上がります。発売当初は不人気で余って安売りされていたという話さえあります。そこで予想しやすいものもあります。
一番シンプルなのは年代で分類する
現在は2022年ですが、1980年代のシングルモルトウイスキーは極端に流通量が減っています。 そしてここで大切なのが、どんな蒸留所のウィスキーであっても値段が上がっていると言うことです。 あまり有名ではない蒸留所や、味がどんなものかわからないボトルでも30年以上昔というだけで値段が上がっています。
少し前まではブレンド用の無価値とされた、グレーンウイスキー(穀物)でさえ長期熟成のものは数年前より3倍以上の価格になっていることもあります。
では今から10年後、2032年にワープしたとすると、今度は1990年代が極端に流通量が減っていくと予想できます。世紀の区切りが良いので、「え!1900年代(20世紀)のウイスキー珍しい」となることが安易に予想できます。 この頃には2000年に詰められたものが30年でリリースされていき、特に2000年ぴったりのボトリングが重宝されるのではないでしょうか。
すでにワインの界隈では、5大シャトーの2000年ヴィンテージと言うのはリリース直後と比べて200%以上上昇しています。シャトーマルゴーに至っては1本6万円程度だったものが20万円以上になっています。
んこれは私の推測ですが、1つ目は2000年がキーワードで価格が高騰して、2つ目は1980年代〜1990年代のボトルが極端に高い値段で取引されるのではないでしょうか。
予算1万円代の長期ウイスキー投資
この程度の予算であれば、分割せずに1本のボトルを購入するのをお勧めします。 もしオフィシャルボトルを購入するのであれば、ハイプルーフのカスクストレングスで限定生産のものが良いと思います。
過去の相場を見てきても、通常の42%前後のボトルよりもカスクストレングスの方が値段が上がりやすいです。 長期保管する際にアルコール度数が高い方が安心感があります。
ボトラーズから選ぶのであれば年数表記のある蒸留所ボトルが良いですね。最近は「シークレット」や「ハイランド」といった感じの、蒸留所非公開が増えてきていますが、できればシングルカスクの蒸留所名義、年数表記ありがおすすめです。ティースプーンモルトといって蒸留所名をあえて変更している、ブレアフェンディ(グレンファークラス)、ウエストポート(グレンモーレンジ)、バーンサイド(バルヴェニー)などありますが、これらはマニア向けのボトルなので、王道のシグナトリーやG&Mのボトル、またはBB&Rのベリーズオウンセレクションなど知名度のあるものを選ぶと良いはずです。
予算5万円以上の長期ウイスキー投資
この程度の予算であれば、複数の1万円のボトルを選択するか、1本高級なものを選ぶかで悩むと思います。 どちらの選択でも正しいと思いますが、予算的にアイラの18年以上の限定ボトルが射程に入ります。
ボウモア、ラガヴーリン、ラフロイグ、アードベッグなど、これらの長期熟成の限定ボトルは非常に高い確立で上昇しています。10年以上所有するのであれば良い選択肢ではないでしょうか。
予算10万円以上の長期ウイスキー投資
様々なウイスキーを選べるようになります。マッカランなど一部の希少銘柄を除けば、現行の30年熟成も購入できてしまいます。グレンファークラスの40年というボトルも現在まだ発売されていて、たった12万円で購入できてしまいます。 このようなボトルは今後減っていくと考えるのは自然で、一本持っておくだけでも長期的に見れば価値のあるボトルに化ける可能性があります。
またもう一つがオールドボトルを狙うと方法です。「アードベッグのギャランティード」、「タリスカー7年」「グレンファークラス・ダンピースクエア」「スミスグレンリヴェット」、 少し無理をして閉鎖蒸留所の「ポートエレン」を30万円ほどで狙うなんかも良さそうです。 このあたりは世界的にも希少で今後、値段が下がるとは考えにくいです。 オールドボトルを購入する際は偽物や状態が悪いものが多いので、個人取引ではなく必ず実店舗を持っている業者から購入してください。
予算50万円以上の長期ウイスキー投資
基本的には上記と同じ内容になりますが、予算がここまであるとカスク(樽)買いも狙っていけます。 スコットランドの蒸留所でPrivateCaskを提供しているところで購入したり、国内の新興蒸留所でも購入できます。 この時に大切なのか、その蒸留所は本当に今後も価値が上がるのかと慎重に判断することです。
母体がどのような会社なのか、継続してどれくらい企業が経営されているのか、蒸留所の運営やチームはどのようになっているのかなど判断材料の1つになります。 怪しいベンチャー企業が思いつきで始めた蒸留所は危険ですし、母体がもともと酒蔵や酒販店を長らく経営しているのであればやや安心できます。帝国データバンクで実態調査や与信が安全か確認するというのも安心材料になります。
予算・年代別、『長期ウイスキー投資』の考え方とお勧めのボトル
このように10年後20年後にどのようなものが必要とされるか考えて、投資先の選択をするのがベストです。