あるスコットランドの蒸留所でプライベートカスクを購入しているのですが、毎回迷うことがあります。 それは蒸留所によって、ピートの有無、カスクの種類を選べると言うことです。
プライベートカスクのサイズは?
もちろん料金は異なりますが、自由に選べる場合どのような仕様にするべきか悩みます。
まず前提とすることが、10年未満の熟成であるならば樽のサイズは小さいものでも構いません。クオーターなど4/1サイズでは、熟成のスピードが速くなるので、10年未満の場合は向いています。
ホッグスヘッドなど250L以上の樽は、1つあたりの単価が非常に高くなると言うのと、10年以上の長期熟成に向いています。 本格的にウイスキー樽を仕込むのであればこの大きなサイズが向いています。日本国内でのプライベートカスクはとても小さいものが主流で50リッター以下のものもあります。このあたり日本と英国では違いがあるので注意するべきです。
カスクの種類はもっと悩む
そして大切なのがバーボン樽で仕上げるのかシェリー樽で仕上げるかの違いです。 シェリー樽にも種類があり、スパニッシュシェリーとアメリカンオークの違いです。 この場合は樽の製造メーカーを教えてもらい、好みで選択しています。 どれを選ぶと値段が高くなるか分かりませんが、その蒸留所の作っているウイスキーと相性の良いと思われる樽を選ぶのが大切です。
そしてピートの有無です。 特にアイランズやアイラでは、ピートを炊くのが一般的です。 その場合はバーボン樽を選ぶのですが、中にはシェリー樽にもかかわらずピートが効いているものもあり、王道ではありませんがそういう選択をする場合もあるようです。
カスクをいつボトリングしてもらうのか
無事に外国送金でプライベートカスクを入手したとしても、いつボトリングするかと言う問題があります。 英国の税法上、下に入れたときに税金が発生するのでそれまでは支払う必要がありません。そして多くの蒸留所では、最初のコストに管理費用が含まれているので、一定期間であれば特に追加で負担するお金は発生しません。
プライベートタスクを売買する会社を通した場合でも、年間の維持費が10,000円前後であることもあり、10年以上の熟成をさせることも十分に可能です。 英国に住んでいれば、実際にその蒸留所に行って自分のカスクをテイスティングさせてもらうことも可能な場合がありますが、 日本までカスクサンプルを届けてくれることができないので、完全に推測でボトリングするしかありません。
旅行したタイミングで試飲するしかない
もしくはコロナが落ち着いたときに、英国に旅行してそのタイミングで様々なカスクを試飲、判断するしかありません。 総合的に見るとプライベートカスクと言うのは難易度が非常に高く、カスクストレングスたからといって必ず中身がおいしいとも限りません。自分の仕込んだ樽の右の樽はすごくおいしいのに、自分の樽はあまり美味しくないと言う可能性もあり得るのです。
ボトラーズが優れたカスクを買い付けてくるのと異なり、初期の段階から仕込むと言うのはやはりリスクもあります。ただその分感動があり、お金に変えられない体験ができるのでウイスキーが本当に好きなのであれば1樽所有してみると言うのもありだと思います。