少し前までは、「山崎の相場についてはそろそろ落ち着くのではないか」 と考えていました。 10年前は4,900円で販売されていたものが、2015年頃にマッサンやコンクール入賞の影響受けて、値段がどんどん上昇していきネット通販で13,000円になりました。
当時から中身の味と値段が釣り合っていないと考えていました。 当時マッカラン12年のシェリーカスクも4,900円で販売されていました。今でこそ値上げがされていますが、わざわざ山崎に2倍の金額を払いたいとは思えませんでした。今では山崎12年が2万円を超す相場で売買されていますが、もはや実態と取引額が大きく乖離している状態です。
2万円で山崎12年とスコッチ18年どちらに投資するべきか
山崎は米国株と言えばテスラのような状態になっています。人々が欲しがっているから値段が上がるの繰り返しをして、実際にはそれほど価値のないものなのに値段だけが上がっています。
こうなると2022年から山崎12年に投資するべきかかなり悩ましいところです。 何しろ10年以内に確実に山崎12年の価格崩壊が起こるからです。サントリーも2014年頃から売れるようになり、生産量も設備も増加させています。そのことから山崎の流通量が今後数年で激増することが安易に予想できます。
メーカーが利益を出せるように、大量に供給がを増やしていくので、下手をしたら販売店で購入するよりもネットの個人売買のほうが安くなってしまうかもしれません。 とは言え18年や25年など長期熟成に関しては、今のような強気の値段はまだまだ長く続くと思います。 これは時間が解決するものなので、10年やそこらではこのような長期熟成を生み出すことができません。
原酒が足りないのは他の国も同じ?
今まで英国ではNAS(Non Age Statement)はリリースされていませんでしたが、ここ数年で年数表記のないボトルが急増してきました。 そして中でも25年以上の長期熟成シリーズが終売になったり、 価格改定が行われるなど、流通量に対しても怪しい部分があります。
スコッチウイスキーの供給不足も今後ますます拡大化していくと考えられるので、もし山崎12年と同じ金額でスコッチの18年やそれ以上の長期熟成が購入できるのであれば、そちらに乗り換えて保有すると言う考え方もあります。
山崎12年のウイスキーに3万円は狂っている?
現在の値段は需要と供給によるものと言われてしまえば100%その通りなのですが、スコッチウイスキーで有名な「バランタイン30年」が2万8千円で購入できるのに、「山崎12年」が3万円というのはあまりに差がありすぎます。
バランタインはブレンデッドウイスキーなので、シングルモルトと単純に比較はできないのですが、実際に飲んで見ると雲泥の差があります。私は山崎25年も昔飲んでいましたが、どちらかというと山崎25年とバランタイン30年を比較する方が自然です。
中身の液体だけをもらえるならどちら?
もしも売却できずに、「透明の瓶に詰め替えた中身のウイスキーだけ」をもらえるとしたら、私は100%バランタイン30年を選択します。山崎18年の中身だけくれると言われても、バランタイン30年にします。
この考え方は、私自身の場合投資方法として重要な指標だと思っています。
今自分が買おうとしているボトルが、ブランドイメージやその価値で買おうとしているのか、それとも中身の味を評価して買おうとしているのか分かるためです。
様々な投資方法があると思いますが、私は後者の中身の味を再優先して投資対象としています。