少し前まで16,000〜20,000円まで高騰した『IWハーパー 12年』でしたが、現在は9,500円でも余っています。実売価格が7,000円程度なので、手数料や送料を抜くと1,000円にも満たない金額です。
昨年末から今年に入って、ウイスキー終売と値上がりが同時に起こったため、「買い占めたら儲かる!」という強い売り圧によって、あっという間に相場が崩れてしまいました。
株もウイスキーも需給が大切
笑い飛ばして欲しいのですが、今年に入ってから私の所有する国内株式がボロボロで、あれだけあった含み益が無くなり、元本割れをして大損をしています。
デイトレードが合っていないので半年から1年以上の長期投資をメインにしているのですが、株安の影響をモロに受けてしまいました。
ウイスキー投資の方は順調なので、株に手を出したのを少し後悔しているほどです。
売り圧に対する買い圧がないと、相場が崩れる
株もウイスキーも、売り圧と買い圧があります。
山崎12年や18年は転売屋による売り圧が凄まじく、店頭にならんだ定価商品はすぐに全て刈り取られてしまい即日メルカリやヤフオクに出品されるほどです。
ですが買い圧の方も非常に強く、特に中華系ブローカーによって12本単位でバンバン入札があります。数年経っても勢いが落ちることなく、買い圧の方が強いため強気相場になっています。
今回の『IWハーパー 12年』は、そもそも飲んでいる人口が少ないバーボンウイスキーで、シングルモルトバーに行っても、それほど人気があるとはいえません。
ジャックダニエルやメーカーズマークの方がまだ人気なほどです。そのため、昔から飲んでいたような一部の少数愛好家や飲食店オーナーしか需要がありません。中国に転売する需要もないので、あっという間に買い圧が無くなり、相場が崩れたというのが実情です。
初心者転売ヤーがババを引く
副業やお小遣い稼ぎに始めた、ウイスキーを普段飲んでいないような素人が増えています。
「山崎や白州は見つからないけど、IWハーパー見つけた!」と喜んで、6本購入して出品するものの全然売れない……といった事態が起こっています。
この手の情報はエゲつなく、手練の転売屋がディスコードやクローズなSNSで人を集めておいて、「今度は◯◯が終売になる!」と相場操縦する、いわば仕手株のようなことまで始めているようです。
今後も終売やメーカーの値上げなど続くと思いますが、正しい情報と判断がないとババを掴ませられます。特に新興蒸留所の国産ウイスキーに関しては、国内だけで相場形成されています。
有名なマッカランであれば、ヨーロッパだけでなく米国市場やアジア市場など世界の人気があります。新興蒸留所の場合は、日本国内が90%、一部の中国人投資家が10%といった比率で形成されているので、SNSの影響を受けやすいです。ババをつかまされないためにも慎重に購入することをおすすめします。