近年日本酒の高級化がブームになっています。 SNSを見ていても、1本30,000円近い日本酒が「超人気」とPRされています。 あまりに売れてしまうので「入荷を連絡します」と特別感を演出していますが、実際にそれほど売れてるならSNSで有料広告で宣伝する必要は無いような気がします。
さて日本酒は長期保管しておいて価値が上がるのでしょうか。 日本酒は実は長期間保管するとヒネてしまい美味しく飲めません。 生酒は特に鮮度が大切で、作ってからすぐ飲むことで風味を楽しむことができます。2度の火入れがされている日本酒は、加熱処理されているので製造日より1年と程度は美味しく飲めるそうですが、それ以降になるとだんだん味が劣化してしまいます。
日本酒は長期保有しても値段が上がらない
世の中には半世紀前の未開封コカコーラの缶に価値を見いだす人もいるので、そのように実際飲むだけではなくコレクションすると言う意味では偉大な日本史を未開封のまま長期持っていると言うのは意味があるかもしれません。 ただしワインのように実際に飲んで楽しむと言う意味では、半年から1年が限界と言えそうです。その理由から年数表示が入っている日本酒であっても、一般的には値段が上がると考えにくいです。
高級日本酒は売却価格が低い
これほど凄まじい人気を演出している高級な日本酒ですが、実際にYahoo!オークションなどを確認してみると同一の商品が販売価格の3分の2程度で流通しています。 このことから実は品切れに見えている商品は、需要に対して供給量が多いと言うことがわかります。 本当に欲しい人が多ければ、ブルゴーニュのワインのように定価が対して何倍ものお金を払って購入することがあります。 つまり入手困難に見えても、実際にはそれほど需要がない証明になってしまいます。
この方法はどの商品でも測定ができ、セカンドマーケットの値段を確認することによって、そのものの実需を図ることができます。 例えばセカンドマーケットでも正規販売価格との乖離がない場合は、需要と供給が釣り合っている状態から少し需要の方が多い状態といえます。
焼酎はなぜ長期保管しても値段が上がらないのか
では日本の名産品である蒸留酒の焼酎は、基本的に長期間保管しても値段が上がる事はありません。これはウイスキーと異なり樽熟成がないため、個性が出にくいと言うことがあります。また蒸留方法も異なり大量生産に向いた方式になっています。
実はウイスキーもニューポットという出来立てのものを飲むと無色透明で、焼酎のように荒々しい味わいがします。
イギリスでも密造酒が盛んになるまでは樽で熟成されずにそのまま荒々しいウィスキーを飲んだようです。 現在はウイスキーのために焼酎を入れるなど様々なアイディアが出されていますが、本場のスコットランドのウィスキーのようには価値が上がるとは言えないのが現状です。