よくSNSで炎上するテーマですが、大量の貴重なジャパニーズウイスキーを買い集め、立派な棚に並べて自慢する人がいます。 炎上する理由としては、みんなが欲しいボトルを独り占めしているのに1本も開封されていないことがあるためです。
「これでは中国人の爆買と同じじゃないか」「転売ヤー恥ずかしくないのか?」「こういう人がいるから本当に欲しい人の手に渡らない」 といった批判のコメントがついています。
私も同じように大量のウイスキーを所有していますが、そもそも現在の国産ウイスキーは好みの物が無いので過去10年で数本しか買っていません。 もっぱらスコッチウイスキーのマニアックな銘柄ばかり買い集めています。生まれてこの方ウイスキーの抽選も一度も参加したことがありません。
世の中の人気よりも、自分が実際飲んでおいしいと思うウイスキーだけを収集しています。
ウイスキーを飲んでいるのか?
他のウイスキー投資をしている人は、1日にどれくらいウイスキーを飲むか分かりませんが、私自身の話では最近はあまり飲むことがなくなりました。 20代の時が最もピークで、毎晩のようにバーに出かけ様々なシングルモルトウイスキーを読み漁っていました。 今のように有料試飲は存在しなかったので、味を確かめるのにはバーに行くしかなかったのです。
昔のように酔っ払ってフラフラになると言う事はほとんどなく、1日の終わりにストレートで1〜2杯飲むと言うのが習慣になっています。 SNSでウイスキーレビューをする人がとても増えてきましたが、中には鑑定能力が低いにもかかわらずネガティブなレビューをしている人もいます。
SNSのレビューを100%信じるのはやめたほうがいい
例えば20年以上の長期熟成のスペイサイドモルト。 それも樽がシェリーでクラシカルで王道なボトルを開栓当日に「思ったより香りが出てこない、これはハイボール用かな」と書いていたのを見て腰が抜けてしまいました。
このような長期熟成のウイスキーは、開栓してから香りが開くまでに1〜2ヶ月、遅いと半年以上かかる場合もあります。 私の棚にも、ワンショットだけ飲んで1年以上放置しているボトルもあります。
プロのバーテンダーになると、ワインのようにデキャンタに1度移して空気に触れさせてからボトルに戻している人もいます。 これは高度な技術で、香りが映ったり汚染される可能性もあるので初心者にはお勧めしません。 また無理矢理、香りを開かせればいいと言うものでもありません。
物理的には大きなブランデー用のグラスに開封直後のウイスキーを入れれば空気に触れるのですが、なぜかボトル内でゆっくり触れさせた方が華やかに広がることがおおいのです。
そして最後に、長期熟成のシェリー樽スペイサイドはハイボールには向いていません。 飲み方は自由ですが、スコットランドで炭酸で割って飲む人などほとんど存在しません。 炭酸で割っておいしいのは、短期熟成のバーボンカスクで仕込まれたウイスキー、それもアイランズやアイラモルトなどピートと塩っぽさが目立つものです。 昔の白州蒸留所では、ピートが効いてハイボールに向いているものもありましたが、山崎蒸留所は基本的にはハイボールに向いているものは少ないと思います。
このようにSNSにある情報が100%正しいとも限りませんし、私が今話してる話も100%正しいとは限りません。 あまり鵜呑みにしないで、自分自身で実際にテイスティングして評価するのをおすすめします。