個人的な意見ですが、ロバート・パーカーが嫌いです。評価するワインは「味が濃ければ美味しい」と思っている節があります。
生まれながらの食文化による影響が大きいと思うのですが、魚好きな日本人であれば真鯛、ブリ、アジ、ヒラメ、タチウオ、スズキ、ふぐなど白身魚を生食で区別することができます。
一方でアメリカ人で生活する人たちには、それらの区別が難しい人も多いことでしょう。「どちらが優れている」という差別ではなく、単に食生活や食文化の違いでしかありません。
食生活が大きく違うにも関わらず、ワインの評価は未だにパーカーポイントに左右されて、価格や人気も「ワイン アドヴォケイト誌」に影響されます。
SNSでワイン初心者を見ると、「ボーナスが支給されたので、オーパス・ワンとサッシカイアを購入しました!ずっと大切に寝かせます」と、12本入りのワインセラーに大事に保管する写真を載せていて、悲しい気持ちになります。
オーパス・ワンも、サッシカイアも経験のあるワイン愛好家が収集する分には全く問題ないのですが、まだ右も左も分からない初心者が手を出すべきワインではないように思います。
ワイン単体で飲むには濃すぎて、それでいて高価な分、フランスワインのように繊細な香りを持っている側面もあるので、食事に合わせるのも難しいです。
ワイン経験がまだまだな初心者がサッシカイアに3万円出すならば、3~5千円のバローロやブルネッロ・ディ・モンタルチーノを何本か飲んで、本当に自分自身が納得できるワインを探すべきだと思います。
飲むシチュエーションによっては、安いキャンティ・クラシコの方がフレッシュで美味しく感じてしまうかもしれません。
くだらない雑談に突き合わせてしまってすみません。
評価や情報を重視している人にとって、サッシカイアの2016年はパーカーポイント100点を獲得している「究極のワイン」ということになりそうです。
では、相場分析をしてみましょう。2019年にリリースした直後は、パーカーポイント100点の影響で輸入代理店が完売!
オークションでも取り合いが起こりました。ワインには珍しく、発売から1年間ダラダラと下落を続けます。16,000円を支持線として反発します。
昨年の2021年春頃から急に上昇して、24,000円と高値更新。そこからも続伸して、現在は40,000円を超える落札も見かけます。
つまり2020年に16,000円で買っていれば3倍近い価格まで上昇したことになります。パーカーポイントの怖いところは、価値が出る→買えば儲かる→
欲しくなるの連鎖で中身とはかけ離れた評価があることです。
次は、2000年代のサッシカイア混合チャートを作成しました。
これを見ると、2012年から2019年までは人気が横ばいだったことが分かります。一部の例外はありますが、ほとんどのボトルが10,000円~15,000円のレンジ相場に収まって、それも収束して一位の値段になっています。
トレンド転換になったのが2019年の6月頃です。夏頃から徐々に価格が上昇していき、2020年には2万円前後をターゲットにしています、それも抜けて現在では2~3万円での取引が目立ちます。
今後どのように推移するかは分かりませんが、このまま順調に上昇することも十分にあると思います。
私個人の意見では、2~3万円出すならブルゴーニュの有名生産者のグラン・クリュでも買った方が遥かに良いと思っています。実際にイタリアの高級ワインは外で飲むことはあっても、自宅には1本もありません。
飲む用のバローロやバルバレスコ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノはありますが、投資に魅力を感じてはいません。ただ例外的に1980年以前のバローロ―・オールドボトルや、アマローネの1960年代などは欲しいと思えるほどの味わいです。
ウイスキー投資も同じですが、「自分自身で飲んで納得できるモノ」を選ぶのが大切です。エノテカ様のイベントなどで、サッシカイアをグラスで飲める機会があればぜひ参加してみてください。
実際に飲んでみて、感動し納得できるのであれば、何本買っても良いワインなのだと思います。
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