
海外出張の準備に追われていて、更新が遅れておりすみません。
最近ドル、ユーロを両替所で換金したのですが、腰を抜かしてしまいました。当マガジンでは日頃から「円安がやばい」と危機を煽っていますが、ネット上で完結する取引だとなかなか実感が湧きにくいです。
ウイスキーを英国から個人輸入しても、ボタン一つで決済できてしまい、後々PayPalから請求書のようなメールが来るだけで、レート慣れてしまったこともあります。
ですが、現地で現金を使うとなると別です。

両替所に行くと、上記のようなレートでした。
衝撃の円安を、両替所で実感
10万円をドルに交換すると、たったの652ドル。
これではクレジットカードが利用不能になったときに、旅券やホテルを取るのには不安のある金額です。20万円換金してやっと1300ドルです。
しかも上記は、手数料が低い日本国内の両替所です。
今から10年ほど前は1ドル=100円のイメージが強く、手数料や決済レートが悪くても105〜110円に収まっていました。その時も、アメリカに行っていたのですが、20万円を換金すると1900ドル前後かな?という感覚が残っています。
先週よりも更に2円ほど上昇しているので、空港などレートが悪いところで両替したら、1100ドルちょっとになる可能性もあります。
ユーロも深刻で、20万円を換金してわずか1220ユーロです……。
不安しか残りません、最後にEU滞在したのは2019年とコロナショック以前ですので、おそらく当時よりも物価が上昇しているはずです。
当時でもタクシー乗ったり、レストランに行くと平気で50〜60ユーロ取られていたので、仮にホテル別、現地の滞在費を現金だけで支払えば20万円(1220ユーロ)は1週間で溶けてしまうほどです。
ユーロ=120円でも滞在費が高いと感じていたので、今回は衝撃を受けそうです。

例えばフィレンツェにある、フォーシーズンズホテルですが、2019年頃は1泊700ユーロでした。
航空券をクレジットカードのマイルで取得できたため、その分をホテルに当てて宿泊していました。部屋に入るとチーズの盛り合わせやフルーツが無料サービスで提供されるなど、豪勢なホテルです。

当時は700ユーロ*120円で84,000円程度の宿泊費でしたが、現在の価格を調べてみると820ユーロ*163円で134,480円。かなりの差があります。
今回は現地の滞在費を30万円ほど換金しましたが、心細い金額にしかなりませんでした。1人の1週間滞在でこの有様ですので、夫婦旅行や家族旅行であれば、相当の日本円を両替しないとヨーロッパ・アメリカ旅行は不安が残ると思います。
安くても海外旅行が楽しめるは嘘?
「お得にハワイ旅行をする方法をお教えします!」といったYoutubeを見ると、お湯が出るか分からない格安のコンドミニアムに、現地の食事はホノルルの丸亀製麺……。これでは本当に楽しめているのか疑問なほどです。
2021年頃までは、ドル120円でしたので、ギリギリ格安旅行が可能だったと思いますが、現在の欧米では格安旅行は不可能です。
2019年のブログで、「大人2名のパンケーキ、ポークハッシュ、コーヒー、それに州税とチップ18%で15ドル(約7,000円)」と朝食で7千円かかると紹介していましたが、物価が同じであっても9,762円になってしまいます。
これからの時代は相当稼がないと海外旅行は難しくなりそうですし、またウイスキーやブランデー、ワインなんかの洋酒は昭和の特級従価時代のように高くて庶民が買えない時代に逆戻りしていきそうですね。
国産ウイスキー相場は?
雑談が長くなってしまいましたが、最近の国産ウイスキー相場について触れてみます。昨年盛り上がっていた嘉之助蒸溜所の「アーティスト エディション#001」やっと底値を打ったようです。

20,000円切りが少なくなり、25,000円以上で落札されることも出てきたので、来年に期待したいですね。もし今後30,000円をタッチする落札があれば、そのまま上昇しやすいので、1本買ってみても良さそうです。

軽井沢15年です。2021〜2022年にかけて熱狂的な相場形成をしましたが、今年の春にかけて急落しました。
「国産ウイスキーはオワコン」こんな雰囲気が出ている中で、実はジワジワとオールドボトルの人気が出ています。株式投資や仮想通貨でいう、「振り落とし」の段階だったかもしれません。
投機目的で飛びついた層が、下落トレンドに耐えきれずに慌てて売却。ホルダー(所有者)の入れ替えで、売り枯れしてきて再度ジワジワと上昇しているようです。
2022年相場を明確に抜けていないので、断言はできないのですが、長期で保有するのであれば、状態が良く液面マックスのものを入手しても良さそうですね。

山崎の蒸留所限定で発売された「樽出原酒」これも一時期は投機目的で10万円近くまで跳ね上がりました。今年3月には4万円を切るまで売り浴びせをされたのですが、早速6万円前後まで戻しています。
個人的に、新興蒸留所のウイスキー相場は信用していないのですが、ブームの大本になったサントリー、ニッカ、イチローズモルト、軽井沢のオールドボトルに関しては長期的に上昇すると思っています。
1990年代以前の原酒はどんどん減っていて、もはやオークションでないと入手困難です。リザーブや角などの海外原酒を使った(ある意味偽物の)国産ウイスキーであれば1990年以前も入手できますが、完全に国内蒸留を証明できるような限定ボトルは、実際に飲まれることも多く価格が上がっていくと予想しています。

ピーク時70万円を迎えた白州25年ですが、最安値30万円前後まで下落して、価格復活には時間が掛かっているようです。とはいえ、最近は40〜45万円程度でオールドボトルが落札されていることから、再上昇のチャンスはあると見ています。

特にこの時代の、少し古い白州25年は、実際に山梨県の白州蒸留所で試飲したことがありますが格別に美味しかったです。値段が高すぎて飲む機会はないのですが、現行よりも特別な原酒が選ばれていたようで、十分に価値があると思います。
高額ボトルは乱高下のリスクがあるのですが、置き場が限られていても1本だけでウイスキー投資ができるメリットもあります。これだけ円安が進むと、日本ウイスキーの割安感が出てくるので、中国市場以外にも欲しがる地域が出てきてもおかしくなさそうです。
前回イギリスを滞在したときは、ホテルの地下にあるバーで日本ウイスキーをこれ見よがしに陳列していたことを覚えています。このような富裕層ターゲットとして、国産ウイスキーの高額価格帯は相場を維持してくれそうですね。
海外出張のため更新頻度が落ちますが、また最新の現地の相場などもお伝えしたいと思いますので、しばらくお待ち頂ければと思います。
引き続き、よろしくお願いします。
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