サントリーやニッカばかりだと、つまらないと思うので他の国産ウイスキーも分析をしてみました。2016年に、メード・イン・ジャパンと表記しておきながら輸入原酒をブレンドして炎上した会社です。
同社は元々、焼酎メーカーでしたが後発でウイスキー事業に参入したようです。現在でも「マツイピュアモルトウィスキー」には製造国や原酒についての情報は公開されていません。
公式サイトでは以下のようにテイスティングノートだけが書かれています。
さて、同社のウイスキーも発売から時間が経ったため、中古市場でも出回るようになりました。そこで「倉吉 12年」「倉吉 18年」に絞ってチャートを作成してみました。
こちらが2017年5月から2022年現在までのチャートです。
12年は、希望小売価格 6,600円ですが、実際には2,000円~5,000円のレンジで取引されているようです。直近では、2,377円での落札もあります。
こちらは2016年4月から2022年現在までのチャートです。
18年は希望小売価格 27,500円ですが、実際には7,000円~10,000円のレンジで取引されているようです。
直近では、7,500円で落札されています。興味深いのはリリース直後は相場が高く、15,000円でも落札されていました。下落を続けて、今は上記価格に収束しています。
ここまできたら、同社のフラッグシップ(?)ウイスキーである『鳥取30年』もチャートにしてみます。取引件数が極端に少なく、21件しかありませんでした。公式サイトの情報も存在せず、何が何だか分からない状況です。
30年超えの原酒をスコットランドの、どこから引っ張ってくるのか逆に気になってしまうほどです。味わいやブレンド技術の方はどうなんでしょうか。
定価を検索したのですが分かりませんでした。専門店では8~12万円という情報はあります……。
とにかく、チャート上では2019~2020年には7~8万円を維持、そこから下落して4万円で安定しているようです。
「海外原酒」を中核にしたウイスキーは、国内蒸留ウイスキーと比較して上昇しにくい傾向があることが分かりました。それだけでなく、上記3種類のようにメインストリームやハイエンドボトルでも下落しています。
他の国産ウイスキーが、以前続伸していることを考えると、「丁寧に国内で蒸留&貯蔵している」ということが投資の必須条件と言えそうです。
静岡蒸留所のシングルカスクが、定価の何倍にも上昇して今現在も入手困難ということを考えると消費者の方々や、中国市場でも「ウイスキー品質」に対して厳しく評価していることが分かります。
近年のスプリングバンク騒動のように、必ずしも「高価取引=美味しい」とは限りませんが、定価を大幅に割って売買される銘柄はなにか意味があると考えるのが自然です。
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当サイトの内容は個人的な推測に基づくもので、内容の完全性や、その正確性を保証するものではありません。ウイスキー投資は法律上の制約や損失が発生する場合があります。必ず自己責任おいて入手・売却等をお願いします。利益が出た場合は、確定申告など税務上の申告が必要になる場合もあります、税理士や税務署職員に相談ください。大量の酒類を個人売買する際には、酒税法上の免許や認可が必要になります。