チャート分析を続けて思うのが、「え?なんで示し合わせたように、そこで上がるの?」という基点があります。仮想通貨や株式投資のテクニカル分析にも「トライアングル」など用語がありますが、振れ幅が収束していき、いきなり上昇することがあります。
私自身、デイトレードや短期売買が苦手で、どの投資も「中長期」に絞っているのですが、チャートを見ていると今後の参考になることがあります。
最近は「山崎」や「白州」「響」にスポットを当てていたので、少し古いオールドボトルを分析してみます。サンプル数は1000件、2016年から作成してみました。
サントリー クレスト 12年
サントリークレストは700mlの新ボトルと750mlの旧ボトルがあります。新とはいったものの、1990年~2006年頃に流通していたクリスタルボトルです。
発売当初の定価は5,000円ほどと強気の価格設定であったそうです。飲食店やバー、クラブ、スナックなど非常に多くの店で扱いがあり、高級ボトルとして多くの人に愛飲されてきました。
それだけ流通量が多いので中古市場の価格も安く、2018年までは2,000円以下で売買されています。1,100~1,300円の落札も数十件以上あり、「角瓶に毛が生えた程度」の扱いを受けてきました。
ジャパニーズウイスキーのブームに乗るように、古酒の価値が見直されて、一度目の転機がチャート(1~2)の2020年4月です。3千円代になったかと思うと突然に4千円に上昇。同年7月には5千円、8月には6千円とわずか数ヶ月で2倍以上の価値になってしまいました。
チャート(4)の部分は、二回目の転機で昨年2021年の3月です。
なぜか突然上昇を初めて5~6の部分は揉み合いながら1万円を突破しました。最高価格は同年夏の13,500円です。
そこから(7)に向けて一度、買い圧力が劣勢になります。今年の1月には調整をするかのように下落をします。
局所的に6,000円をタッチして反転、なんと3月から再び上昇する兆しを見せています。(8)が現在の相場ですが、まだ前回の2021年の最高値を超えていない状態です。
ジャパニーズ古酒のブームと買い付け
ここから何が分かるかというと、ジャパニーズ古酒にもトレンドがあり、今までは一方通行で上昇だけを続けてきましたが、中国市場の関係や需給によって価格が下がることがあるということです。
噂によると、中国で販売するために「日銀の国債買入オペ」のように無制限買い付けをしていた時期があるようです。つまり出品されていたオークションを、片っ端から落としていくという方法です。
これが著しい上昇をしていたと推測できます。それが一段落したところで、本当の国内需要に合わせるように下落、サポートラインが6,000円だったということになります。
こちらは、今年2022年の1月〜6月までのチャートを抽出したものです。
やはり、6,000円代の落札が減って1万円を超えて落札されるケースが目立ちます。
今年の夏は再来&高値更新をして、「初の15,000円を目指す」のか、それとも再び6,000円代のサポートラインまで反落するのか、このあたりは読めません。
一つ言えることは、昨年からの下落で慌てて安値で売却するのは、情報弱者だということです。春に6,000円でしか売れなかったものが、今は1万2千円以上で売れる訳です。
過去10年のチャートを見ても、今後2万円、3万円超えていく可能性も無きにしもあらずです。サントリーのブレンデッドウイスキーは種類が多く、上位に響やインペリアルなど詰まっているので、すぐには抜けないと思いますが、手頃なジャパニーズ古酒で投資を楽しむこともできそうです。
免責事項
当サイトの内容は個人的な推測に基づくもので、内容の完全性や、その正確性を保証するものではありません。ウイスキー投資は法律上の制約や損失が発生する場合があります。必ず自己責任おいて入手・売却等をお願いします。利益が出た場合は、確定申告など税務上の申告が必要になる場合もあります、税理士や税務署職員に相談ください。大量の酒類を個人売買する際には、酒税法上の免許や認可が必要になります。