「物の価値は変動する」この、ごく当たり前の事に気がつくのに、10年以上の年月と必要としました。20代までの私は、ウイスキー投資はもとより「株式投資」さえも怖いと思っていたので、資産運用をしていませんでした。
偶然買ってあったウイスキーの価格が、どんどん上昇するのが面白い!と思い、今のように本格的な投資をスタートするきっかけとなりました。
グレンリベット18年は、よくウイスキーを飲んでいた2008年当時は3,980円程度で売っていました。響17年は5,000円台後半だったように思います。
当時は、その価格が生涯ずっと続くと思い込んでいました。
キュウリは3本100円、茄子も3本100円、玉ねぎはネット3個入り100円、キャベツとレタスは150~200円。激安スーパーが近所にあり、この値段もずっと続くと思っていました。
私と同じように、ゆとり世代に生まれてしまった人の中には、失われた30年のように経済停滞をして、デフレ進行を目の当たりにして上記のような安売りが当たり前に思ってしまう人もいたのではないでしょうか。
マクドナルドのハンバーガーが59円で何個も食べた思い出があります。
さて、話がそれてしまいましたが、当時の激安酒屋で3,980円だったグレンリベット18年のチャートを作成してみました。
私が言っていることが、あながち嘘では無いことがお分かりでしょうか。2012年までは3,100円で落札されています。当時は現在3万円近い下記写真のボトルも、4,000円あれば気軽に購入できました。
出品数が少ないため、すぐに2017年まで時代が登りますが、それでも5,000円を意識して2021年末まで推移します。
ところどころ6,000円を超えていますが、昨年まではそれほど劇的に高騰はしていません。グレンリベットは政府認可第一号の蒸留所で、世界的にも最も消費量の多い蒸留所のひとつですので、生産数量が大変に多く相場に反映されにくいのが特徴です。
今後はグレンリベットも値上りする?
そんな大量生産されているグレンリベットでさえ、今年に入ってから定価が高くなるのと同時にジワジワと値上りの予兆を見せています。
1万円を切る価格での落札が少なくなり、状態の良いオールドボトルでは3万円、一つ前のボトルでも1万と底値が上がっています。
海外ショップでの平均価格は、現時点で73.48ユーロ(約10,500円)です。日本経済新聞では英国の中央銀行が、5会合連続で利上げで年1.25%に到達すると報道しています。
今後も更に英国の物価上昇が続く可能性が十分にあり、量的緩和政策を続ける日本は真逆のテーパリングとなります。
もともと海運が混乱している状況で英国の物価上昇すれば、ポンド高も相まって、日本への荷渡し価格が上昇すると考えるのが自然です。
2012年までは3,100円で落札できたと話しましたが、10年後の2032年に今の相場を見たらあまりの安さに驚いてしまうかもしれませんね。
グレンリベットは「通称アザミ」の時代、できれば「赤玉時代」が投資に向いていると2020年の有料記事で推奨しましたが、現在の状況を整理すると、どの時代のグレンリベットでも緩やかに、価格が上昇するのではないか?と予想を変更します。
価格が手頃?それとも価値のないオールドボトル?
実際に飲むことができるか分かりませんが、1960年代といわれるグレンリベット赤玉。いささか流通量が少なくなり、年に数件出ているだけです。
「アザミ」は海外旅行の土産などでも日本に入ってきていて、毎月10~20件ほどは出品されています。
一応「グレンリベット 12年 アンブレンデッド」でチャートを作成したのですが、有意なほど上昇しているとはいえません。
流行りのマッカラン、スプリングバンク、アイラ系の蒸留所と比べると今ひとつの上昇率でした。ただ、メインの12年、15年、18年に関してはゆるやかに上昇しています。
収益化できるボトルではないので積極的に収集はお勧めできませんが、古き良き時代のシングルモルトウイスキーではあるので、今のうちに体験してみたい方、また飲むのが好きな方は入手しておいても後悔はなさそうですね。
参考にしていただければ幸いです。
免責事項
当サイトの内容は個人的な推測に基づくもので、内容の完全性や、その正確性を保証するものではありません。ウイスキー投資は法律上の制約や損失が発生する場合があります。必ず自己責任おいて入手・売却等をお願いします。利益が出た場合は、確定申告など税務上の申告が必要になる場合もあります、税理士や税務署職員に相談ください。大量の酒類を個人売買する際には、酒税法上の免許や認可が必要になります。