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SNSではひっそりと語られることの少ないバーボン界隈にも異変が起きています。認めたくないのですが、やはり日本と同じように「黄金期」があったようです。
それが皮肉にもバブルの前後と重なっているのは運命なのかもしれません。
さて、今回は「バーボンヒル15年」というバーボンです。
Whisky Auctioneerを見ると、次のように詳細を紹介しています。
バーボンヒル 15年 101プルーフ ケンタッキー・ストレート・バーボン 1996年
バーボンヒルは、ヘブンヒルが日本向けに製造したラベルで、製造当時はアメリカの嗜好に合わない、よく熟成したバーボンを好む市場であった。
ヘブンヒルは、数年前の禁酒法廃止に伴い、1935年に個人投資家のグループによって設立された。創業者の中には、蒸留者のジョセフ・L・ビームと、シャピラ一族のメンバーがいた。会社が大きくなるにつれ、シャピラ一家は最終的に会社を単独所有するようになり、現在も彼らの子孫が経営している。シャピラ一族に買収された後も、ジョー・ビームはマスターディスティラーの座に君臨し、現在も一族のメンバーがその役割を担っているという点では、同じ王朝時代の流れを汲む。これは、ケンタッキー州バーズタウンにあったオールドヘブンヒルスプリングス蒸留所(後に単にヘブンヒルと改名)で生産されていました。1996年の大火災で惜しまれつつも消失したが、そこでつくられたバーボンは年を追うごとに人気を博している。
このように「バーボンヒルは、ヘブンヒルが日本向けに製造したラベルで、製造当時はアメリカの嗜好に合わない、よく熟成したバーボンを好む市場であった。」と、日本にだけ流通している事情が示されています。
当時のアメリカ人は、よく熟成したバーボンを好まずに、短期熟成のノンビンテージを好んでいたようです。それが今になって世界的に評価されたという皮肉なことになっています。
日本人がビンテージを大切にしていたのもあると思いますが、もしかしたら「酒の熟成」に対して嗅覚や味覚が鋭かったのかもしれませんね。
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そもそも旧ボトルになり、1996年前後の流通品ですが、さらに古い1990年頃のボトルも存在して高額で売買されています。
2022年の上値は600ポンド=約10万円で落札されているので、日本市場は少し安い価格で売買されているようです。これらの出品も日本から逆輸入のような形で流出していると推測できます。
バーボンヒル15年のチャート
さて次は日本国内の相場をみていきましょう。
2012年の最安値は2,700円。小学生のお小遣いのように手頃な価格で買うことができました。
そこから非常に面白いチャートになっています。2015年に一度だけブームが訪れて1万円を前後しますが、2019年に向かってダラダラと下落を続けます。ビットコインのように、「こんなん誰も買わないよ」となった瞬間に2万円に跳ねています。
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そこからは相場が不安定で荒れていますが、去年の2021年3月には巨大な力によって7万円にまで跳ね上がります。
去年と比べると現在は少し相場が落ち着き、下値を4万円にして適正価格を探っている様子です。
個人的には、このボトルは「買い」だと思っています。日本国内に所有者がそもそも少ないのと、「売り圧力が弱い」からです。どういう意味かというと、対極にあるのが山崎12年で、「値段が上がったら売ろうと思っている人」が潜在的な売り圧力になります。
株でいう信用取引で買っている人に近いです。1万円で買ったので2万円なら売っちゃおう、こんな銘柄は上昇していくにつれて潜在的な売り圧力になり、ジワジワと価格を下げる抵抗線になります。
ところが、バーボンの一部の古いボトルは、そもそも売却前提で所有している人が一部です。小型株のように需要の方もニッチですが、それでも買い圧力が上回ると、売りがなくなるとで跳ねる傾向にあります。
それが2019年に起きた一度目の相場だと思います。本来であれば1万円の1990年のボトルが突然に7万円にはなりません。
このまま続伸して10万円を超えるかどうかは「分からない」としか言いようがありませんが、「バーボンヒル15年を2本」と「山崎18年を1本」どちらが上がるか?と聞かれたら、流通量からして前者を推奨したいと思っています。
現在は下落相場ですので、安易に拾うと落ちるナイフになる可能性もありますが、絶版で30年近いので必ずやどこかに底値があります。多少の含み損を気にしないのであれば、今のうちに1本拾っても良いかもしれませんね。
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