2019年4月16日に数量限定、鳴り物入りで新発売した「サントリー ワールドウイスキー 碧 Ao」 当時はジャパニーズウイスキーの人気がピークで、この碧さえも転売屋のターゲットとなり買い占めが起きてしまったほどです。
ただ冷静に考えれば5大陸のウイスキーがブレンドされていると言うだけで、他のジョニーウォーカーやシーバスリーガルと何ら変わりはありません。 そのことに気づいたためか、発売当初は値段がセカンドマーケットでも安定して新品と同じでしたが、 しばらくしたら流通量の方が多くなったためか中古市場が値下がりし始めました。
ウイスキー投資に失敗した人たち
ハーフボトルも発売されましたが、年数表記がないのにシーバスリーガル12年よりも強気の価格です。下手すると750mlで5,000円だとバランタインの17年の並行輸入品が購入できてしまいます。
フルボトルは5,000円ハーフボトルは2,500円で発売されていますが、現在の中古市場ではフルボトルが約1,848円、ハーフボトルでは約1200円と投げ売りの状態で売買されています。発売当初に割高の金額でメルカリなどで購入してしまった人はかなりの痛手になったのではないでしょうか。
こんな言い方はかわいそうかもしれませんが、ジャパニーズウイスキーだと思って定価で購入したものが、翌年には新品が1/3で取引されているのです。 がっかりした人も多いはずです。
これだけ国産ウィスキーが過熱になっている時代でさえセカンドマーケットでは厳しい評価が下されています。 もし市場が飽きられてしまい、生産量だけが増え続けた未来が待っていたとしたら、2000年前後のウイスキー氷河期まで戻ってしまうことになります。 仮にそこまで行ったとしたら、大量生産されたこれらのようなノンヴィンテージのウイスキーは1本500円を切ってしまうのかもしれませんね。
価値が上がるものと下がるものの差が大きい
碧 Aoはこれほどまでに悲惨な価格ですが、いまだに山崎ブランドは強く限定ボトルは抽選になっていて、1部の人しか入手できませんが即日で値段が釣り上がって転売されています。 年数表記のないボトルでも何倍にも膨れ上がって取引されていると言うのは少々異常事態です。
今でこそ本場スコッチウイスキーも年数表記がないものが販売されていますが、国内ウイスキーほど定価から乖離した金額では売買されていません。 依然、従来と同じような形で年数表記が入った長期熟成のものが高騰している状態です。
このことから、国産ウィスキーは急成長した新興国の株のようなもので危険を含んでいます。 値段が右肩上がりになり続けると言う事はなく、どこかでストップして飽和してしまった場合は価格が暴落する可能性も秘めています。実際に2000年前後は国産ウイスキーがあまりに不人気で、現在でこそこれほど人気がありますが当時は新品価格の5分の1以下で取引されていたシングルモルトさえあります。
販売価格の値上がりも発表されて、年数表記入のある「山崎」や「白州」が直ちに安くなっていくとは考えにくいですが、年数表記のないボトルに関しては今後緩やかに価格が落ち着いていくのではないでしょうか。 今慌ててため込んでいる人も相当量いるので、そういった人たちがセカンドマーケットに一挙に放流した場合は暴落につながります。
もしウイスキーをため込むのであれば、その1本が本当に価値があり、長期間持っていたいものであるか自分自身に問いかけてみてください。