TwitterのDMを開放しているのですが、月に数回「○○を買い集めているのですが、上がりますか?」という質問を頂きます。
(※今回は、初心者向けの記事となります。)
驚いた質問では、「I.W.ハーパーを大量に買い集めたのですが、上がりますか?今相場が下がっていて心配です。」というものです。
「なぜ相場が下がっていているのか、それは同じように買い集めてオークションに安価で大量に出品している人がいるからです。」と答えしました。
もしも「山崎12年」が店頭に10,000本以上も並び、誰でも気軽に買えるようになれば確実に相場は下がります。流通量が少ないので、現在のような強気の相場が維持しているのです。
I.W.ハーパー12年の例では、実際に終売商品ですが、「飲み手(購買層)の買い圧力が薄い」ところに、「儲けたい」という売り圧力が強いために定価近くまで相場が下がっています。
初心者向けの記事となりますが、どのようなウイスキーが上がるのか?
1.欲しい人が多く、流通量が間に合っていない
山崎や白州は、生産量が数十万本以上にも関わらず人気が高すぎて、供給量が間に合っていません。ブームになる2014年頃より前に売られたストックが、日本中の家庭に余っているはずですが、それでも全然追いつかないほどに需要が高いです。
そのためノンビンテージでさえも、定価より高い金額で取引されています。現在は非常に強い相場ですが、供給量が一気に増えて需要が減った場合は、取引価格が急激に下ることも予想できます。
このあたりは蒸留所やメーカーがコントロールしているので、経営方針に左右されると言えます。
2.欲しい人があまりいない、流通量が少ない
ボトラーズのウイスキーなど、一つのリリースに対して生産本数がたったの100本以下というボトルが存在します。もともとボトラーズは割高な傾向にありますが、流通量がないため少しでも人気が出ると一気に値段が上がります。
ただし、先ほどの山崎などと異なり需要も限られているので、安定した相場にはなりにくいです。
バーボンも1980年以前のボトルは、流通量が少なく当時の値段の10倍以上になっているものもあります。ブームが来ていないのに、当時の味が好きなマニアが一定数いるために強気の相場を形成しています。
3.流通量が全く無いような希少ボトル
不人気な蒸留所のウイスキーでも、数年に1本しか出てこないのであれば、何万円、何十万円の価格をつけることもあります。
その一本を入手できないと、次にいつ手に入るか分からないためです。特にブレンデッド用の蒸留所で公式ボトルが存在せずに、ボトラーズがごくまれに発売するものは流通量が極めて少ないです。
他にもサマローリやインタートレードなど1990年以前の少数生産のボトラーズも、同じボトルは数年に1件しか出ないこともあります。言ってしまえば、あまり美味しくないボトルでも、希少であれば価値が上がることもあります。
1で紹介した、山崎のような人気蒸留所で、なおかつ生産数量が200本未満で年数も経過している場合は、希少価値が高くなりすぎ1本1~2万円だったボトルが500万円以上の価値になることもあります。
基本的には生産数量が少ないボトルが上がりやすい
生産数量が多いボトルは潜在的な売り圧力で、価格が上昇すると抵抗するように市場の数が増えてしまいます。I.W.ハーパーも儲かることが分かってから、一気に出品数が増えてしまいました。
ところがマッカランのオールドボトルや、ラガヴーリンやタリスカーのオールドボトルは、当時は流通量が多かったですが現在所有している人が少ないため価格が一気に上昇しています。
マッカランのエディションNo.1やフォリオは、1~2万円のボトルが30~100万円まで上昇しています。それらの味が上がった訳ではなく、味わいの方は当時の価格のままです。
つまり、ウイスキー投資用として入手するボトルは、一つは生産数量が少ないボトル。二つ目は転売用として、仕込んでいる人が少ないボトルを選ぶのが懸命です。
国産新興蒸留所はSNSを見ると分かりますが、転売目的に何本もストックしている人がいます、こうなると価値が上がってきたタイミングで、続々と売り圧力として出てくるので値段が崩れやすいです。
初心者の方は、上記を意識してボトル集めをされると良いと思います。
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