「山崎35年」が安く終了していたので驚いて詳細を見たのですが、なんと空き瓶!空き瓶だけで200万円を超えているのですね。
少し調べてみると「山崎35年」は2006年に200本限定で販売。当時の価格は50万円だったようです。国内での最高落札価格は2018年2月の1200万円です。販売価格の24倍で売買された計算となります。
空き瓶の最高価格は2018年5月の340万円。高級外車が買えてしまうほどの価格です。
2022年6月の海外オークションでは67,000ポンド=約1218万円での落札がありました。手数料など掛かるので、実際には1300〜1400万円程度です。
山崎35年の空き瓶だけをチャートにしてみました。
全く意味不明なのですが、2018年5月14日に340万円(外れ値)で落札されています。その直後が100万円前後でしたので、富裕層がいくら出しても欲しかったのかもしれません。
2021〜2022年にかけて局所的に下落しているので、このタイミングで入手できた方は100万円近い含み益となっています。流動性の低い小型株のようなリスクがありますが、空き瓶投資さえ実現できてしまいそうな相場の変動です。
さて、他にも見てみます。
山崎25年の箱付き空き瓶。30万円で落札されています。定価が17万6千円ですので、定価で購入できた場合は飲み終わっても2倍で売却できるという状態です。
ここまで来ると、高級クラブやバーなどの飲食店で山崎25年を扱っている店から空き瓶を買い取って転売が実現できてしまうほどです。実際に数年前に酒税法違反と脱税で強制捜査された人物は、そうした高級店から買い取って流していたそうです。現在はサントリーによる販売の管理は更に厳しくなったため横流しは減っているようです。
ちなみにウイスキーだけでなく、ロマネ・コンティのような高級ワインも空き瓶が20万円以上で売買されることもあります。
この手のワインは、ウイスキーと異なり一晩で空いてしまうことや、瓶を店側やイベント主催者が処分してしまうことがあります。都内の高級フレンチやバー、クラブなどでは残量あるまま帰ってしまうこともままあります。
もし入手した場合、法的に問題がなくとも、回収してすぐに売却すると印象が悪いので、半年以上の時差を開けてから売却するのが良さそうですね。
国産ウイスキーの入荷が安定?
ちょっとした余談ですが、馴染みの酒販店で聞いた話によるとサントリーやニッカのNVウイスキーの入荷が以前より安定しているようです。ALPS処理水が原因か分かりませんが、中国のインバウンド需要が予想よりも下回ったこと、アフターコロナの飲食店需要が想定を下回ったことで、店頭の一般販売が増加しています。
ただし、12年以上の熟成モノについては、まだ入荷が限られているので、あくまでもNV(ノンビンテージ)・NAS(ノンエイジステートメント)に限った話となります。
このあたりは相場に影響するので、年数表記のない国産ウイスキーは下落する可能性が濃厚です。さすがに集めている方はいないと思いますが、一旦の売り場・逃げ場となりそうですね。
免責事項
当サイトの内容は個人的な推測に基づくもので、内容の完全性や、その正確性を保証するものではありません。ウイスキー投資は法律上の制約や損失が発生する場合があります。必ず自己責任おいて入手・売却等をお願いします。利益が出た場合は、確定申告など税務上の申告が必要になる場合もあります、税理士や税務署職員に相談ください。大量の酒類を個人売買する際には、酒税法上の免許や認可が必要になります。