いつものようにヤフオクウォッチをしていると、衝撃的な出品を見つけました。【偽物注意喚起】と書かれたタイトルで、現在出典されたボウモアが偽物だとする証拠が添付されています。
つい先日も、メルカリで「偽物の山崎鑑定方法」が紹介されるなど、プラットフォームが早期対応しないため識者による注意喚起がされています。
問題の偽物疑惑は、こちらの商品です。
100万円以上する「ブラック ボウモア」のファーストリリース。
ブラックボウモアは4回に渡ってリリースされましたが1993年のボトリングです。
空瓶が2回出品された?
過去の落札履歴を見ると、4月25日に70,400円、5月15日に250,000円で落札されています。
7万円で買った人は届いてすぐに転売して、空瓶だけで20万円近く稼いだことになります。これは凄いですね……。
まずは本来の紙質を確認します。
モルト道 ~ヘビーなドリンカーの備忘録~
ボトリングは別のリリースですが、こちらに見やすい紙質の写真がアップされていました。コート紙というよりは、上質紙のパルプが見えます。
黒い紙に印刷しているのではなく、白い紙に黒を印刷していることが分かります。ツルツルしているように見えますね。
では空瓶の写真を見ていきましょう。
一件目はこちら、湿度の高い場所で保管したためかカビが発生しています。
ロットナンバーは791と書いてあります。
二件目の出品はこちら、ロットナンバーが同じですし、カビの位置も同一です。
こちらが疑惑のボトル……。
あれ?カビの位置が同じなのに、中身が入っている!?
不思議ですね……。
この3枚を並べてみます。汚れの位置などを確認してみてください。
ラベル左上の剥がれた痛みまで全く同じことが分かりますね。
まあ、当たり前ですが全面のラベルも共通部分に汚れがあります。
「なぜ、バレやすい空瓶を選んだ!?」と疑問さえ湧いてきます。
傷や汚れが全くなかったら、「ワンチャン本物かも!?」となったかもしれませんね。
ついでにキャップも確認してみます。
撮影した角度がことなるので、分かりにくいですが左の本物はなめらかに処理されていますが、右の偽物はネックが怪しいです。
本物の方は2本線が複数並んでいますが、偽物は1本線が並んでいます。それにしても思ったより精巧に偽物が作られているようです。
イタリア周りの封印シールは別のボトルから剥がして貼ったのかもしれません。安いボトルを流用すると簡単にできそうですが、リアリティが出ますね。
ただ、ボトルに比べると全く汚れが無く、新品ぽいキャップなので怪しさ満点です。イタリアの封印シールは古いもので経年劣化していますが、キャップは全く経年劣化していないので、ラベルで判断がつかなかった場合は、このあたりで警戒する必要がありそうです。
https://twitter.com/takakutemo_kau/status/1546346464149848064
ちなみに、同じ出品者の「1円スタート 未開栓 ラフロイグ 1976 イタリア廻り 750ml 43%」ですが、こちらも偽物とSNSで話が出ています。キャップシールのネックの長さが違うと、指摘している人がいました。
そうなると、残りのマッカランやタリスカーも偽物の可能性が高いです。
『ブラック ボウモア 偽物』について
今回はラベルに特徴的な汚れがあったため、簡単に見分けがつきましたが、数年前の空ボトルなど持ち出されたら比較ができません。
ここでいくつか不思議な点があります。
・なぜ空ボトル入手から時間の経っていない間に出品したのか?(=バレやすい)
・なぜ時計やカメラを出している古物商のような組織が、偽物製造できるのか?
・キャップシールなどの偽物はどこから入手したのか?
・誰か、また組織が指南していのか?
ある程度精巧な偽物を作っているのにも関わらず、粗末なミスをしているのが不思議です。評価が少ないので、もしかしたら偽物出品を繰り返しているのかもしれませんね。
堂々と偽物の拡大写真を載せているところも怖いです。
本文に「※遺品整理で買い取りました。値段が分からないので1円スタートにします。」と書きつつも、超高額商品しか出していないのも怪しさ満点です。
問題はこのような人から入手した一般人が、知ってか知らずか再び出品する可能性があることです。そうなると判断するのも難しくなるので、1980年以前のオールドボトルを入手する際は、細心の注意を払って購入することをお勧めします。
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