今年に入ってから価格が急上昇した銘柄といえば、『スプリングバンク』は外せません。直近の取引価格ですと、『スプリングバンク15年』が34,500円で終了しています。昨年10月の16,900円から比較すると、200%上昇という異常事態です。(2022年4月11日時点)
地方にあるような酒販店でも買えたスプリングバンク10年も急に値段が上がっています。
たった6ヶ月で価格が2倍になるのは様々な投資でも異常な利率になります。例えば、東京都内の不動産投資の場合は、税引前の表面利回りが約4%です。ETFでも利回りが5%未満が安全といわれています。年間200%上昇となると、仮想通貨やNFT(非代替性トークン)、一部の高級腕時計などに限られます。ウイスキー投資と金融投資では性質が大きく異なりますが、分散投資の一部に組み込むのも面白いです。
さて、早速なぜスプリングバンクが高騰したのか過去の相場から分析していきたいと思います。
出典:https://www.springbank.scot/whisky/springbank/
新ラベルと旧ラベルの存在がある
現在市場で流通している『スプリングバンク10年・15年』は2017年にラベルチェンジしました。流通当時は、それまでのブラックラベル(旧ラベル)と比較して、デザインが悪いイマイチといったネガティブな印象があったようです。
ブラックラベルは「港町の香水」と例えられるような存在でしたが、新ラベルでは少し味が変わったものの基本的にはそこまで変化がなかったようです。現在こうして品薄なことを考えると、伝統的な製法で作り続けているため味に変化が少なかったと推測できます。
スプリングバンク10年の価格推移
2022年4月10日 17,800円
2021年10月15日 11,000円
2021年4月10日 11,980円
2020年4月19日 6,350円
2019年4月28日 6,049円
2018年4月16日 5,250円
2017年4月9日 3,000円 (旧ラベル)
2016年4月10日 3,380円 (旧ラベル)
2015年4月29日 3,600円 (旧ラベル)
2014年4月3日 2,480円 (旧ラベル)
2013年4月29日 1,990円 (旧ラベル)
2012年4月19日 2,700円 (旧ラベル)
少し分かりにくい表示ですが、4月の最低取引価格を並べると上記のようになります。
グラフにしてみると直感的に分かりやすいのではないでしょうか。2017年までは、こういっては失礼ですが「二束三文」で投げ売りされていました。2017年秋に新ラベルが出ると、2018年に微増、2019年から急激に旧ボトルが値上がりしています。
アランモルトの時と全く同じ流れです。価格の流れからして、旧ボトルの方が美味しかったということになります。
新ボトルは2020年までは流通量が豊富で、ごく微増。そこから2021年に入り急に増加、今年になって流通量が激減したため暴騰したという流れになります。
10年前に旧ラベルを1,990円で購入した人がいるとしたら、含み益が10倍以上になっている計算です。このままマッカランのオールトボトルのように上がり続けるかは未知数ですが、ウイスキーというのは飲まれて減るのでインフレを内包しています。そのためオールドボトルは、このまま数年かけて3万〜5万円まで上がるという可能性もありますね。
主要な仮想通貨は発行数量が制限されて、そこから一部の通貨を無効化する作業、ロックアップやバーンによって市場に流通する通貨の価値を上げるという仕組みが存在します。ウイスキーも同じ用に、市場に流通するボトルの数に限りがあり、年数が経つにつれてバーン(開栓)されます。
旧ラベルなどは新しく作られることが絶対にありませんので、今からスプリングバンクに投資するのであれば、価格の差が少ないオールドボトルを狙っていく方が確実かもしれませんね。
さて、今回も前回同様に「予想・理論値」を計算してみます。こちらのデータは、過去の年数の増加率に当てはめた理論値であり、実際の取引価格とは異なります。
172%で増加を続けるというのは、さすがに無理がありますので、少し低めの140%ずつの増加で計算してみました。
2024年に49,000円と34,888円と出ましたが、なかなかリアルな数値ですね。あと2年で、この水準になる可能性は否定できません。
今後のポートフォリオの参考にしてみてください。
免責事項
当サイトの内容は個人的な推測に基づくもので、内容の完全性や、その正確性を保証するものではありません。
ウイスキー投資は法律上の制約や損失が発生する場合があります。必ず自己責任おいて入手・売却等をお願いします。利益が出た場合は、確定申告など税務上の申告が必要になる場合もあります、税理士や税務署職員に相談ください。大量の酒類を個人売買する際には、酒税法上の免許や認可が必要になります。