少し雑談となりますが先日、地元の旧友が自宅に泊まりに来ました。
彼は10年前に出会ったときは小さな会社の営業マンでしたが、私が「副業で○○をしたらどう?」と提案したところ、営業マンをやめて独立。半年後には法人化して会社設立をし、今では従業員をもつ社長として活躍しています。
収入も資産もすっかり抜かれてしまい、今では立派な新築一軒家と高級外車を複数台所有するほどに成長していました。私の方は成長していないので、会うのが小恥ずかしいのですが、今でも慕ってくれています。
そんな彼に、「ウイスキー投資の情報サイトを運営している」と話したら食いついて、指導して欲しいと言われました。
資産の保有比率について
100人投資家が居たら100人の投資スタイルがあります。
米国ハイテク株に全力の人もいれば、変動の少ないETFに投資する人。不動産投資に100%を使う人もいますし、中にはビットコインだけ保有する人もいます。
どの方法も正しいと思いますし、得意な部分で、中期・長期など自分にあったスタイルで投資するのが大切です。
現金100%がリスクになる?
その旧友に「今現在はどんな比率で保有しているの?」と聞いたところ、「現金100%です!」と元気な答えが返ってきました。
デフレの2010年頃までは問題なかったのですが、最近は物価の上昇に対して普通預金の金利が伴っていません。10年前と比べて、スマホの値段、自動車の値段、マンションの値段、食品の値段、コンビニの商品の値段など非常に広い範囲で値上がりしています。ガス代や水道光熱費、税金さえも上がっています。
1000万円を10年間の0.002%で定期預金で預けた場合は、単利で税引き前利息が2,001円、税引き後利息 1,595円です。
こうなると、現金で100%保有していると、交換できるものが減っていくので、通貨としての価値が減っているのと同じです。現に米ドルや英ポンドに交換できる金額もジワジワと減っています。
その点ではウイスキーやワインなどの洋酒は長期保管が可能で、なおかつ物価連動しているので、供給量の少ないものは価値が上がりやすいです。
どのような資産の保有比率が良いのか?
私はファイナンシャルプランナーでもアドバイザーでも無いのですが、積極的に投資するなら、以下のようなバランスでも良いのではと思います。
冒頭の友人は30代男性で、配偶者ありです。
・現金 40%
・生命保険、損害保険 30%
・投資信託(国内外株式、債権、ETF、ETN、ETN、REIT等) 20%
・純金積立、金現物取引 7%
・現物投資(ウイスキー、ワイン、時計など) 3%
彼の資産を聞いていないのですが、仮に住宅や車などの資産を抜いた現預金が5,000万円だとします。
・現金 2,000万円
・生命保険、損害保険 1,500万円
・投資信託(国内外株式、債権、ETF、ETN、ETN、REIT等) 1,000万円
・純金積立、金現物取引 350万円
・現物投資(ウイスキー、ワイン、時計など) 150万円
賛否両論あると思うのですが、十分な生活余剰資金があるのであれば、投資に30%ほど割いても問題ないと思います。
まず現預金と保険(一部)は元本保証されているもので、安全資産となります。
リスク資産は表の下の3つで、元本割れするリスクがあるものです。
とはいえ、一つの個別株に全力するのではなく分散投資であれば、比較的リスクは低いといえます。例えばeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を組み合わせ、一部に低い割合で中国株式やインド株式のETFを組み込んでも良いと思います。債権の比率が高ければ、株価が暴落したときでも影響を受けにくいです。
また、今さらと思われるかもしれないですが、今年になってから地政学的リスクが再確認されたので、資産の1割近く金現物・金地金を積立しても良いと思っています。
まさか21世紀になって、国連常任理事国が主導の戦争が起こると思いませんでしたし、香港がそうであったように、中国が台湾を掌握するリスクは十分に考えられます。そうなった時、安全とされていた日本円や米ドルがどうなるか分かりませんし、株式も大きな影響を受けます。
今後の戦争リスクを考えたとき、金現物・金地金や洋酒などは影響を受けにくい資産だといえます。
ウイスキーやワインの全力投資はあり?
私自身の投資比率は、情報配信やサイトの運営をしていることもあり、洋酒の比率が非常に高いです。自信と配偶者が納得しているのであれば、アリだと思います。
例えば、車好きが自分の年収を超えたような高級車をローンで購入することはしばしばあります。自分の趣味に対して、年収や資産の半分以上を投入する人もよく見かけます。
そう考えると、飲んでしまわずに保管するのであれば、洋酒投資の比率が資産の50%近くても別に良いのではないか?と私自身は思っています。
ただしリスクもあります。買い手がつかない、人気がなくなる、地震などで破損する、個人の売買が酒税法で違法になる、このようなリスクはあります。それでも最近流行りのカードゲーム投資や腕時計投資などと比べると、銘柄を上手に選べば、流行り廃りの穏やかなジャンルだと思います。
資産が無い人の一発逆転もある?
私自身、実は高卒で働いていて、当時は信じられないほどに収入が少なかったです。それでも20歳のときに数本のウイスキーを、「30歳の自分に残そう」と5万円相当を購入して、段ボール箱に収納した結果、現在では300万円以上の価値になっています。
当時5万円を封筒に入れて残せば5万円のままですが、珍しいウイスキーに変えたことで価値が上昇しました。
同じように、今は資産が少ない人でも、少し頑張って5~10万円ほど投資するだけで、10倍~100倍になる可能性も残されています。ただ問題は、飲んでしまったり、どこかで価値が上がったからと利確してしまうことです。
仮想通貨と異なり、明日10倍、100倍というのは絶対に無い世界です。
最も上昇するボトルでも購入して1年目は約2-3倍が限界ですので、長い目で見守る必要があります。絶版になり10年ほど保管すると、指数関数的に一気に値段が上がることがあります。
「桃栗三年柿八年」といいますが、果実のなる木を苗から育てるよりも根気が必要といえます。
趣味と割り切ってウイスキー投資の割合を上げるのか、はたまた先ほどの解説のように保有資産を細分化してリスクを分散するのか、方向性は自分と家族で決めるのが良いと思います。参考にして頂ければ幸いです。
免責事項
当サイトの内容は個人的な推測に基づくもので、内容の完全性や、その正確性を保証するものではありません。ウイスキー投資は法律上の制約や損失が発生する場合があります。必ず自己責任おいて入手・売却等をお願いします。利益が出た場合は、確定申告など税務上の申告が必要になる場合もあります、税理士や税務署職員に相談ください。大量の酒類を個人売買する際には、酒税法上の免許や認可が必要になります。