9月になりましたが、まだまだ暑い日が続きますね。
最近はワイン相場にうつつを抜かしていたのですが、都内のウイスキー在庫を確認してきたので報告したいと思います。
上記でも解説したのですがコロナと侵略戦争、またインフレによって国内への入荷が著しく渋い状態が続いています。正直に言って2020年の方が商品がスムーズに輸入されていたくらいです。
マスクのパニックになっても、ウイスキーの新製品は毎月のように入荷していました。それでも2020年秋頃からボトラーズを中心にジワジワと在庫が減っています。
noteでは「今年(2022年)の夏はやばい!」と散々煽ってきましたが、蓋を開けてみると半分正解で半分ハズレでした。
ハズレた予想
予想はハズレた部分としては、代理店や酒販店など物流を調整しているため、ギリギリのラインで販売を続けていることです。どこの店舗に行っても、棚がガラガラということはなく、少ない在庫や不人気の無名銘柄で棚を埋めていることが分かります。
2021年夏までは、シングルモルトの教科書にある銘柄がキレイに陳列されていました。例えば「マッカラン」「グレンリベット」「グレンフィディック」「グレンファークラス」「ボウモア」「カリラ」「ラフロイグ」「ラガヴーリン」「アードベッグ」などなど、超王道のモルトが10年から12年、15年、18年以上とキレイに陳列されていました。
田舎の酒屋に行っても揃っていました。
ところが、今年の夏は主要な蒸留所は欠品している店も多く、あっても最大で12年まで、他のボトルは良くわからない見たことのない蒸留所に置き換わっています。
また、在庫が消えるだろうなと思っていた「ブルイックラディ」や、「ラガヴーリン」、「カリラ」なんかの定番ラインはしぶとく残っています。
当たった予想
「マッカラン」「グレンドロナック」「グレンファークラス」なんかのスペイサイド&ハイランド系は信じられないほどに少なくなりました。
昨年まで百貨店に行けば、定番から高級品までずらっと揃っていたのですが、新宿や渋谷のデパートでも見かけることが減っています。
特にマッカランはレアカスクや12年、18年のシェリーカスクは完全に消えてしまいました。
「グレンドロナック12年」も2,980円から3,980円になったかと思えば、昨日見た値札は5,980円でした。それだけ高いのに、購入制限ありでお一人様1本限りでした。昨年までは、12年~21年まで在庫が揃っていたのに信じられない状況です。
ちなみに新宿の京王百貨店とは、自社で在庫を抱えているのか、「グレンファークラス12年カスクストレングス(!)」や「バルブレア2006年」、「アンノック18年」などを置いていました。
「お〜!懐かしい!昔のウイスキー売り場ってこうだったよな〜」と思える感じです。良心的な定価で売っているので、まだまだ買うことができます。
新宿ビックカメラのウイスキーコーナーも非常に強く、ボトラーズウイスキーコーナーとしてブティックウイスキーやオクタブなどを並べています。
感動的なのですが、ボウモアやラフロイグのような定番ではなく、ちょっとマニアックな銘柄が多いです……。また値段もジワジワと上がっています。
残念ながら、国産シングルモルトウイスキーは知多とAo碧しか見かけませんでした。白州・山崎どころか竹鶴や宮城峡、余市のNASさえなさそうです。
高島屋はさすがに品揃えが良く、お値段もはりますが、長期熟成ウイスキーもちょいちょいあります。例の【高島屋限定】グレンドロナック シングルカスクウイスキー 1993 CASK7255も販売していました。
ザ・グレンリヴェット25年やカリラ25年も在庫ありです!
バランタイン30年が88,000円なので、グレンドロナック27年の77,000円はかなり安いのでは?と思ってしまいます。ちゃんと高島屋の株主優待をもらっておけばと後悔しています。
2022年の夏に買えなくなったウイスキーは?
色々と酒販店を回ってみて思ったのは、量販店から長期熟成が消え去りました。アードベッグ12年やグレンドロナック12年でさえ購入制限、18年以上は本当に見かけなくなりました。
そして百貨店の在庫網は強いということです。数年前の価格でひょこっと希少ウイスキーが並べられているので、すご!と欲しくなってしまいます。
私自身は2021年に、かなりまとまった量を購入しているので今年の買付は10万円以上の高額ボトルを中心に選んでいます。
まだボトルのストックに不安がある方は、デパートやビックカメラなんかを探ってみるのも良さそうです。
SNSなんかでは、「2022年の秋になれば物流が回復して、大量に英国からウイスキーが届く。みんな買わなくなり相場が下がる」なんて想定をしていた方もいました。現時点では戦争が起こる前のように極端に在庫が少ないです。コロナよりひどいなと思いました。
ドル円相場が一時144円をマークしましたが、次回の仕入では金額ががくっと上がるそうです。それも1回ではなく何回かに分けて値上げをするウイスキーが多いそうです。
9月からの値上げどうなった?
実店舗で「あれ?まだ安いじゃん」と思い、聞いてみたところ、「在庫がある分に関しては前の仕入れ価格で販売する」と答えてくれたお店があります。
めちゃくちゃ良心的だなぁと関心してしまいました。普通であれば、前回5,000円で仕入できたとしても、今後仕入れ価格が7,000円になるなら7,000円を基準にして売値を決めてしまいそうです。
ネタ話としては、田舎の酒屋で「ドン・ペリニヨン」が2万円で売っていたのでカードで払おうとしたら現金しか使えず、数時間後に現金を下ろして向かうと3万円に値上げされていた。といった投稿をSNSで見かけました。
物価連動でガンガン値上げしていく店と、できるだけ消費者に還元したい安売り店での二極化が進みそうです。
いずれにしても来年は本格的にウイスキーが買えない年になってしまいそうです。
二次流通価格は落ちる?上がる?
これだけ急激なインフレが起こっているのに、高級腕時計ブランドなど一部はガクッと相場が下がっているそうです。これはビットコインのように投機の資金が流れ込んでババ抜きをしていた商品が、売り抜けられて下がったために発生しています。
ウイスキーも一部の投機的銘柄は大きく下げています。
私の反対意見では「今後、経済が不安定になるとウイスキー現物を売って現金化する」というものを見かけました。個人的には「不安定だからこそ、円をドルや現物資産(金や洋酒など)に変える」と思います。
一次流通の値上げに加えて、上記の投機銘柄の売却(売り抜け、利確)と、相場が混在している状況だと思っています。中期〜長期的には、インフレ対策にウイスキーの値段が上がっていくと思っています。
例えばサランラップやトイレットペーパーが、ネットで新品未使用が半額だったら…?送料など無視した場合、実店舗よりもヤフオクで買ってしまいますよね。同じようにウイスキーも、投機銘柄ではなく実需に底支えされているものを中心にして全体的に上昇していくと思います。
再びワインの話ですみません。ドン・ペリニヨンというのは、昨年までドン・キホーテで12,800円で売られていた高級シャンパンです。
四国でも、青森でも鹿児島でも、どこでも手に入ったシャンパンです。
贈答でも数千本から数万本は流通していると思われます。実家に眠っているという人もいるのではないでしょうか?そんな大量生産の銘柄でさえ、たった1~2年で2倍になってしまいました。
田舎の小さな酒屋でも売っていたので、ここまで相場が一気に狂うとは衝撃的です。
オークション相場というのは、流行り物ではなく流通量が多いものは半年から1年遅れで反映されます。また、一次流通の仕入価格は決済のタイミングがずれるので、約6ヶ月前の相場が適用されます。
つまり現在のドン・ペリニヨンの相場は、早くても1年以上前の相場がチャートに反映されています。今回の円安騒動になって日が浅いので、2022年12月~2023年6月頃には更に高騰するのではないでしょうか?
今までは希少ウイスキーや高額ボトルを中心に値上がりしていましたが、スーパーマーケットに並ぶような1~2千円のウイスキーさえも、来年に150~200%に上昇する可能性も十分にあります。
真相は来年にならないと分かりませんが、今後も相場を注視することをお勧めします。
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当サイトの内容は個人的な推測に基づくもので、内容の完全性や、その正確性を保証するものではありません。ウイスキー投資は法律上の制約や損失が発生する場合があります。必ず自己責任おいて入手・売却等をお願いします。利益が出た場合は、確定申告など税務上の申告が必要になる場合もあります、税理士や税務署職員に相談ください。大量の酒類を個人売買する際には、酒税法上の免許や認可が必要になります。