以前も一度紹介しましたが、Amazonに登録されている商品のチャートを簡単に作ることができるKeepaを使って、ウイスキー価格推移を分析していきます。
登録不要、料金無料で誰でも自由に使うことができます。
※Keepaはアフィリエイトリンクなどが原資で運営されています。
※画像の出典元は全てkeepa.comとなります。
ザ・マッカラン 12年 シェリーオーク
シングルモルトの王様といわれるマッカランの12年を見てみます。
2019年は6,700円程度でしたが、今年の始めに急上昇。
10,000円を前後した後、3月には12,000~14,000円まで上がっています。
たった2年で2倍にまで上がってしまいました。
円高が反映されていない状況ですので、年末から15,000~17,000円まで上昇してもおかしくなさそうです。ちなみに2016年までは4,500円で購入できました。
ザ・グレンリベット12年
品質が高いのに価格が手頃という、コスパの良さで人気高いグレンリベット。
2015年までは、たったの2,184円!激安だったようです。
過去5年間は3,200円でがっちり固定されていたのですが、今年の5月から在庫が無くなったためか荒れています。一瞬だけ5,500円、現在は3,900円で販売されています。
コロナでもグレンリベットの相場が無風だったので、今のウイスキー輸入状況が厳しいことが分かります。
グレンモーレンジィ 10年
チャートが少し見にくいのですが、下の線が一般セラー、上の線がAmazonの公式販売です。
セラー最安値は2019年の2,722円、2020年に2,987円に微増。そこからしばらく同じ値段を推移していました。
異変が起きたのは昨年3月、一瞬4,500円に跳ねて元の金額に戻っています。再び異変が起きたのは今月の5日。ついにセラーもAmazon公式も4千円強まで上昇してしまいました。来年は5~6千円台になるのではないでしょうか。
グレンフィディック12年
「グレンフィディック12年って2,980円でしょ!?」と私自身も値段が染み付いているのですが、どうやら違うようです。
今年の5月を最後に値上げをしてしまい、4,500円になってしまいました。一瞬だけ7,252円をつけていて怖すぎます。
これ来年は7,000円台とかあったりするのでしょうか……。
グレンアラヒー10年
ちょっと面白い動きをしています。
2019年まで5,600円だったのですが、2020年に値下げをして4,288円が最安値に。再び元の値段に上がり、何度かいびつな動きをしつつ7,500円に収まっています。
代理店がウィスクイー社ですので、サントリーやMHDと比べると規模が小さく価格が安定しないのかもしれません。ちょっとした拍子で1万円を超えてしまいそうです。
グレンドロナック 12年
「こんなに高かったっけ…」の連続ですが、2015年の3,384円を最後に上昇。2018年になぜか在庫の不安定により5,590円になりますが、在庫問題が解消して下げていきます。
去年の11月に最後の4,300円をつけて上昇、現在は6,358円にまで上がっています。2016年までグレンドロナック15年が5,1000円でしたので、たった5~6年で上位ラインナップの値段を超えてしまいました。
ボウモア 12年
意外なことにボウモア12年は、過去5年以上それほど価格が上昇していません。最安値は2013年の2,570円、そこから2016年には3,488円になり今年の2月まで水平線でした。
やはり今年の3月から値上がりをして、4,180円になっています。サントリーの子会社になったので在庫供給が安定しているのかもしれませんね。
そんなボウモアでも18年になると話は別で、去年まで9,200円で売られていたものが現在では28,880円にまで上昇しています。信じられない光景ですね。
ラガヴーリン 16年
1万円以下の価格帯で、今年ナンバーワンを獲得しそうな上昇率です。
今年の2月15日までは7,112円で販売されていましたが在庫欠品が続き、現在では17,980円で販売されています。
ここまで定番の商品が半年以上も入荷しないのは異常事態といえそうです。
16年が買えない人がラガヴーリン10年に逃げたためか、こちらも7,000円から12,000円まで上昇しています。
ラフロイグ 10年
「え!?ラフロイグ10年って3,300円じゃないっけ?」昔の感覚で、何度も驚いてしまいます。
2013年まで3,430円、2015年に3,830円。そこから4,850円に上昇。
しばらく5,157円でしたが、7月から5,500円になっています。さすがにサントリーですので相場は安定していますが、来年は6,000~7,000円になりそうな勢いです。
アードベッグ10年
仮想通貨のように上昇しているのが、アードベッグ10年。
こちらもラガヴーリンと同じように3月に品薄になり、4,180円から7,200円まで一気に上昇しています。
過去5年間ほとんど価格が変動していないのに、今年の春に一気に崩れて居ることが分かります。代理店がサントリーのものは変動が少ないですが、MHD(モエヘネシーディアジオ)社のものは、影響が大きいようです。
カリラ10年
2014年まで2,831円だったカリラ10年、3,936円に値上げしてから6年間ほとんど価格の変動がありませんでした。
昨年4,400円にまで上昇し、現在は5,250円になっています。他のアイラと比べると価格変動が緩やかですが、もしも在庫が切れてしまった場合は7,000~8,000円にまで跳ね上がりそうです。
ウイスキー価格に異変?
今回は主要シングルモルトウイスキーの10年、12年にスポットを当てて相場分析をしてみました。https://keepa.com/は、価格の動きが見やすくて便利ですね!
分析した感想としては、2020年頃まで無風で値段の上昇がほとんど観測されなかったことです。昨年の2021年頃に少し予兆が出て、一時的に価格が揺れましたが、本格的に上昇したのは今年の3月です。
実店舗を回っていても、3月前後は急激に在庫の品揃えが悪化していました。重要なことは、まだ上記の相場にドル円相場が反映されていないということです。
まだ始まったばかりです。130円に上がったのが今年の5月ですので、そろそろ円安ドル高の初弾が着弾する頃です。
各国のインフレや輸入コストを無視したとしても、単純に昨年9月に109万円のものが144万円になる訳です。国内の販売コストも増加しているので、来年あたりは定番のウイスキーも価格直撃して、未知の価格に突入すると予想します。
過去10年でシングルモルトの10~12年は、価格変動が少なかったため「ボウモア、フィディック、モーレンジ、グレンリベットは2,980円」「マッカランとラガヴーリンは4,980円」みたいに覚えていた節があります。
現時点でも5~6千円にまで上昇、マッカランやラガヴーリンは1万円オーバーが当たり前になっています。来年、オークションやメルカリ等の二次流通は別として、Amazonなどの商品価格が値上がりすることは確実だと思います。
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