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What is the UK inflation rate and why is the cost of living rising?
The cost of living is increasing at nearly its fastest rate in 40 years, driven largely by the rising cost of food and fossil fuels.
英国のインフレ率と生活費の上昇の理由とは?
生活費は、食料と化石燃料の価格上昇を主な要因として、過去40年間で最も速いペースで増加しています。
エネルギー資源依存による影響を受けている英国ですが、BBC報道によると2022年8月は昨年比約10%の物価上昇、電気代は前年比180%近い上昇をしているようです。
英国では賃金も同時に上がっている
ここで興味深いのが、あらゆる物やサービスの物価が上昇していますが、同時に賃金も上昇の兆しがあることです。ボーナスを含まない平均賃金はわずか3ヶ月、2022年5〜8月だけで5.4%上昇しています。
日本国内では、厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」 によると、日本人の月の賃金の中央値は約27万円。年間の賃金にすると約324万円です。
英国のように5.4%上昇すると仮定すると、月収27万円の人は3ヶ月で28.4万円に上昇。年収では341.5万円まで引き上げられる計算になります。
日本国内では、これほど物価高が直撃していますが、過去3ヶ月で賃金が5%上昇した話はあまり耳にしません。優秀な能力を持つ一部の人、または政府主導の全国旅行支援などの補助金で潤っている事業に限られるのではないでしょうか。
個人事業主、経営者や役員を別として、一般的なサラリーマン家庭で給料がアップしたという話は中々聞くことがありません。むしろ、業績悪化、光熱費や仕入・原材料費上昇によるボーナスが減少の話の方が耳にします。
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そもそも、イギリスの2022年の平均年収は64,251ポンドで日本円にして約1067万円、労働人口で最も多い最頻値でも40,710ポンド約=676万円となります。上記のグラフでは、電車・路面電車の運転手さんでも平均年収が1,000万円です。
「インフレ率が下がっても、物価は下がらない。速いペースでの物価上昇が止まるということだ。」
Investment bank Goldman Sachs now says inflation could peak at 10.8% in October, and slow to 2.4% by December 2023.
投資銀行のゴールドマン・サックスは、インフレ率は10月に10.8%でピークを迎え、2023年12月には2.4%まで鈍化する可能性があると述べています。
同記事では、全ての商品が一律に値上がりするわけでなく影響を受ける範囲によって値上がりの幅があると説明します。
例えば、低脂肪牛乳は40.4%、バターは29.5%と想像を絶する値上がりをしていますが、酒精強化ワインは0.7%と誤差と思えるほどしか上がっていないものもあります。気になる蒸留酒のジン、ウォッカ、ラム、ウイスキー全般は3.7%の上昇とされています。これには希少なシングルモルトのようなプレミアムウイスキーは含まれていません。
「良いニュース」として来年末にはインフレ率が鈍化する可能性があると報じています。これはマイナスになるのではなく鈍化するだけで、デフレになるわけではありません。
低脂肪牛乳で説明してみます。
そもそも物価の高い英国で500円の低脂肪牛乳が、今年は700円になりました。それが「来年はさすがに980円まで上がらないはずですよ」という話です。700円になってしまった牛乳が500円に戻ることはないのです。
最終的にあらゆるモノの値段が上がる
BBC記事では、酒精強化ワインは1%未満の上昇と説明していますが、私個人の意見では数年後にはポートワインやシェリーでも確実に数十パーセントの値上がりになると予想しています。
その理由が、人件費、燃料費、原材料費、輸送費それから住宅ローンまでありとあらゆる物が値上がりしています。人件費や店舗の維持コスト、電気代だけで200%アップしているので、「最終的にあらゆるモノの値段が上がる」と思っています。
中でもウイスキーは、原材料に大麦を用いています。
食用に用いられる六条大麦とは違い、二条大麦はビールやウイスキーに用いられますが、この「製造コスト」が上昇しています。
そして蒸留するときは、例外なく熱源が必要になります。
単式蒸留器、連続式蒸留機や直火加熱、間接加熱などいくつか種類がありますが、石油やガスを用いています。石炭直火蒸溜は、グレンドロナックが1995年まで古典的製法で続けていましたが、今となっては世界でも「ニッカウヰスキー余市蒸溜所」だけが続けており、ほとんどの蒸留所がガスに頼っているのが現実です。
原材料の大麦、貯蔵樽の調達、輸送コスト、蒸留の燃料費、人件費などが著しく上昇しています。これが商品の価格に反映されていくと予想できます。
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二次流通価格の上昇は、海外勢力の買い付け?
以前まで日本人がやっていた逆が起こるのではと予想しています。
2018〜2019年頃はユーロが110円台で、中国市場の買い漁りが激化する直前でした。私自身も2019年頃までeBayでイタリアに在庫のあるマッカランを漁っていました。
日本国内で8万円のボトルが、eBay.itの即決で4万円相当、送料を入れても4万5千円ほどで、何本か輸入していました。
イタリアは1980年代からマッカランが人気で、ジオベネッティのような輸入代理店があったことで、イタリア国内には在庫が多くあったようです。
状況を整理すると、2019年にはイタリア国内では4万円で完売しない需要でしたが、日本に持ってくると倍の値段がつきました。私のようにコレクション目的で買った人や、転売目的で買う人、動機は様々ですが「安い国から高い国に流れて、安い国の在庫がなくなり、高い国の値段」になります。
4,980円の山崎12年が消え去り、日本人でさえ2万円出さないと山崎12年が買えなくなりました。同じことが輸入のスコッチウイスキーにも起こると思います。
日本にある、マッカランやボウモア、ラフロイグ、アードベッグ、スプリングのような希少ウイスキーが為替の強い国や、経済力の強い国にどんどん逆輸入され、最終的に国内市場の二次流通価格が上昇すると見ています。
結果として、先ほどあげたeBay.itの希少マッカランは2020年末には枯渇して、今では国際水準まで上がってしまいました。イタリア人が高い値段で買ったのではなく、日本や中国、アメリカなど第三国による強い買い付けによって相場全体が上がった例です。
色々ダラダラと書いてしまいましたが、
・英国の出荷価格の上昇
・日本国内の一次流通価格(店頭価格)の上昇
・日本国内の購買力の低下
・日本国内の二次流通が海外買い付け勢力によって上昇
2023年はこの流れになるのではないでしょうか。
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