先日の「【未開栓】サントリー 山崎蒸溜所 オーナーズカスク 1986-2009 バット/ミズナラ ウイスキー 700ml 51% 箱/冊子付 11133667 1110」ですが、最終的に3,351,008円(税込み3,686,108円)で落札されました。
これを「安くなった」と思うか「高い」と思うかは人それぞれですが、個人的には健闘していると思います。
現在出品されている別の1986年も勢いがあり、350万円で既に入札されています。
山崎18年は暴落しているのに、なぜオーナーズカスクは勢いがあるのか?
過去3年のチャートを元に分析してみます。
こちらのチャートは、過去3年間で「山崎 1986年 オーナーズカスク」だけで抽出したものです。ボトリング時期や、ミズナラ、シェリーなど仕様に違いがあります。
2019年には既に60万まで上昇しています。2008年頃までは2万円を切っていたので、ここで手放してしまった方も多いはずです。昨年2021年には240万円、今年の5月26日には頂点となる5,889,888円での落札となりました。
当時2万円のウイスキー1本で、高級車1台を新車で買えるほど高騰したといえます。
株式投資や仮想通貨投資、為替などを実践されている方はご存知だと思いますが、この値幅が以前よりも大きいほど急落するリスクが高まります。
調整と呼ぶ人もいますが、60万円が80万円になっても急落は60万円を目安にして落ちますが、200万円から600万円まで急騰すると、需要と供給のギャップが生じて、適正価格を模索する段階に入ります。
「さすがに600万円の価値は無いよね?」と入札に参加する購買層が逃げ腰になると、「では下値はいくらが妥当なのか?」を恐る恐る探ることになります。
仮想通貨のように、無形資産やNFTのようなデジタル資産であれば投機的動機が非常に強いですが、ウイスキーの場合は「実際に飲む」「同じ物は二度と作り出せない」という要素があります。
今年600万円だったため、さすがに100万円や50万円まで下がることはなく、一旦350〜370万円を目安にして取引しているのではないでしょうか。
5月から出品されていなかったので、入札側も相場観が掴めずに手探りだったと推測できます。
このことから、2022年末〜2023年の「山崎1986年オーナーズカスク」は上記金額をベースにして、300〜400万円を推移するのではないでしょうか?
「そんな持ってないボトルの話をされてもね〜」と思うかもしれませんが、山崎25年や50年、オーナーズカスクの価格は非常に重要です。
この最上位のラインナップの価格に一般的なシリーズが釣られる傾向にあります。つまり100万円超えのボトル購買に勢いがあれば、50万円程度のボトルも60〜70万円へと上昇する可能性が上がります。
逆に最上位のラインナップが弱気相場で下落が続けば、それ以下の山崎18年、12年、他の国産ウイスキー相場に影響を与えます。現在、日本国内には数多くのご当地ウイスキーが存在します。イチローズモルトやマルスなども有名ですが、サントリーとニッカ。
中でもサントリーが仮想通貨でいう、ビットコインのような指標となりやすいです。
Rare101での国産ウイスキー主要100銘柄のインデックスでは、前年比では39.34%の上昇、過去6ヶ月でもギリギリ6.96%の上昇を保っています。
こちらのグラフは9月26日のものですので、弱気相場の真っ只中で前月比は-0.69%となっています。
英国と日本国内で相場が少し異なりますが、恐らく年末くらいになれば再びプラスに転じるのではないでしょうか。チャートを見ていると米国ハイテク株のように、ちょっと怖い形状をしています。
少なくとも日本のオークションを見ている限りは、国産ウイスキー全般が暴落とまではいっていないようです。
https://twitter.com/esinglemalt/status/1590635650583519232
https://twitter.com/esinglemalt/status/1590635652240265216
昨夜、有名ウイスキー通販店主のツイートが回ってきました。
当サイトで何度か解説している通り、やはり大麦の値段が急激に上昇しているようです。
この話にはガス代についてあまり触れていませんが、恐らく蒸留する際のエネルギー資源も前年比200%以上だと思います。個人のガス代や電気代が前年比8割アップで、平均的な世帯で年間57万円になるそうです。
ビールと軽食を提供する居酒屋に相当するパブも、電気代が何倍にもなり営業が続けられない店も多く出てきています。
上記を統合すると、インフレ、エネルギーコスト、原材料費、為替、輸送コストなどで「スコッチウイスキー」が庶民の手に届かない価格になる日は近いかもしれません。
ちなみに、相変わらず実店舗めぐりをしているのですが、スコッチウイスキー入荷が少なく、「良いボトル情報」を発信するのも難しい状況です。
都内のビックカメラには、「グレンファークラス25年」が久々に入荷していました。コンテナ到着のためか、ネット通販でも見かけます。
WhiskyBaseでは189ユーロ=約27,219円ですので、気になる方は自家消費用でも投資用でも、今のうちに1本持っておいても良さそうですね。
ちなみに2020年3月XX日は、12,035円で新品で売っていました……。
1本しか購入していませんが、まさか2倍以上になると思いませんでした。
買って忘れる手法は本当にオススメです。
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