にわかに信じがたいのですが、昨夜「サントリー オーナーズカスク 25年 1982-2007 山崎蒸溜所 ミズナラ 700ml 53%」が900万円で落札されました。落札者の方は、評価が数百ですので恐らくイタズラではないと思われます。
本当に取引が正常に終わるのであれば、過去最高額のオーナーズカスクとなります。
とても可哀想な方が、少なくとも3人います。
それは、同じラベルの「山崎オーナーズカスク1982年」をヤフオクで売ってしまった方です。過去10年を遡って検索してみると。
2013年4月20日 97,000円
2016年6月6日 781,000円(@390,500円)
2016年6月19日 417,999円
2016年6月6日にいたっては2個セットで、たったの(?)78万円で売ってしまっています。1個あたり39万円です。2013年の方は、たったの9万7千円です……。9年後に100倍の900万円になると言って誰が信じることでしょうか。
こちらのサイトにも詳細が掲載されています。
Yamazaki – Vintage 1982
The Owner’s Cask Clementia
と名前がありますが、「Clementia」とはラテン語で寛容、「カエサルの寛容(Clementia Caesaris)」のように用いられます。
レオナルドの最後の晩餐が意味深に描かれていますが、この絵は「12使徒の中の一人が私を裏切る」とキリストが予言した時の情景です。もしかしたらClementiaはユダ(Judas)に対してのものかもしれません。
注意深く見ると、エチケットの絵は左右非対称でパースがズレていることが分かります。Wikipediaなどから写真を引用したのではなく、このボトルを詰めた人がイタリア・ミラノにある、サンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会で撮影したものかもしれません。絵画に対して左下から撮影した構図になっています。
様々なワードで検索したのですが、ボトリングした組織や個人などの情報は出てきませんでした。スペック的にはミズナラで1982年になるので、カスクの時点でも600〜1,000万円程度したと推測できます。
ボトリング数も不明ですが、1986年で360〜400本が主流ですので、類似スペックから推測するに350本程度でしょうか?
仮に700万円で350本詰めたとして、原価で2万円。酒販店などであれば3万円程度で売買されていたのではないでしょうか。もし、このボトリング主催者が10本〜20本未だに隠し持っていたとしたら、時価1〜2億円相当という夢のある話ですね。実際には多数出品されると、金額が落ちますが、それでも驚きの金額になりそうです。
では、この取引が正常なのか?今年の高額落札を振り返ってみます。
2022.05.26(木)22:12には、1986年が6,478,876円で落札されています。このことを考えると、今回の900万円というのはにわかに信じがたいですが、「あり得ない話ではない」となりそうです。
最近も国産ウイスキーの希少ボトルを中心にジワジワと、再度高値更新チャレンジをしていますが、本当に希少な銘柄に限っていえば年末から来年に掛けて続伸、買い推奨ということになりそうです。
これから5年、10年経って上記のようなウイスキーが下落するのか、それとも更に値段が上昇するのかは誰にも分かりません。ただ、可能性の一つとしては、現在30〜60万円程度のウイスキーでも6年すれば数百万円というのはあり得るかもしれませんね。
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