※この記事では国産ウイスキーではなく、スコッチウイスキーを中心に執筆しています。また、記事巻末に最新情報を随時更新しています。
当サイト『ウイスキー投資情報R』は昨月(2022年2月)にサイトを公開しました。たった1ヶ月しか経過していないのに、ウイスキー価格の変動が激しく、信じられないペースで値段が上がっているボトルがあります。
ボウモア16年が終売になったり、ラガヴーリン16年が価格改定など既に変化がみられます。
ウイスキー投資をするのであれば、なぜ「今すぐ本格的にスタートした方が良い」のか、そこから話をしたいと思います。
相次ぐウイスキー品薄に為替レートも高騰に拍車
「スコッチウイスキーの輸出が31%増加、中国へ猛進」でも詳細を解説しましたが、中国へのウイスキー輸出量が2020年比で31%も増加し、日本につぐ新市場となっています。
もともとコロナの影響で在宅率が高まり、世界的な需要増加でウイスキー品薄が加速しています。追い打ちをかけるように金融市場でも大きな変化がありました。
現在の金融市場は、日銀の強力な金利抑制策で円急落、円安ドル高。円ポンレートも1ポンド=161.76 円(2022年3月29日時点)と過去5年で最高値を推移しています。これは、英ポンドや米ドルが上がったのではなく”円が下がった”という見方ができます。
食品や電力、ガソリンの値段も上昇しています。みなさんもコンビニやスーパーで様々な商品の値上げを実感しているのではないでしょうか。
この期に及んで「ドルだけが強い」と思い込んでいる人もいるようですが、ユーロも、英ポンドもスイスフランも上昇し、なんと中国人民元でさえ上記のように急上昇しています。
コロナ直後は1人民元を得るのに、15円しか必要でなかったものが今では19円必要になります。中国を旅行するのでさえ、昔よりもお金がかかるのです。
どうでしょうか、こうしてみると「今の日本円がどれだけ弱いか」実感できます。輸出は有利ですが、食料自給率が低く資源さえも海外に依存している日本は、食品さえも輸入に頼っていて、このままだとスタグフレーションやハイパーインフレーションによって生活に大きな影響が出てきます。
この円安が継続された場合は、ウイスキー投資にも大きな影響を与えます。
世界的な需要増加と穀物高騰『同じ価格の再入荷』はない
例えば青ラベルの『マッカラン30年(旧ボトル)』は国内で約100万円で売買されています。海外価格の変動がなかったとしても、これが円安継続で120~140万円以上になる可能性があります。
その理由は、日本円が安くなると輸出で対外的に高く売却できるので、相場レートがウイスキーの取引価格に反映することになります。同じように金地銀や高級腕時計など、海外で安易に売却できるものは”日本円での価値”が上がります。このことから、一時終売になったウイスキーが再販されたとしても、円安と原油高、穀物高、世界的なスコッチウイスキーの需要増加などの理由により、何割か上昇した形で市場価格に反映されると予想できます。
値段が上がり続けるガソリンや電力、小麦を買いためておくことは難しいですが、ウイスキーであればちょっとしたクローゼットがあれば保管が可能です。ワインと異なり温度管理や湿度管理も比較的ラクです。
私が2008年に2万円で購入した「山崎1986年オーナーズカスク」は200万円を超えましたが、2015年に1万5千円で購入した「マッカラン エディションNo.1」も30万円以上になっています。このことから、長期的に保有することでインフレ対策や資産形成にもなり得ます。
この有料記事では、まだ値段が釣り上がっていない銘柄、そして利益が出やすい高級な価格帯を中心に掲載してみます。
いずれも筆者の予想であり、必ずしも上がることを保証するものではありません。購入の際は自己責任でお願い致します。2022年4月1日時点で販売されているものを中心に掲載していますが、現在入手が難しいものもありますのでご了承ください。
ここから筆者の予想する銘柄を紹介していきます。
1.OCTOMORE オクトモア(ブルックラディ蒸留所)
2021年までは完売するまでに2〜3ヶ月のタイムラグがあったオクトモアですが、2022年はSNSでブームになっていないにもかからわらず、発売当日に完売してしまいました。
転売予防のために時差で売っている業者があるので、今が仕込みどきです。
2021年の秋までは「シリーズ10」と「シリーズ11」が豊富に在庫があり、「オクトモア10年」も販売されていました。 ちゃがたパークなどの店舗では11月位まで、かなり豊富に在庫があったように覚えています。
「シリーズ12」になったからといって突然、革新的に進化した訳ではありません。 ブームになっているウイスキーのようには大騒ぎされていないのが現状です。 このような、静かに水面下で売り切れが続出するようなものは、後々爆発的に金額が上がる傾向にあると思っています。
「オクトモア12.2ソーテルヌカスク」がTwitterでは人気でしたが、12.1から12.3まで全て揃えておくことによって、数年後に爆発的に上がるのではないかと予想しています。WhiskyBaseで海外の相場を検索してみたのですが、国内の正規代理店は良心的で、世界的に見ても日本の価格は一番安い部類になっています。「オクトモア08.3」はわずか数年前なのに既に、6万4千円にも上昇しています。 まだまだ、オクトモアのブームが来たとは言えないので、今年のうちに買い集めておくことをお勧めします。4月~5月には六本木でイベントがあり、無料で試飲できるのでこのような機会に試飲をおすすめします。
買うべきボトル
◯オクトモア全般
◯オクトモア 12.1~12.3
※即日上がるものではないので、できれば5~10年以上の保有をお勧めします。
2.BRUICHLADDICH ブルックラディ蒸留所
SNSではオクトモアの影に隠れているのですが、不穏な動きを見かけました。 ある特別なソフトを利用して店舗の在庫を監視していますが、2021年の12月に突然ブルックラディを買い占める動きが見られました。
どこかの個人か業者によって「アイラバーレイ」と「ベアバーレイ」が10本以上の単位で大量に買い占めされています。 楽天市場やYahoo!ショッピングでは数が少ないですが、個人のネットショッピングではまだまだ在庫が残っているので、少量でもこの特別仕様のブルックラディを仕入れるのはオススメです。
アイラバーレイというのは、アイラ島だけで収穫された大麦を使ったものです。ベアバーレイは古代の大麦を復活させたもので、どちらも非常に希少なものです。この2種類は抑えて置いたほうがよいと思います。
味が気になって実際に飲んでみたのですが、通常の青いボトル(クラシックラディ)とは全く異なる味わいです。素晴らしい1本です。
買うべきボトル
◯ブルックラディ アイラバーレイ/ベアバーレイ
◯ブルックラディ 長期熟成全般
3.PORT ELLEN ポートエレン蒸留所
ウイスキー投資サイト「Rarewhisky101」では 一時的に相場が下がっていたポートエレンですが、最近になって再び値段が上昇してきました。
実は筆者自身ポートエレンは1本も持っていません。その理由は、ウイスキーを興味を持ったときにはすでに終売になっていて、10万円以上の単位で売買されて手が届かなかったためです。 今思えばビットコインと同じように、上昇し続けるものは買っておけばよかったと思います。
蒸留所が再稼働しているようですが、オールドボトルに限っては本数が減り続けているので、下記のグラフのポートエレンインデックスのように、値段が上がってもおかしくありません。
まだ武川蒸留酒販売などに在庫があるので、今のうちに手に入れた方が良いと思います。 他にも銀座の酒販店などに、プレミアム価格として販売されていますが、これらも海外相場と照らし合わせると割安であることがあるので、ポートエレンを見つけた時はスマホで海外の相場と照らし合わせてどれくらい乖離があるかと言うのをチェックするといいです。
同じように閉鎖蒸留所のローズバンクも、まだ間に合う1本だと思います。
買うべきボトル
◯ローズバンク全般
◯ダグラスレイン社エクストラ オールド パティキュラー ポートエレン 34年 1982 48.5度 ¥ 255,000 (税込)
※2022年4月1日時点では売り切れ
4.Caol Ila カリラ蒸留所
カリラも同じように値段が上がり続けています。これは予想でしかありませんが、タリスカーのラベルチェンジのように、あと1~2年で新ラベルになって一部が値上げや終売されるのではないでしょうか。
現在は、長期熟成のカリラ 25年が¥27,950で売られていますが、昔のUD(ユナイテッド・ディアジオ)時代のカリラはカスクストレングスが6千円から3万円まで上がっています。
ボトラーズも注視するべきですが、オフィシャルボトルもじわじわ値段が上がって、買うタイミングを逃しがちです。そのため長期熟成のカリラは現在、確実に底値ですので何本持っていても問題ないはずです。
またカリラの愛好家が多く、ネット通販とオークション上の価格の乖離が少ないので、安心して購入できます。
提案するボトルが再びXOPになってすみません。 海外相場と照らし合わせた結果、このまま輸出しても損が出ないものを考えて選択してみています。
カリラは1980~1990年代は高い確立で高騰すると思います。 一昔前までこの時代のボトルが一万円切っていましたが、今ではとても手に入りません。少し高い予算を出してでもこの時代のカリラは買っておいた方が良いと思います。ちなみにXOPは、エクストラ オールド パティキュラーというダグラスレインの最上級ブランドになります。
買うべきボトル
◯カリラ長期熟成 全般
◯ダグラスレイン社エクストラ オールド パティキュラー カリラ 28年 1990 54.8度 総生産本数:201本 価格 ¥ 59,620 (税込)
※2022年4月1日時点 売り切れ
5.LAGAVULIN ラガヴーリン蒸留所
ラガヴーリンで最近飲んで美味しかったのは、「ラガヴーリン 8年 200周年記念」です。 これは8千円程度で、昔の古き良き時代を感じさせるようなピートの美味しさがありました。 何本か購入しようと後日ショップを確認したところ、あっという間に市場から姿を消してしまっていました。
ネット上だけではなくて、実際にウイスキーマニアがバー界隈で情報がやり取りされて、そこで買い漁られているのではないでしょうか。
ラガヴーリンは、今買えるものでは「ディアジオ スペシャルリリース」がお勧めです。海外相場では、最安値は108ポンド=16,824円ですので、国内の2万円以下なら許せる差額です。
流通量は書いてありませんが、評価もとても高く、このようなカスクストレングスは後から高額に化けやすいので、一本持っておくことをおすすめします。
買うべきボトル
◯ラガヴーリン全般 ◯ディアジオ・スペシャルリリース
6.Macallan マッカラン蒸留所
https://whiskey.kanemochi.net/47
上記の記事を読んでいただけましたでしょうか。内容を簡単に紹介すると、マッカランのレアカスクの過去の取引相場を800件分析したものです。
1万5千円まで値下がりしたレアカスクが、最近になって値上がりの予兆があると報告している記事になります。
この記事を書いている時は、21,000円ほどで購入でき、入札されずにオークションが終了することもありました。ところが2022年に入ってからは、サントリーの価格変更のニュースもあり、突然値段が上昇しました。
今は3万円をギリギリ切りような価格で取引されていますが、海外サイトを見ると5万円前後の値段なので、今の値段で購入しても数年以内に値段が上がっていくことが予想できます。
もう一つは「高額の価格帯のマッカラン」です。 先ほど紹介したrarewhisky101では、2020年から再び価格が急上昇しています。 このことから、2019年頃にボトリングされて現在流通しているマッカランの、長期熟成のボトルを買うのがお勧めです。1980〜1990年代は値段が高くオフィシャルボトルは50万円以上なので難しいですが、ボトラーズなら10万円後半から購入できます。
例えばwhiskybaseで評価の高い1990年代のマッカランを挙げてみます。「シグナトリー マッカラン 25年 30周年記念ボトル」です。
WhiskyBaseの登録ショップでは、ほとんどが20万円を超えています。 平均価格は約237,591円です。
これを、国内の大手酒販サイトで確認してみると、同一の商品が185,000円で売られているのがわかります。おそらく海外のサイトでも、当時はこの程度の金額で販売されていたのでしょうが、安いものから少しずつ売れていって上記のような結果になったはずです。
日本で高額のウイスキーを購入するメリットは、通販であっても海外の人が購入するのは極めて難しいということです。日本語だけで設計されていて、そもそも海外発送が不可能なサイトばかりです。
銀行振り込みに至っては、日本人でないと99%購入は不可能でしょう。このことから海外との相場を比較して、マッカランの高額ボトルなどを購入しておくというのは投資として成立するはずです。
出口戦略として、10年後や20年後に売却するときは、同じように海外サイトの個人売買で売却するか日本国内のオークションに出せばOKです。
※2022年4月1日時点で、海外の価格が急上昇しています。
1499ユーロから1598ユーロに最低価格が上昇、最低価216,803円、平均価格250,393円です。
買うべきボトル
◯マッカラン レアカスク
◯シグナトリー マッカラン 25年 1993 30th アニバーサリーなどオールドボトル
※価格目標 現在平均25万円のため、3~5年保有で35~40万円以上
7.Glenfarclas グレンファークラス蒸留所
ここ数年経過観察をしていたのですが、2021年末から急激に「年数入りのファミリーカスク」が買い占められていきました。具体的に値段を上げると、飽きまでは2003〜2016年が15,680円、1995〜2018年が22,980円、1994〜2018年が25,500円といったように、2万円あれば様々なファミリーカスクを自由に選ぶことができました。
ところが、今では3万円を切るものは数件しかなく、総じて4万円以上になっています。 楽天市場やアマゾンなどで検索しても、ほとんどが上記のような価格帯になってしまっています。
日本で「ファミリーカスク」がブームになっているかというと、決してそうではなく、海外の需要や入荷の関係などで在庫がなくなってしまっていると考えるのが自然です。
ここ数年でこれほどグレンファークラスがなくなることがなかったので、今後どんどん昔の年数が減っていくと考えるべきです。
筆者は1980年代のファミリーカスクをいくつか所有していますが、もし興味があれば、在庫が減りつつある今のうちにまとめた量を仕入れておいた方が良いと思います。
OB(オールドボトル)に関しては、「グレンファークラス 105 カスクストレングス 金ラベル」が緩やかに上昇しています。 マッカランと比べると、グレンファークラスのカスクストレングスはまだ値段が上がりきっていない、当時より少し高い程度のプライスがついているだけですので、仕入れるには最適だと思います。
グレンドロナックとグレンファークラスなどのシェリーカスクを中心としたスペイサイドモルトとは、値段が高くなりすぎたマッカランの避難先として選ばれる可能性が高いので、今年のうちに買っておくというのは賢明な選択だと思います。
また、まとまった予算があるのであれば、1950年代〜1960年代の貴重なモルトもギリギリ入手することができるので、自己責任ですが株式を買ったと思って無理して高額な商品を挑戦してみると言うのも充分価値があると思います。
買うべきボトル
◯グレンファークラス ファミリーカスク全般
◯グレンファークラス 105オールドボトル(金ラベル)
8.GlenDronach グレンドロナック蒸留所
意外に知られていないのですが、グレンドロナックは1996年に一度蒸溜所が閉鎖、2002年5月に生産を再開しました。2005年には加熱動力を石炭から蒸気へ切り替える為蒸溜所を一時に閉鎖。グレンドロナックは石炭を使用するスコットランド最後の蒸溜所でしたが、蒸気に変更して9月に生産を再開しました。
その後も買収を繰り返し、2016年にベンリアックが米ブラウン・フォーマン(Brown Forman)により買収されます。それ以後グレンドロナックはブラウン・フォーマンの傘下に入りました。
何が言いたいかというと『生産されていない時期』が存在することです。
石炭から蒸気を変更したことと、6年間も操業停止していたとなると、当時の労働者が全員同じ条件で戻ってきたとは考えにくく、作り方や原材料などが当時とは異なっている可能性が高いです。
現在ではまだ大騒ぎされていませんが、 復活してから20年程度経っているので、そろそろ閉鎖前と閉鎖後の味の違いというのが比較できるような状況になってきました。実際に1993年のグレンドロナックの仕上がりが素晴らしいと、 オフィシャルが限定ボトルを出したり、オークション市場でも高値を付けられたりしています。
これは日本だけではなく、英国国内でも同じように値段が上昇しています。
また、オールドボトルはマッカランほどではありませんが、旧ラベルが定価の10倍以上になるなど、今後更にじわじわ上がっていくことが予想されます。 つい2年前まで発売されていたカスクストレングスシリーズの終売になり、値段が上がっているので今のうちに買い集めておいた方が良いです。
買うべきボトル
◯1996年までの年数表記ありボトル
◯カスクストレングスシリーズ
◯旧ラベルの15年、18年
9.Celebration Of The Cask
セレブレーション・オブ・ザ・カスク
ここから蒸留所ではなくボトラーズを紹介します。 SNS上で昨年末からクライネリッシュが話題になって、ヤフオクでも転売開始されていました。
今まで5年以上注目を浴びることがなかったモリソン&マッカイのセレブレーション・オブ・ザ・カスクが急激に人気になっています。
実は私もこのボトラーズはずっとウォッチしていたのですが、在庫があまり動かなく不人気なので、のんびり買い付けていけば良いと思っていたところ、2021年秋に一瞬にして在庫が消えてしまいました。
かろうじて個人商店のネット通販などで見かけますが、それもかなり在庫が減りつつあります。
このモリソン&マッカイというボトラーズは、元モリソン・ボウモア取締役のブライアン・モリソンとジェイミー・モリソンをが様々なカスクを買い付けて詰めているブランドです。 このまま、カルト的な人気が出てくる可能性があるので、今のうちにコツコツ集めるべきブランドです。
1万円台から購入することができますが、上記のように1965年の特別なマッカランのボトリング等も存在します。流通量が少なく680,000円から1,000,000円など、このような高額商品が今後どのように価格が変動するかは全く未知数です。 昔のヴィンテージはどんどん流通量が減っていくので、購入して直ちに価値がなくなると考えにくいです。リスクはありますが、無理のない範囲で古いボトルを調べるというのも利益を上げるコツです。
ちなみに元ボウモアの重役が立ち上げたためかわかりませんが、バーボンカスクの方が強いです。マッカランなど例外はありますが、バーボン樽それもアイラを中心に買い付けすると価格が上昇しやすいと思います。
買うべきボトル
◯セレブレーション・オブ・ザ・カスク 全般(特にバーボン樽)
10.Adelphi アデルフィ
『アードナムルッカン蒸留所』を設立したことで、日本でも一躍有名になりました。 ここの蒸留所は毎年ボトラーズとしてリリースしていますが、特にシェリーカスクを使ったボトルが優れています。
近年の「ブレイス・オブ・スペイサイド」はグレンロセス、「ブレイス・オブ・アイルス」はハイランドパークが詰められているそうです。
色の濃いファーストシェリーもリリースされていて、これらは日本で発売開始と同時に瞬く間に完売してしまいます。 SNSではそこまで人気があると言えないブランドですが、マニアによってコツコツ買い占められているボトルなので、投資として最適だと思います。
これは予想ですが、今年から来年にかけて「アードナムルッカン蒸留所」、つまり自社蒸留所をボトラーズ扱いとしてリリースすると思います。これは確実に美味しい樽を選んでくるので、情報収集しておき発売情報を逃さないようにするべきです。
また、「ファーストリリース 09.20:01」は一時転売屋によって非常に高い値段で取引されていましたが、今は値段が落ち着き、定価近くで買えるようになりました。
これは蒸留所を記念するファーストボトルになるので、今はすぐに値段が上がりませんが、10年以上見越した場合は確実にじわじわ上がっていくはずですので、1本といわず何本か所有しておいた方が良いと思います。
買うべきボトル
◯アードナムルッカン ファーストリリース 09.20:01
◯アデルフィ シェリーカスク全般
11.Samalori Masam サマローリ(マサム)
有料情報としてお金を支払っていただいたので、最後に特別な資料を見せてまとめたいと思います。かの有名なシルヴァノ・サマローリ氏が2017年に逝去してしまいましたが、後継者が残ったボトルを売ったり継続しています。
中でもサマローリ氏の奥さんが「マサム」という名前で、生前所有していた樽を詰めているのは有名な話です。
ここで本題ですが、今現在はオールド・サマローリしか価値がないと思われていますが、それは厳密には誤りです。
イタリア本国の資料を独自で入手したのですが、在庫リストからすると、現在販売しているサマローリの種類・在庫が非常に少なく、新規買い付けではなく、生前のストックを切り売りしているのではないかと推測しています。
もちろん中には新しく仕入れた樽もあると思いますが、それにしては本国の所有数が少なすぎます。 現行品のサマローリは値段があまり上がっていないのですが、氏が逝去してしまったということで、今後10年経ったときに金額が上がってしまいそうです。
偉人の死を投資に買えてしまうというのは失礼ですし、したくないことですが、ブルゴーニュの神様であるアンリ・ジャイエ氏が逝去したときにマニアが慌てて買い占めたのも同じことです。
同じように、現在ではまだサマローリやマサムとして購入できますが、これが当たり前でない時代が確実に来ますので、「サマローリ」や「マサム」はどのボトルであっても絶対に持っていた方が良いです。
ブレンデッドよりはシングルカスクの方が値段が上がります。No Ageなどは例外的に貴重な原酒を使っているので、上がる可能性が高いです。
買うべきボトル
◯サマローリ全般
◯マサム全般
私はサマローリのウイスキーも何本もストックしていますが、ラムの方も実際に飲んで感動してしまい、数多く所有しています。もしサマローリのラムを飲む機会があればウイスキーだけでなくラムの所有もオススメします。
この度は記事のご購入と長文をお読み頂きありがとうございました。
免責事項
上記の内容は個人的な推測に基づくもので、内容の完全性やその正確性や完全性を保証するものではありません。実際に購入される場合は、個人の責任において入手・売却などをお願いします。
また入手金額を大きく上回った価格で売却したときは確定申告など税務上の申告が必要になる場合もあります。税理士や会計事務所などにご相談下さい。
2022年3月21日追記
実際に私が長期保管用に購入したボトルを紹介します。
紹介したボトルが必ずしも上がるわけではないのでご注意ください。
何を選んで良いか全く分からない方には、参考になると思います。
グレンドロナック カスクストレングス バッチ9
銀座の酒販店に複数在庫があり、12,100円で販売されていました。
オークションでは15,000円〜20,000円で以前のバッチが取り引きされています。数量が限られているので、2~3年の中期ポジションでも上がるのではないかと見込んでいます。
ネットショップでも、ときおり定価で販売されているので随時チェックをお勧めします。
購入日 3月14日
購入価格 12,100円 複数本購入
ティーリング 21年(1999 )ラムカスク for CHAGATAPARK 10th ANNIVERSARY シングルモルト 54.2%
世界で最も有名なアイリッシュウイスキーといっても過言でないティーリング蒸留所。ティーリング 37年は「ちゃがたパーク」で116万円(定価)で販売されています。購入したのは、その「ちゃがたパーク」の限定リリースのラムカスクです。
定価の36,800円でもスペックからすると十分お買い得なのですが、PayPayの10%オフクーポン利用で29,808円、そこにペイペイ祭りの26%還元で、22,057円相当で購入できます。
最近の取引価格を見ると、ヤフオクでは2本で56,420円(1本28,210円)という強気価格で落札されいます。
なぜ、ここ数週間でヤフオクの流通量が急上昇したというと、ちゃがたパークがマッカラン18年との抱き合わせでティーリングを販売したためです。
マッカランだけ欲しい人がヤフオクに流しています。
そんな流通量が多いタイミングでも強気相場ですので、今2万円台で購入して完売するまで待ち、数年間寝かせたら5~10万ほどになるのではと見越しています。
購入日 3月
購入価格 1本当たり2万円台 複数本購入
2022年4月1日追記
シングルカスクシリーズのバッチ19を発売開始
グレンドロナック蒸溜所からシングルカスクシリーズのバッチ19を発売開始しました。異なるシングルカスクから作られた12種類のボトリングを提供します。1990年から1994年の間に蒸留されたペドロヒメネスまたはオロロソシェリーのパンチョンとバットを使用したシングルモルトです。
アルコール度数は50.7%から57.89%まで、価格は545ポンドから1,037ポンドまでです。12エディションすべてが入手できるのは蒸留所自体だけで、残りは各国で割り当てられています。
2023年以降『グレンドロナック』が高騰すると予想
昨年まではマッカランとグレンファークラスの保有量を増やしていたので、やや手薄になっていたのですが、ついにグレンドロナックさえも流通量が減ってしまいました。
つい少し前まで、「グレンドロナック21年・18年」は在庫豊富で全国の酒販店で入手できましたが、現在は全く在庫がない状況です。都内の酒販店を10箇所以上回っても「グレンドロナック15年」がかろうじて並んでいる程度です。
実際に取引価格の上昇もみられます。一例ではコアレンジの『グレンドロナック 21年 パーラメント』のオークション価格です。
終了日時 2021年 10月13日 23:09 落札16,430円
終了日時 2022年 3月30日 22:02 落札30,700円
昨年の10月までは16,000円をウロウロしていたのに、たった5ヶ月で30,000円以上の落札価格になっています。もし本当に終売してしまった場合は、第二のマッカランのように上昇する可能性があります。
なぜグレンドロナックが急に値上がりしたのか
なぜ、こんなに価格が強気なのか理由があります。グレンドロナック蒸溜所は、1996年から2002年の間に操業停止していました。そのため最近まで生産されていたパーラメントは、2001年以前の原酒が使われています。
ところが、その間は蒸留所は停止中ですので、使われている原酒はつまり1996年以前の「蒸気式に切り替わる前の石炭式」の原酒となります。
21年として販売されていますが、実質25年以上の原酒で構成されているのです。この停止期間の原酒がばっさり失われているので、長期熟成を発売できない事情があります。
2つ目の理由は、2008年に蒸留所が「ベンリアック・ディスティラリー・カンパニー(BenRiach Distillery Co.)」により買収されたことです。ブレンド用や大量生産のシングルモルトウイスキーを販売することに舵取りをして利益率を上げることにシフトしました。
日本での代理店も、以前の「マルカイコーポレーション」から「アサヒ」に変更になりました。
長期熟成とシングルカスクが貴重に
ここで、最初の「シングルカスクシリーズのバッチ19発売」に話がつながります。アサヒに変更になってから低価格帯のラインナップを大量に売る方向性になり、シングルカスクが一部の並行輸入でしか販売されなくなりました。
それだけでなく、本家のグレンドロナックもシングルカスク用の原酒が枯渇している状況で、日本市場を相手にしていません。今年も日本での正規品取扱店による販売はありません。
もしかしたら、一部の酒販店が並行輸入品として販売するかもしれません。ただし、割り当て本数が少ないのでそれさえ怪しいです。
バッチ19は最初にお伝えした通り、545ポンド(約87,690円)から1,037ポンド(約166,853円)と、ここ数年で価格帯を急に上げています。もし日本に入荷したとしたら、10~20万円は確実です。
一昔前はグレンドロナックのシングルカスクは、3万円以下で豊富に選択できました。
2017年8月24日時点では、1992年が18,000円で入手できましたが、現在は9万円以上がスタートとなります。たった4年で恐ろしい上昇率です。
当時から長期熟成のグレンドロナックを集めている人がいたら、現時点で既に含み益が400%以上になっているはずです。
このようなことから、今からグレンドロナックの長期熟成ボトルや、日本に在庫のあるシングルカスクは割安だと考えています。今後の値上がり率などは全くの未知ですが、停止以前の加熱動力が石炭時代が重宝され、2030年など長期的には5~10倍ほどの価格になるのではないかと予想します。
あくまで予想ですので、実際に当たるか分かりませんが、興味があれば一つの候補にしてみてください。
2022年4月3日追記
日本市場が追従する英国ランキング
Rare101「The Rare Whisky 101 Collector/Investor Report for 2020 – 2021」のレポートを眺めていると、非常に興味深い統計が出てきます。
コレクター市場での保有数(価値)が、2019年と比較すると、「グレンファークラス」がランク2アップ、「グレンドロナック」がランク3アップしています。
レポートの訳注にあるように、マッカランがコレクター市場の40%を占めているのは大きいですが、今から希少性の高いものを入手するのは難しいことです。
ボウモアやアードベッグ、スプリングバンク、ポートエレン、ラフロイグ、この当たりは今後も伸びていく蒸留所といえそうです。実際にアードベッグやボウモアは既に希少性の高いボトルは入手が困難になっています。
スプリングバンクの伸び率もあり、2022年に急上昇してきました。
陶器ジャグなど、つい2~3年前は7,000円程度だった12年物が4万円以上になっています。
レポートの中には、「ピートの強いアイラモルトから、王道のスペイサイドシェリーにブームが移る予兆」と解説があり、実際にグレンファークラスやグレンドロナックが上昇しています。
グレンドロナック 26年 1993年の個人輸入
そこでThe Whisky Exchangeの限定ボトルを独自に個人輸入してみました。
このボトルは、世界的にも有名なウイスキー販売店のThe Whisky Exchaneの20周年記念ボトルとなります。これが最初のボトルではなく、何年かに渡って数本の記念ボトルをリリースしているようです。
この26年は2019年に詰められた最後の200周年記念ボトルという話です。
ウイスキーレビューで知名度の高いWhiskyNotesでは、途中で樽が詰め替えられていると指摘しつつも高い評価を得て点数は91/100を獲得しています。
ただでさえ希少な1993年ボトルがTWE限定ということで期待が高いです。
同スペックにしては価格が抑えられた、£332.50ということで実際に個人輸入してみました。
国内では、少量が並行輸入されていて価格は72,000〜75,100円ほどで販売されています。今年に入ってコアレンジの21年パーラメントが3万円を超えたことを考えると、さらに長期熟成で1993年のシングルカスクと考えれば充分に安いと思います。
TWEの公式サイトでは、332.50ポンドということで上限の6本を輸入してみます。
thewhiskyexchange ご本人 1回払い 341,150 2,070.00 (GBP 164.807)
ポンド高でレートが苦しいのですが、支払価格は341,150円となりました。現時点では1本当たり56,858円となります。
このままスムーズに来て欲しいのですが、そうは問屋が卸さないようでDHLから恐怖のショートメッセージが届きます。
本数が多かったためか、22,400円の輸入関税を取られてしまいました。1~2本であれば無税の場合もあるようですが、この当たりは個人差があるようです。
クレジットカード請求額341,150円+関税22,400円=合計363,550円
1本当たりの取得価格は60,592円と、市場価格より若干安いプライスになりました。
次にオークションでの買い圧を見てみます。同一ボトルはありませんが、類似のスペックだとラ・メゾン・デュ・ウイスキー(フランス)が77,000円、ネクターの24年が71,000円、27年が90,000円です。
今後、物価高騰やレート差による他のウイスキーの価格改定が続くと推測されるので、年末には目標8~10万円、来年以降に期待してホールドしようと思います。
グレンドロナックのコアレンジ18年や21年は人気ですが、生産数量が多いです。特にこの手のシングルカスクは本数が限られています。
「Glendronach 1993 26 Year Old #6853 TWE Exclusive」も世界で722本限定リリース、6本あるので一人で1%近い占有率です。10年以上持って様子を見たいと思います。みなさんも興味があれば参考にどうぞ。
2022年4月14日追記
こちらで紹介した「Glendronach 1993 26 Year Old #6853 TWE Exclusive」国内在庫、本国TWEの公式サイトいずれも完売しました。記事公開時はどちらも在庫があったので、予想より早いペースです。
今後も限定ボトルは情報を早く仕入れて、購入するのが必須になりそうです。