今朝のツイートをご覧になった方もいるかもしれませんが、1991〜2010年の山崎が300万円越えで入札されています。
今まで1990年代は100万円切ってウロウロしていたので、「まさか!」とイタズラ入札だと思いました。少し調べてみると、同一ボトルが今月8日に落札されています。
海外オークションのFine Spirits Auctionにて17,818ユーロで落札、現在のレートで2,418,306円ですので現実的な相場だということが分かります。
同一ボトルは2015年の10月にヤフオクで201,000円で落札されているので、6年で15倍にも上がったことになります。
同一シリアルなのにバリエーション違いがある!?
なぜ高騰したのか、それには様々な理由があると思いますが、少なくとも「ひとつ」見つかりました。
中国版のインスタグラムには、富裕層がオーナーズカスクを集めている写真がアップされています。なんとまあ衝撃的なのが、時価100万円を越えるようなボトルが何十本とコレクションされています。
日本の美味しかった時代のウイスキーが、こうして中国の富裕層に流れているのだなと、しみじみ眺めていたのですが許 daye氏の投稿一覧を見ると言葉を失ってしまいました。
なんと山崎55年や山崎50年、総額一億円以上ものウイスキーが並んでいます。このような富裕層が予算無制限で買い付けているために、日本国内の希少ウイスキーも青天井に上がっているのだと分かります。
非常に興味深いのが、左上の写真です。
ロットナンバーは#1S 70427と、Fine Spirits Auctionやヤフオクと同等なのですが、専用の焼印ありの木箱に入っています。他のボトルはオーナーズカスクの紙箱に入っています。
それだけでなく、サントリーの名誉チーフブレンダーである『輿水精一』氏のサインが入っています。ボトリングナンバーが023なので、最初の1本という訳でもなさそうです。
ここまでいくと関係者しか正解を知り得ないですが、250~300本程度の総ボトルのうち、最初の30本程度(?)を特別仕様で輿水氏のサインと専用木箱にしたと推測できます。ただボトルに貼ったあとにサインしているようですので、イベントや受け渡し時に書いてもらった一本かもしれません。
中国ではシェリーカスクが非常に人気が高く、「醤油のような色」と表現されて特に重宝されています。このカスクは近似スペックの中でも色濃いものなので、価格を釣り上げた可能性はありますね。
1990年代国産ウイスキーはまだ買い?
もしも2020年頃に私の予想記事を読んだ方がいたら、お詫びを申し上げます。当時、オーナーズカスクが100万円を超えたような瞬間で、「これ以上は危険水準で価格が下落することも考えられる」と予想しました。
実際にはご存知の通りDRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)のような価格まで跳ね上がっています。ウイスキーの場合は人気のものに順張りするのが最も勝てる手法といえそうです。
このコレクター(許 daye氏)も収集だけでなく、実際に何本も開栓して味を楽しんでいます。同氏に憧れた別の富裕層が、同じ用に今からコレクションして抜栓することも充分に考えられます。
そうなると、発売当時から300倍以上も跳ね上がった現在の価格がピークではなく通過点なのかもしれません。
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