当サイトでは「過去の相場分析」をすることで、上昇しやすい銘柄を紹介してきました。今回は別の方向性、中国の投資情報をもとに、今後上がる可能性のある蒸留所を先読みしてみます。
中国人投資家には閉鎖蒸留所が人気?
日本では「飲んで楽しむこと」と、「品薄商品を転売すること」が主流になっています。中国は一歩先を行き、投資に向いている蒸留所を紹介しています。
01.スプリングバンク蒸留所
02.ローズバンク蒸留所
03.ダルモア蒸留所
04.ブローラ蒸留所
05.グレンユーリー・ロイヤル蒸留所
06.ポートエレン蒸留所
07.ロッホサイド蒸留所
08.グレンアギー蒸溜所
09.セント・マグデラン蒸留所
10.ミルバーン蒸留所
この中で、スプリングバンクとダルモア以外は閉鎖蒸留所です。ブローラやポートエレンは再開したようですが、過去のボトルとは区別されます。
なぜ大量生産をしているダルモアがランキングに入るかは分かりませんが、かなりマニアックな閉鎖蒸留所まで調べているようです。
生産終了して数十年経つ蒸留所は、リリースされる樽も減り続けて、味に関係なく値段が高くなっていきます。そのためポートエレンなんかは当たり前のように30~40万円以上の値段がつけられます。
閉鎖蒸留所のボトルは美味しい?
私自身が飲んだことがあるのは、上記のうちポートエレンとローズバンク、スプリングバンク、ダルモアです。現在では20~30万円以上するボトルでも、バーによっては昔の値段で1ショット3~4千円で飲ませてもらえることがあります。
確かに1980年代のウイスキーは美味しいのですが、個人的には値段に見合っていないと思います。当時は1~2万円で販売されていたものなので、せいぜい5万円程度かなと思います。それでも今後減り続けるのは確実なので、値段が上がるという原理になっています。
お金に自由があるのでしたら買い集めて飲むのもよいですが、無理をして購入してまで飲むようなものではないと思っています。
中国人投資家も英国のレポートを参照している
当サイトでも以前「Rare Whisky 101」のレポートを紹介しましたが、中国版インスタグラムでも同じようにレポートを参考にして、投資情報を提供しているようです。
英国内のインデックスチャートをもとにして、中国人がボトルを買い集めています。この相場は同社の希少なオールドボトルの評価額から算出したもので、無料でPDFを読むことができます。
存在を知らない人には秘密にしておきたいのですが、私自身「2019年頃にレポートに沿ってそのままボトルを購入すればよかった!」と常々後悔しています。
このランキングによると、2019年時点で「スプリングバンク」が上位に入っています。日本国内での高騰は2021年秋に入ってからですので、タイムラグがあります。レポートをいち早く読んで、2019~2020年に仕込んであれば莫大な含み益になりました。
今お読みいただいている有料マガジンでは、今後もRare101のような海外レポートを分析した上でいち早く情報をお届けしていきますが、現在のランキングの上位蒸留所をそのまま購入するのも悪くない選択だと思います。
上記図の、右には18ヶ月前からの推移があり、ランクアップしたものは「人気上昇」、ランクダウンしたものは「人気下落」した蒸留所です。マッカランのランキングが落ちているのも興味深いところです。
新ランクインの2つの蒸留所
この中で新ランクインした「クレイグダフ(Craigduff)蒸留所」はストラスアイラ蒸留所の試験的に生産されたもののようです。
「Glenisla(グレンアイラ)蒸留所」は、グレンキース蒸留所が実験的にピーテッドタイプのウイスキーを生産していた名前で、奇跡的にも(?)信濃屋さまに在庫があるようです。買付余力のある方は、ランキングにある閉鎖蒸留所を集めるのも効果が見込めそうです。
他のランクアップした蒸留所では、「グレンユーリー蒸留所(18UP)」と「カリラ蒸留所(39UP)」、「オーバン蒸留所(24UP)」が目立ちます。
グレンユーリーはUDレアセレクションや、G&Mの125周年限定ボトルなどで極めて少量流通していますが、流動性が低く相場が不安定です。クレイグダフ、グレンアイラと同じよう上級者向けの銘柄です。
ランキングから見る今後の動向
安直に読み取るなら、現在も生産している「カリラ蒸留所」、「オーバン蒸留所」、「ダルモア蒸留所」、「グレン・エルギン蒸留所」の長期熟成ボトルなんかを狙っていくのが良いのではないでしょうか。
グレン。エルギンはまだまだ知名度が低いので、希少ボトルも比較的安く手に入ると思います。昨今のPBボトルでもリリースされています。
上記のような現存する蒸留所の場合は、閉鎖蒸留所と比べると長期熟成モルトも安価で入手が可能です。そして売却するときも相場が安定しているので、中級者には向いていると思います。
あと、私自身は所有していないのですが、中国のSNSを見ていると「ダルモア」が人気があり、葉巻に合わせている人も多く見かけます。シェリー樽が人気なので、日本国内の「ダルモア 18年」などの長期熟成なんかが狙われるのではないか?と予想してみます。
海外相場より少し高いので、すぐに値上がりはないかもしれませんが、上記のランキングに入っている銘柄はチェックすることをお勧めします。
免責事項
当サイトの内容は個人的な推測に基づくもので、内容の完全性や、その正確性を保証するものではありません。ウイスキー投資は法律上の制約や損失が発生する場合があります。必ず自己責任おいて入手・売却等をお願いします。利益が出た場合は、確定申告など税務上の申告が必要になる場合もあります、税理士や税務署職員に相談ください。大量の酒類を個人売買する際には、酒税法上の免許や認可が必要になります。