今日は、ある会社が主催する『ワイン投資セミナー』に参加したのですが、内容のレベルが低く驚いてしまいました。
1時間のセミナーをざっくりまとめると、「ボルドー左岸のメドック格付け1級を中心にして、プリムールの短期売却、または寺田倉庫で長期保有して出口はオークションハウス」というものです。
オークションハウスの手数料が22%というのは中々高く、内心「ヤフオクで売却した方が、参加者数も多く高値で売れるのでは?」とさえ思ってしまいました。
手前味噌ではありますが、先日公開した上記記事の方が役に立つほどです。そもそも、「統計やグラフの無い、体感的な投資話」ばかりで怪しささえあります。
当サイトも恣意的に切り抜いたグラフを用いることもあるので、あまり非難はできないのですが、長期グラフを見ると多少の説得力はあります。
『国産オールドボトル下落』の意味は?
昨夜の記事に続き、国産オールドボトルに焦点を当ててみます。
コメント頂いた、サントリーのブレンデッドウイスキー「センチュリー」を分析したところ、面白い傾向に気がつきました。
他の国産オールドボトルも「相場が落ち着いた?」と思うことがあったのですが、実際にチャートにしてみると一目瞭然です。
明確な理由が見当たらないのですが、中国市場の買い付けが弱まったためか、急騰しすぎたため調整段階なのか、そもそもブームのピークを過ぎたのか、いずれかと予想されます。
2015年の最安値は「1,699円」という、小学生でも買えるような手頃な価格の『センチュリー15年』、時間を掛け上昇を続け一度1万円程度で頭打ちになりました。
2019〜2020年に少し抜けて、15,000円で推移。やや下落をしながらも相場形成をして、2021年の夏から秋にはビットコインのように急騰。
6万円を越える価格で数件落札されています。
このまま10万円越えるか?と思いきや、買い圧力が弱まり価格が崩れました。出品数量を見ると、そこまで増えているわけでないので売り圧力優勢というよりは、買い圧力が弱まったと見ています。
怖いのは、国産ウイスキーのブームは実は過ぎていて、このままダラダラと下落を続けるパターンです。個人的には、ボックス相場が続き、再び最高値チャレンジをして10万円を抜けていくのでは?と見ています。
もう一つチャートをご覧ください。
こちらは、『センチュリー17年』のチャートです。
ウイスキー相場って本当に面白いな〜と、感動してしまいました。
誰と示し合わせたわけでなく、15年とそっくりの相場を形成しているのです。同じようにピーク時は6万円越えをして、そこから下降トレンドに入っています。
拙い技術ですが、2つのチャートを重ね合わせてみました。
グラフの横軸ですが、厳密には「時間軸」ではなく「取引数」になっています。そのため実際の時間軸とは多少ズレがあります。
それでも過去10年の相場を照らし合わせると、ほとんど同じ動きをしていることが分かります。
どちらの銘柄も2021年の5~6月にピークを迎えて相場が反転、ピーク時の半額程度になっています。昨年の夏に買った人が居たとしたら、含み損になっているはずです。
『国産オールドボトル下落』をどうみる?
私自身の意見では、「調整段階」だと思っています。特にサントリーの2000年前後にリリースされた希少なボトルは、生産本数が限られているのと、ブレンデッドでありながら熟成年数が書かれていること、ミレニアムビンテージであること。
これらの事から、短期的には弱気相場で2021年の安値に合わせて下落しますが、どこから底打ちして反転すると見ています。
1~2年で売約を予定される方には向いていませんが、気長に5~10年またはそれ以上の長期保有を考えている方には最適な買い場が来ていると思います。
今はまだでも、2030年や2040年になったときに「2000年ビンテージを集めたい」というコレクターが出てきても何らおかしくありません。
現にボルドーワインでは、5大シャトーの2000年ミレニアム揃いは非常に高い価格で取引されています。
「サントリー センチュリー 40年」は難しいとしても、山崎、響、ミレニアム、センチュリー15年、17年、これらの2000年限定品を揃えて所有するのは国産ウイスキー投資の方向性としては悪くない方法だと思います。
※このまま国産オールドボトルが暴落したらすみません。その際は諦めて抜栓し、20世紀の美味しいウイスキーを楽しんでください。
免責事項
当サイトの内容は個人的な推測に基づくもので、内容の完全性や、その正確性を保証するものではありません。ウイスキー投資は法律上の制約や損失が発生する場合があります。必ず自己責任おいて入手・売却等をお願いします。利益が出た場合は、確定申告など税務上の申告が必要になる場合もあります、税理士や税務署職員に相談ください。大量の酒類を個人売買する際には、酒税法上の免許や認可が必要になります。