「何本か持っていた方が良いワイン」というのが存在します。中でもブルゴーニュワインは、安定して上昇しているので投資に最適です。
例えばモレ・サン・ドニとシャンボール・ミュジニーに跨る珍しい特級畑の「クロ・ド・タール」は900年近く分割されることのないモノポール(単独所有)です。ヴォーヌ・ロマネと比較すると、有名とはいえませんが以下のように年々少しずつ上昇しています。
ビンテージとコンディションが混合ですので、チャートにばらつきがあります。今回のチャートは一つの年数を指すものではなく、同一畑の別の年数も混じっています。それでも全体の取引価格が上昇しているのが分かります。10年前は2万円前後でしたが、現在は4~6万円が中心になっています。
一部の生産者だけが急騰している?
先日の「アルヌー・ラショー」は1年で600%超えという驚異の急騰でしたが、多くの生産者は緩やかに上昇しています。
例えばブルゴーニュの白ワイン生産者で有名な「コント・ラフォン」、最近高くなったと聞きますが、特級畑のムルソー・ペリエールをチャートにしてみると、28,000円が50,000円になるのに10年間掛かっています。クロ・ド・タールよりも上昇率が低いことが分かります。
では、昨年秋に値上げが予告された「ドメーヌ・ルフレーヴ」の上昇率を見てみましょう。
まずは「バタール・モンラッシェ」をチャートにしてみました。一つ下の、「ビアンヴニュ・バタール・モンラッシェ」は除外してあります。
こうしてみると、2020年頃から急激に上昇していることが分かります。それまでは2012年から2018年まであまり変化がなく、微減・微増を繰り返していました。
2021年に急激に上昇して、今や10万円以下では手に入れることが難しくなっています。
同ドメーヌのフラッグシップ「シュヴァリエ・モンラッシェ」のチャートも作成してみました。
調べていて驚いたのですが、2012年は同ドメーヌのフラッグシップボトルが、なんと2万5千円で買えたということです!!
今や15~20万円は覚悟しなければいけない、それも在庫が全く無いボトルが当時は安価に投げ売りされていました。
2万5千円では、ドメーヌ・ルフレーヴの「ピュリニー・モンラッシェ」さえ買うことができません。このときに12本を30万円で買っていれば180万円相当になっている計算です。夢がありますね。
入門用の「マコン」まで品薄高騰?
実はドメーヌ・ルフレーヴは、価格高騰したワインに対して良く思っていない部分もあり、手頃に楽しんで欲しいとブルゴーニュの南にある「マコン」という畑で作った安価なワインをリリースしています。
昨年秋に日常飲み用に購入したときは、1本3,380円でペイペイモール16%還元で購入できました。2800円相当です。
ところが、今やエノテカの5,000円のマコンさえも完売してしまい、割高で6,600円で売っているショップしか残っていません。
7千円代といえば、去年まではルフレーヴのACブルゴーニュが購入できる価格帯です。個人的には、この値上がりは始まったばかりで、今年の夏〜秋を過ぎたら更に上昇するのではないかと思っています。
何しろ、値上げは昨年の話で、円安、原油高、戦争も関係がないタイミングです。次回の入荷では卸値がさらに上がって、中国市場の割り振りが増えるために国内の販売が限定的になるのではないかと思っています。
高いけれど、まだ買えるルフレーヴ
ルフレーヴは「ルフレーヴ・エ・アソシエ」という契約農家の畑で収穫したブドウで作ったワインがあります。価格上昇率が高いのは自社畑のボトルです。
マコンなんかの手頃なワインも上昇していますが、値上がりの中心は「ピュリニー・モンラッシェ」以上の畑名です。
このことから、今でも高いと思える「シュヴァリエ・モンラッシェ」や「バタール・モンラッシェ」は数年すれば本当に買えなくなるほどに上がるのではないでしょうか?
予算が少なければマコンからブルゴーニュ、潤沢な資金があればバタール・モンラッシェやシュヴァリエ・モンラッシェ。もしワイン投資に興味があれば上記の銘柄を1本買っておいても良いかもしれません。
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