未来予知は不可能ですが、過去の情報を整理して、今後起きる事を予想することは可能だと思っています。
この2年間、世界的にコロナウイルスによる様々な影響が起こりました。未だに上海では大規模なロックダウンを強制され先の見えない状況です。
一方で、「そろそろ出口に向かわないとね」といったムードも出始めています。屋外・通学時のノーマスクを政府が推奨したり、国内のイベントや行事を再開したり、外国人観光客の入国規制緩和を段階的にしています。
これらのことから今すぐとは言えませんが、今後1年から数年以内に昔のような生活様式に戻る流れになるはずです。中でも観光業界はコロナ渦のダメージを受け、円安が続いていることもあり、以前よりも外国人観光客の受け入れを拡大・強化するのではないでしょうか。
コロナ直前まで訪日観光客の爆買が続いた
SNSで、ある面白い投稿を見かけました。元の投稿を失念してしまったのですが、「インバウンドが再開したら、訪日観光客が増加して、円安で爆買いされるから、ビンテージや欲しい物を買っておいた方が良い」このような内容でした。
説明されたら、完全に納得できるのですが、現在のウイスキー相場に対して上記の出来事を考慮していませんでした。実は2018年以降、仕事の関係で銀座に立ち寄ることが多く、中国人訪日観光客のあまりの多さに驚かされました。
何しろ銀座三越のワンフロアが訪日観光客向けの免税店になってしまうくらいです。紙袋を両手に大量に抱えた中国人家族がエレベーター前に座り込み、店内には中国語のアナウンスが途切れることなく流れていました。
上記写真は入国規制後の銀座ですが、この通り沿いにびっしり観光バスと不法タクシー(アルファード)が並んでいた事を覚えています。本来、白タクは違法で直ちに逮捕されますが、中国アプリで本国通貨立てで決済しているので、日本国内での現金授受がありません。そのため逮捕されることなく、堂々と白タク営業ができてしまったのです。
美容品、化粧品、医薬品からブランドバッグにロレックスなど買い漁っていました。お洒落をした日本人富裕層と異なり、中学校の運動服ジャージのようなみずぼらしい服装で、カルティエやヴァンクリーフ&アーペルのような高級宝飾店で数百万円の商談をしているのが目に焼き付いています。
銀座シックスにはバスの停留所が整備されていて、ここからぞろぞろ大量の観光客が訪れてキャリーケース渋滞していました。見事なまでの爆買で、ニュース報道よりも近くで熱気を感じました。
私自身はやや右寄りですで、我が物顔でデパートに座り込む輩や、中国語ばかりの百貨店の放送にうんざりしていて、コロナで消え去った時は内心せいせいした気持ちでした。
アフターコロナの訪日観光客はどうなる?
これは予想ですが、当時よりも更に激化するのではないでしょうか。円相場にもよりますが、私が目撃したのは2018年~2020年2月までです。
当時は1中国人民元が15.16円でした。
インバウンドブームよりも約30%も円が安くなっています。つまり、当時100万円で日本で買った商品が、70万円にセールされているのに等しいのです。
そもそも免税適用されるので、日本人が買うよりも10%安いのです。例えば高級宝飾品が100万円だとしたら、円安で70万円。消費税還元を出国時に受けられるので、70万円から7万円値引きされます。
上記はイメージを掴むための大雑把な表現で、実際には為替手数料や返金率が異なる場合がありますが、日本人が100万円で買う商品が(実質)63万円で買うことができる感覚に近いです。
バブルから2000年代まで日本人が東南アジアを旅行して「ガハハハ、アジアは飯も買い物も安いな〜!」と爆買いしていた日本人は、今度は逆の立場に置かれたという訳です。
コロナ前は、消費税還元のタックスフリー制度を悪用して、中国人訪日観光客と在日中国人がグルになって課税回避するスキームも話題になりました。買取価格の高い時計など、非課税の10%オフで購入して返金を受けて、在日中国人が日本の買取ショップで売却するものです。金密輸に似た手口です。
ウイスキーの価格にも影響がある?
私の意見では、「影響がある」と思います。
最近は酒販店でプレミア価格が乗せられて、ウイスキー愛好家やファンが「こんなプレミア価格、消費者を馬鹿にしてる!」と買うことが少ないです。贈答品やお金持ちの中には、プレミア価格で買う人がいるかもしれません。
しかし中国人観光客からすれば、タックスフリーの店であれば即時10%オフ、為替レートで20~30%オフなら「全然安い!」と判断して爆買いする可能性があります。
何しろ円高時代でさえ、大量に買い占めしていたので、円安のインバウンドあ日本にある貴重な品物が買い占め漁られると覚悟したほうが良さそうです。
SNSでは、「古着や希少なビンテージなど欲しいものは早く買った方が良い」と書かれていましたが、数量が限られている希少なものは観光客が訪れる前に自宅に隠しておきたいものですね。
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