
話題になったI.W.ハーパー12年以外にも、ジワジワ価格が上昇しているバーボンが存在します。先日、有料マガジンで公開した「ワイルドターキー・ゴールドラッシュ旧ボトル」は右肩上がりで取引金額が上昇しています。
ブラントン、アーリータイムズ・イエローラベルの終売だけでなく、年数表示入りのボトルが各社減りつつあります。そもそもバーボンは、スコッチウイスキーと異なり熟成期間を表記する義務がありません。8年や12年などバーボンの中でも長い熟成ボトルは、原酒が減ってきたため続けるのが難しいのかもしれません。
バーボンの値上がりはスコッチとは異なる?
現状、スコッチのシングルモルトウイスキーは緩やかな右肩上がりを描く事が多いです。現行品の値段も上がりつつ、オールドボトルは更に上るといったチャートになることが一般的です。
当サイトのチャート分析でも、そのような形を見たことがあるのではないでしょうか。
ところが、バーボンは新ボトルと旧ボトルで扱いが全くことなります。

こちらはSNSでも人気の「ブッカーズ」木箱がついていることで有名です。オールドボトルは2020年頃から突如として、1980年頃の「ブッカーズ ノエ」などが登場しています。チャートのレンジを絞っていないので、2020年以前にも大量に出てもおかしくないのですが、近年オールドボトルの売買が盛んです。
新ボトルは1万円以下で、ほぼ水平の取引価格になっていますが、旧ボトルは10万円近い落札も目立ちます。ここまで価格に乖離があるのはスコッチでは珍しいです。

昨夜、こんな面白いボトルが落札されました。プレミアム・オールドバーボンの筆頭といえば、カルト的な人気を誇る「ヴァン・ウィンクル(パピー・ヴァン・ウィンクル)」と「オールド・セントニック」です。
昨月に「Van Winkle(ヴァン ウィンクル)ファミリーリザーブ 17年 1974-1991 50.5% 750ml 」が160万円で落札されたのには衝撃を受けましたが、オールド・セントニックも90万円まで高騰しました。
写真の「Very Olde St.Nich(ベリー オールド セントニック)バレル プルーフ 59.8%」ですが、2018年1月20日には、86,000円、2月11日には92,111円。2019年2月9日に120,000円、同9月15日に104,499円で落札されています。
たった3年で、90万円まで伸びたといえます。

こちらは、ボトルシリーズが全て混在した「オールドセントニック」のチャートです。下の部分が新ボトルで、高額なものが旧ボトルの15年などです。
これを見ると旧ボトルだけが極端に伸びていることが分かります。
https://www.whiskybase.com/whiskies/brand/83427/very-olde-st-nick
https://www.whiskybase.com/whiskies/brand/82522/van-winkle
Van Winkle、Very Old St.NickともにWhiskyBaseでの登録数が少ないです。そもそも、オールドセントニックはガレージで数人の仲間で作ったような蒸留酒のためリリース数が極小でし。ヴァンウィンクルも、オールド・フィッツジェラルド時代など、時代によって製造蒸留所が異なり、価格も違います。
WhiskyBaseでfor saleをyesにすると、わずか数件しか販売されていないことが分かります。上記の90万円以上のボトルは販売登録さえされていません。
投機的な資金が流入しているかもしれませんが、価格の土台となる目安さえないので、資金潤沢なバーボン愛好家によるオークションのbidによる付け値かもしれません。
本数が極めて少なく、なおかつ既に高騰しているので、今後も続伸するのか落ち着くのかは全くもって未知ですが、余剰資金がありバーボンに興味があれば参入するのも面白いですね。
ちなみに、私自身はオールドセントニック 15年の新旧ボトルを実際に飲んで、比較したことがあるのですが味わいも香りも全くもって別物でした。
旧ボトルが高すぎるからといって、安直に手頃な新ボトルを集めるのは早計となりそうです。
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