昨日は久しぶりのWhisky Auctioneerでした。日本からも参加者がいる英国のオークションですが、ポンド高が続き購入者には厳しいレートとなりました。
マッカランが樽で出品されましたが、なんと1樽1500万円で落札。「え?安い?」通ですね!なんと珍しいバーボンホッグスヘッドなんです。
マッカラン 1989年 バーボンカスク
マッカランといえばシェリーの印象が強いですが、バーボン樽でも作っているんです。実際にバーで飲んだことがあるのですが、没個性的で「え、これでマッカラン?」みたいなところがありました。この時、マッカランは穀物や製法というよりは、樽に頼ってる部分あるんだなぁと妙に納得したことを覚えています。
さて、落札価格は£92,500(約1500万円)ですが、実際には10%オークション手数料とクレジットカード決済手数料の3%、補償のオプションサービス料金で3%かかるようです。
英国内でボトリングして、全量を日本に輸入すればVAT(付加価値税)が免除されますが、今度は日本での酒税や関税が必要になります。ボトリングの費用やインボイス代行の費用などもかかるので、ざっくりの予想ですが最終的に2200万円程度になるのではないでしょうか?
今年の5月に残量が111リットルあったそうなので、カスクストレングスであれば約161本詰めることができるそうです。こうなると、2200万円を161本で割って1本あたり約14万円。酒税法だけでなく食品衛生法上の検査などもありますが、原価の段階で14万円程度、そして最終的な販売価格は20~30万円程度ではないでしょうか。
マッカラン32年の場合は、シェリーカスクより全然不人気なバーボンカスクであっても今後は上記のような価格になると推測できます。フェルミ推定どころか、更にざっくりとした計算になります。
ちなみに、サマローリの「1989 Samaroli Magnifico (2022)」の価格はリリース直後なのに7,190ポンド(約120万円)で売られています。
アードベッグ 1994年
同日、アードベッグ1994年も落札されていました。
同じように計算すると、£205,000(約3400万円)から手数料などで4000万円。そこからボトリングと輸入で4300万円程度でしょうか。
233本いけるようなので、1本あたり18万円が原価に。販売価格は25~35万円程度でしょうか。こちらもざっくり計算ですが、28年熟成の1994年アードベッグは安くても20万円はすることが分かります。
例えば武川蒸留酒販様で販売している「ザ キンシップ アードベッグ 28年 No.2 50.1度」は183,500円です。
2020年のアイラフェス限定ボトルで、ハンターレイン扱いですので、色々と計算は異なりますが、実売価格とオークションの樽価格でかなり良い線の価格だということが分かります。
グレンアラヒー 2012
最後にグレンアラヒーの安めの樽も計算してみます。
落札金額が、£12,000(約200万円)で手数料を入れて232万円、諸経費込めて300万円だとすると、271本ボトリングして1本1万円弱になります。加水すれば7,000~8,000円まで抑えられるかもしれません。
こうなると、日本での実売価格が2万円程度でしょうか?加水で13,000円?
樽からの計算をあまりすることは無かったですが、Whisky Auctioneerで最新の落札から推測するのは面白いですね。
もし、ボトリングの諸経費や関税など利率・算出方法をご存知の方いましたら、正しい数値に修正しますので教えて頂けたら助かります。
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