オークションで目立った、直近の相場を確認できるようにレポートをお届けします。購入や売却、今後のポートフォリオの参考にしてみてください。
公開日 2022年8月11日
マッカラン エディションNo.1
久々のオークション・レポートとなります。
先月まで国産ウイスキーもスコッチも目立った動きがなかったのですが、8月に入り、続々と強気相場での落札が出てきました。
まずは名物の「マッカラン エディションNo.1」から解説します。
過去10年間で最も値上がりしたスコッチウイスキーの一つになります。2今年に入っても続伸しています。2020年には7万円程度だったものが、42万円まで上昇しました。
当サイトの開設初期の記事です。
2017年頃に14,000円と定価以下で購入し、手土産やパーティに持っていき「劣化して不味い」と大騒ぎしたボトルが20倍以上の価格に……。
美味しいならまだしも、不味いと騒ぎながら何本も空けなければ良かったと後悔しています。
グレンリベット 21年
久々に出てきました。昨年まで7万円だった「グレンリベット21年」のアンブレが、ついに12万円台にまで上昇しました。
グレンリベットは生産本数が多く、国内でのオールドボトルも流通量があるので値段が上がりにくいシングルモルトでした。
2020年頃までは投げ売りされていて、「これは上がらないな…」と思っていたのですが、アザミの「アンブレンデッド時代」を中心にジワジワと上昇して「ピュアモルト時代」とともに前年比110~150%程度上昇しています。
ヴァージン バーボン 10年
SNSで騒いでいないのに、ジワジワと値段を上げているバーボン界隈ですが、高騰の予兆があります。
「ヴァージンバーボン10年」ですが、2019年までは1万円近辺で明確なレジスタンスラインがありましたが、それを超えて高値を探っている状態のようです。いささか流通本数が減ってきたので、今後も上昇する可能性がありますね。こっそり仕込んでいる人がいそうです。
ちなみに2015年までは3,500円が安値でした。長期投資の大切さが分かります。
グレンフィディック 21年 ウェッジウッド
振れ幅の大きい「グレンフィディック 21年 ウェッジウッド」ですが、ついに過去の値上がりを抜けてきました。
チャートを見ると分かりますが、このボトルは2012年頃の1万円台から2016年までに一度4万円台まで上昇しました。そこから売り圧力が優勢になりダラダラと下落。一時は2万円を切るなど大きく下げましたが昨年から再び上昇トレンドに転換し、今回はついに5万5千円まで押し上げました。
グレンフィディックは、グレンリベットと同じく「値段が上がりにくいシングルモルト」です。この時代の他のモルトは大方、すでに高い値段がついていますが、上記2蒸留所は流通本数が多いため割安で買うことができます。
順調に上がれば、2023年~2024年に6~10万円台を目指すシナリオもありそうです。
アラン 23年 1996 リフィルシェリーホグスヘッド
今年の2月26日に28,000円、6月15日に33,500円だったボトルが、44,000円にまで上昇しています。隠れてガンガン値上がりしていますね。
山崎NVを大量転売するよりも、このような良いボトルを1本抱えて10~20年ホールドする方が投資として良さそうです。
さて、こちらのボトルのチャートではありませんが、1996年に樽詰めされたアランのチャートとなります。熟成10年未満も混在していますが、2018年頃から全体の相場が上がっていることが分かります。
私がアランモルトを複数本買っていた2020年頃はアラン21年が16,500円で在庫が潤沢にありました。今では4万円以上で売るショップもあります。
創業年が1995年で、翌年の出来が良いと言われていますが、小規模のディスティラリーなので原酒が豊富に残っている訳ではなさそうです。気になる方は、そろそろ1本持っておきたいですね。
マッカラン カレドニアンセレクション1988
余談ですが、2019年に同一ボトルをeBay.itで290ユーロ(当時3万5千円)で落札しました。送料が高いと某氏に相談したら「俺の事務所で預かってあげるよ」とイタリア国内の住所に転送して、未だに受け取りできていません……。引っ越し作業中に消えて無くなったそうです。
同一ボトルは2016年に4万円で落札されています。国内相場はほとんどありませんが、スペックから落札価格を推測している例になります。
カリラ 25年
「買わなきゃ、買わなきゃ」と思いつつタイミングを逃してしまったカリラ25年です。2020年までは、たったの15,500円でした。
これが2万円になり「うわ!5千円も高くなってる」、2万5千円になり「うわ!1万円も高くなってる」(以下略)
このように、少し上がっても躊躇せずに買わないと、タイミングを逃します。
きっと数年後に、このチャートを見て「あのときはカリラ25年が3万円で買えたんだよな~」とぼやいていること間違いなしです。
生産数量がやや多いので、突発的に高騰はしないと思うのですが、ジワジワと上がって気がついたら4万円、5万円というパターンではないでしょうか?
最近は有名なシングルモルトが25年熟成で3万円でオフィシャルが買えることが少ないので、アイラ島の最大手でこの値段なら十分に割安だと思います。
アードベッグ ベリーヤング コミッティーリリース
アードベッグは強いですね。これも買い場を失ったボトルです。
「え~去年まで(略)」と買えずにダラダラ過ごした結果、ついに14万円台まで上昇。2020年まで4万円台だったと思うと、一気に伸びていますね。
予想ができないので、話半分の妄想だと思って頂きたいのですが、2025年に30万円、2030年に50万円という感じでしょうか?
残りの本数が少ないので、価格が下がるというのは考えにくそうですね。ただ、やっぱり高すぎて今の値段では買えないです……。
アラン 25年
あれ、5万5千円じゃないっけ?と思いながらチャートを作ったアラン25年です。
今年の5月11日の落札では、53,110円で落札がありました。7万円だと10%の手数料を抜いても1万円以上の利ざやがありますね。
このチャートでは、あまり上昇していないように見えると思いますが、どこかで急上昇してもおかしくなさそうに思えます。アラン25年は1本も持っていないのですが、底値が硬いので買い場なのかもしれませんね。
グレンドロナック 25年 マスターヴィンテージ 1993
2020年頃から推奨している茶ドロ、中でも1993年は格別に美味しいと有名です。今年の春に当サイトで大騒ぎして「今のうちの買った方が良い」と騒ぎながら、6~7月はあまり値段が変わっていなかったので、「ミスった?」とちょっと不安になっていました。
先日も高島屋限定の「グレンドロナック シングルカスクウイスキー 1993 CASK7255」が何故か公式サイトよりも2万円以上高く落札されるなど、謎の多いロナックですが、マスタービンテージも上がってきました。
昨年まで3万5千円でしたが今年になり5万円を抜けて、ついには8万5千円まで上昇しました。
実はこのボトル、武川蒸留酒販売様に4月まで64,580円で売られていました。
現在は値上がりしてしまいましたが、楽天市場やAmazonでは全滅なので実店舗で偽物リスクなく、安心して買えることを考えたら手頃なのかもしれませんね。
久々の更新でしたので、何件か分析してみました。
夏場は上がらないかな?と思っていたのですが、8月に入ってから急上昇している銘柄もちょいちょい出てきています。
ワイン、シャンパン、国産ウイスキー、スコッチいずれも正規販売店の一次販売だけでなく、中古市場の二次販売でもジワジワと値上がりしています。
参考になれば幸いです。
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