
こちらの記事は昨日の続編になります。
その前に、驚いたツイートがあるので少し雑談にお付き合いください。
https://twitter.com/hirosan_3/status/1520238012583477248
これが問題のツイートです。
見た瞬間「え!?本当!?」となってしまいました。4,000円チャージして38.09ドルなら理解できるのですが、5,000円チャージしても、たったの38ドルしか掛かりません!
みなさんも体感的に1ドル=100円のイメージはないでしょうか?
円安は頭で理解してても、このように写真になってると「ヤバスギでしょ……」と実感しやすいです。
これだけでも驚いたのですが、リプライ欄がなかなかパンチが効いていて二度驚いてしまいました。
「私もSuica持ってるよ、$決済云々はどうしても分かりにくいです」
「私PASMO使っていて、電車乗る時だけ、現金をいちいちチャージしていた
AMEX持ってるし、こんな使い方があったとは!」
違う!違う!そうじゃなくて、この人が言いたいのは「5,000円チャージしても、たったの38ドルしか掛かってない」という意味だよ。一昨年の2020年まではチャージに49ドル必要だったんだよ!と心の声が漏れてしまいそうでした。
中には「え、じゃあドルでチャージしたらお得ってことですか?」なんてコメントがあって、頭を抱えてしまいました……。あなたがUBSなり、クレディスイスなりシティ銀行に、CHFやドル建て口座があるならそうなります。そうでなくて、みんな日本円で貯金してるからやばいんですって、なってしまいました。
話が脱線してすみません。日銀は量的緩和を維持するようですが、円安が加速した場合、輸入品目全般が値上がりし、オイルショック時のような悪性インフレが起こります。もちろんウイスキーの値段も更に一層高くなります。逆にテーパリングすれば、長期金利の上昇は資金調達コストが高くなり株価の下落や景気の悪化が予想されます。
金地金や外貨建て積立を長年していた人は焦りはないと思いますが、日本は今後厳しい状況が続きそうですね。
さて本題に戻りたいと思います。
2022年「流動性の低いボトル」にシフト
これは私個人の手法ですが、昨年末から投資対象を「生産本数の少ない、流動性の低いボトル」にシフトしています。
流動性の高いボトルとは、売買が活発で買取業者も欲しがるような有名銘柄です。マッカラン、山崎・白州・響など、相場が形成して即売ることができるものです。反対に流動性の低いボトルとは、流通量も少なく買い手が現れにくいボトルです。
「そうなると、ボトルを売るのに困るのでは?」
きっと、そう思うはずです。確かに流動性の低いボトルは、買い手を見つけるのが難しいです。それでも希少価値が高ければ、高額になる可能性を充分に秘めています。

例えば、ここにウイスキー投資予算が20万円あったとします。今後も成長すると予想でき、なおかつ人気で流動性の高いウイスキー『山崎18年』。
私個人の感覚では、このボトルを18万円で買うのはかなり怖いです。
もともと2万円弱で販売されていたもので、当時から味が劇的に上がったわけでもなく、流通量も少ないとはいえ10万本以上が流通しています。偽物リスクや今後の増産も考えると積極的に欲しいボトルではありません。

では、こんなボトルはどうでしょうか。
カリラ [1980-2021] 40年 リフィルホグスヘッド エクストラ オールド パティキュラー XOP
このオークション、監視をしていたのですが落札されずに一度再出品されています。同一ボトルをネットで検索すると、信濃屋さまに341,000円で販売されているのが分かります。

例のごとくWhiskyBaseでも値段を確認してみます。現在の最安値£ 1599(261,659円)、平均価格€ 1993(273,314円)となり、それほど悪くない値段です。

生産本数はカスクストレングスで206本です。蒸留所は異なりますが、ボウモアだと1984年のホグスヘッド34年熟成でも3,000万円超えします。マッカランの場合は余裕で2億円超えますが……。仮にカリラ1980年の樽価格が3,000万円だとすると均等割りして1本15万円。2,000万円だと10万円です。
(最近は樽の中の一部だけを購入する方法もあるようですが、エンジェルズシェアを考慮すると全量になりそうです。そもそも30年以上は劣化のリスクが高く良質なものしか残されない傾向にあります。)
英国のVAT(付加価値税)、ボトラーズブランドの利益や瓶詰め、輸出コスト、日本の代理店、販売店利益などの必要経費を全て無視したとしても、上記の費用が最低でも掛かります。
ハンターレインも好きですが、「ダグラスレインじゃないとリリースできない価格とスペックだよな〜」とボトル単価を計算してみて関心してしまいました。上記のオークション価格は日本の仕入れ価格よりも低いかもしれませんね。
1980年蒸留、40年後ボトリングなので、2030年には50年を迎えます。
これを購入をして、2029年頃に売却(利確)すれば需要あるのでは?
こんな感じで、流動性の低いボトルの購入対象を決めています。
アイラ島の中でもボウモアやアードベッグと比較すると、カリラはやや人気が低いですが、1990年代の原酒どころか2000年代の樽でさえも出し渋っています。モリソン&マッカイなど、ボウモア重役が独立したボトラーズでさえ近年リリースが少ないです。こうなると、1980年代の原酒は流通量が極端に減っていくと予想できます。
上記は一例で、同じようにニッチな流動性の低いボトラーズブランドを日夜分析して、投資対象を探しています。
山崎18年をプレミアム価格で購入して投資するのは簡単ですが、流動性の低いボトルにあえて挑戦するのもウイスキー投資の楽しさです。
※これだけ偉そうに解説しておきながら、10年後に「山崎18年」の方が、値段高かったらすみません。
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当サイトの内容は個人的な推測に基づくもので、内容の完全性や、その正確性を保証するものではありません。ウイスキー投資は法律上の制約や損失が発生する場合があります。必ず自己責任おいて入手・売却等をお願いします。利益が出た場合は、確定申告など税務上の申告が必要になる場合もあります、税理士や税務署職員に相談ください。大量の酒類を個人売買する際には、酒税法上の免許や認可が必要になります。