オークションで目立った、直近の相場を確認できるようにレポートをお届けします。購入や売却、今後のポートフォリオの参考にしてみてください。
公開日 2022年5月28日
山崎蒸留所 ウイスキーショップ W. 1st
アニバーサリー 1998-2011
久々の「ウイスキーショップW」が出品されました。
WHISKY SHOP W(ダブリュー).は2011年に、大阪堂島のサントリービル1Fに直営のアンテナショップとしてオープンしました。わずか5年間の営業で、2016年に惜しくも閉店しましたが、最初の限定ボトルとなります。
オークションを見ていると、山崎なんかに「W」の黒抜き文字がついているボトルを見かけますが、ウイスキーショップW限定品・専用商品となります。オーナーズカスクとは異なります。
こちらのボトル2018年には198,000円でしたが、2019年に307,000円をつけて微減していました。久々に出たらびっくり、オーナーズカスクと同等の価格がついています。
個人的に、山崎は1980年代のミズナラ&シェリーが100万円超え、1990年代モノは30~80万円というイメージが強かったのですが、今年に入ってから90年代後半でも100万円を余裕でオーバーするボトルが出てきました。
チューリップバブルもびっくり!の価格高騰が続きます。
山崎 オーナーズカスク 1986-2006
【2020年版】価格が上がることが期待できるウイスキー投資の基本1/4
2020年に執筆した、こちらの記事を読んだことがありますでしょうか?
私はこの年数のロット違いを1本だけ所有していますが複雑な気持ちです。30歳の誕生日のために、当時の私が購入したものですが、「買って保管してくれてありがとう!!」という気持ちと、「おい、20本以上も店頭に並んでたのに、なんであと数本買っておいてくれなかったんだ!(怒)」という気持ちが混在しています。あれ以降、希少なボトルは複数本買う癖がついてしまいました……。
山崎 50年 空ボトル 空瓶
こちらも驚きの出品です。酒の空瓶がどうしたら200万円になると思いますか?かのDRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)でさえも、空き瓶は10万円以下で売買されています。国産ウイスキーブームが狂気的である良い例ですね。
そして、このボトルを飲んだことがある人、きっと私と同じように後悔したことでしょう。「水曜日の資源回収に出さなければ良かった」と。
グレンドロナック ウイスキーフープ 1993/1994年
1本あたり83,500円での落札。評価の高い1993年でなおかつウイスキーフープ扱というものです。グレンドロナックのシングルカスクを、フープで別注&販売したものです。LMDWやTWEなど別注は通常のシングルカスクよりも品質が高いと言われています。
WhiskyBaseでは完売で、過去のアベレージは374ユーロ(約5万1千円)です。生産本数が736なので、2つの樽をバッティングしてボトリングしたものでは?と推測されます。
シングルカスク=1つの樽だと思っていたのですが、最近調べているとグレンドロナックなんかは樽の中で液面減ったものを足してシングルカスク相当としてリリースすると個人のブログで読みました。
ウイスキーについてはあまり詳しくないので、識者の方いましたらご教授頂きたいところです。
いずれにしても、当時の価格から上昇率がまだまだ低いので仕込み時ではないでしょうか?根拠の無い推測ですが、2023~2024年には1990年代のロナックシングルカスクは当たり前のように1本10万円を越してくると思います。
つい先日も21年が3万5千円に続伸していました。ジワジワ来るのではないでしょうか。
ラフロイグ 10年 旧ボトル 1140ml
ラフロイグの旧ボトル クオート、ついに10万円突破!
クォートサイズ(1140ml)とはご存知でしょうか?英国ではガソリン給油などガロンという単位が存在します。米国とは容量が異なるのですが、英国の場合は1ガロンが4.54609リットルになります。
4546mlをクオーター(4分の1)で割ると1,137ml、つまり4分の1サイズになるというものです。
1980~1990年代に良く用いられたボトルですが、現在は国際的な基準の700ml/750mlに統一されています。お徳用ボトルも1Lぴったりになっていることが多いです。単純に、オークションを眺めていて1140mlと見つけたら「お?オールドボトルかな?」と思っても良いです。
タイトルが地味だと、マニアが発見できずに安値で終わることがあります。
さて、ラフロイグの1980年代のボトリングに見えますが、おそらく1990年代ではないでしょうか?ラベルの上部にunblended(アンブレンデッド)と書かれているものが、通称アンブレになります。
グレンリベットと同じく、アンブレの方が価値が高いです。WhiskyBaseを見ると、1000ポンド=16万円で販売されています。日本では無名ですので、やや安い価格で落とせるようです。
キャップの部分に着目してください。ここに紙が無いので、イタリア巡りではなさそうです。当時からグレンリベットもマッカランも、イタリア信仰があり教皇のご加護があるのか、ローマを通ってきたウイスキーは美味しいと言われています。
実のところは分かりませんが、サマローリのような味覚に厳しいインポーターが蒸留所に指示をしていたという噂は否めません。予算があれば、キャップに免罪符が付いているものを選ぶと良いですよ。
G&M ブルイックラディ 1968-1996
非常に珍しい1960年代のG&Mブルックラディ。どう見ても、ゴードン&マクファイルのカスクシリーズなのに、WhiskyBaseに登録されていません。
ほとんど現存しないボトルなのかもしれませんね。
国内では少数流通していたようで、過去の取引履歴を見ると2013年1月27日 22,000円、2018年7月22日 84,000円で売買されています。
さすがに2万円代だったら一度は飲んでみたいですね。
ほとんどの蒸留所で1960年代は現存数が少なく、16万円も妥当なのかもしれません。60年代の過去の取引事例のない入札で、参考になりそうな値付けです。
サンアド創業50周年記念ブレンデッド・ウィスキー
再びサントリーですみません。よくもまあ、こんな珍しいウイスキーを掘り返してくるなと関心してしまうボトルです。
出品者の説明文を引用させてもらうと、サン・アドというサントリー子会社の記念品だそうです。調べてみると、「スモーキーな原酒や酸味のきいた原酒、シェリー貯蔵モルトや酒齢40年以上のモルト、グレーン」などがブレンドされているようです。
一見ただのハイプルーフなNASじゃん!と思ったのですが、希少なウイスキーということが分かります。生産本数わずか80本と言われていますが、複数の原酒をブレンドした割りにはボトリング数量が少なすぎる気がします。
上記の情報が小冊子にありますが、800本ほど生産されていてもおかしくない気がします。
今年の4月10日に、同一ボトルは900万円で落札されていますがさすがにキャンセルになったようです。再出品で、90万円このあたりが相場のようです。
2020年は7万4千円、2021年は27万円、まだまだ狂気狂想は続きそうですね……。
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